28話 討伐終了
「どうだ?少しは驚いただろう?」
「ああ、驚いた。正直俺がこの力に慣れてから浮かれてたからな、あんたを見て考えを改めさせてもらった。」
「・・・ほぅ。素直に認めるのか。」
「それだけあんたは強かった。」
「ふむ。」
流歌は素直に、このサレ・トゥラーという男を見て感じた。
今のままでは勝てないと。
「言っておくが、魔族や人族にも俺と同じくらいの強さは何人かいるぞ?」
「なんだと・・・?あんたみたいな奴が他の種族にもいるのか。」
「魔族だと<ライデン>の者達、そして人族の男は禁忌魔法の使い手だが、王国から認められ国を守る守護者としてその地位に立っている。」
「ライデン・・・魔王直属部隊か。」
「そうだ。俺が実際に戦ってみて分かった、あいつらは強い。だが、知っているのはそいつらだけだ。他にもいると思え。」
(・・・こいつみたいな奴が何人も・・・まったく、この世界は恐ろしいな。)
「ルカ、そろそろ戻るわよ。」
「ああ。」
「ああ、それと冒険者・・・いや、ルカと言ったな。」
「そうだ。」
「まずは魔物討伐を手伝ってもらい感謝するぞ。」
「いや、俺の方こそ面白いものをみさせてもらった。」
こうして、突如現れた魔物達との戦闘は終わった。
この戦いに貢献した者として・・・流歌は長耳族から大いに信用を得ることになった。
・・・本人はあまり自覚は無いそうだが・・・。
里に戻り、リンと俺はニーユウスの家へと赴いていた。
「やっぱり姉さんはいないね。」
そこにニーユウスの姿は見えなかったが。
「まぁ、この事態だ。その始末にあたっているんだろ。」
「そうね・・・あー今日私何にもしてない。」
「戦わないで済むならそれが一番良いだろ?」
「そうなんだけどさ・・・。ルカが戦っているところを見ていると、自分がすごく弱くて、何もできないエルフみたいに思えてきちゃうんだよね。」
「・・・お前はそんな奴じゃないぞ?しっかりと状況判断ができ、いざという時に俺の事も守ってくれただろ。」
「そう、でも今じゃ逆に守られる方になってるんだよね。」
「・・・・。」
「んっ、この話はやめ!とりあえずお疲れ様、ルカ。」
「ああ、お疲れ。俺は少し寝るぞ。」
そして流歌は椅子に座り、テーブルに伏せて寝るのであった。
初めて多数の魔物との戦闘で、さすがの流歌も少々疲れた様子だ。
「・・・ふぅ、私は夕飯でも作っておいてやるか。」
リンはそう言って、厨房へと向かっていった。
(今日はいつもより豪華な感じで作ってあげるか・・・、お疲れ、ルカ。)
そんな事を考えるリンであった。




