20話 ライデン
「ルカ、これからどうするの?」
「一応まだこの力を試してみたいとは思っているんだが・・・あまり長くは持たないな。」
「そりゃ、そうよね。あれだけの魔力だし・・・。」
白い球体を作り出すのには多大な魔力を消費する。
さっきは上手くいったとはいえ、まだ全然コントロールできていないだろう。
(もう少し魔力を抑えられればいいが・・・そう簡単にはいかないか。)
「よし、あと一回だけ挑戦してみよう。」
「分かった、それじゃ私は少し離れてるね。」
「ああ。」
そう言い、流歌はまた集中しだした。
(さっきよりも弱めでやってみるか、それともう一つ試してみたいからな。)
一回成功してみれば、白い球体を出すのは意外と簡単だった。
・・・元々流歌の能力が高いとも思えるが。
(・・・よし、あまり今回は疲れがみえないな。)
流歌が試したいことはもう一つある。
それは"圧縮"の他に違う言葉を言ってみればその言葉の効果が出るのではないか、という事。
(憶測ではあるが・・・多分いけるだろう。)
「"飛翔"」
先程と同じように球体を上空に飛ばした。
(力は弱めているからこの言葉でもきっと大丈夫だと思うが・・・俺も少し距離をとるか。)
流歌はリンがいる場所まで移動する。
「どうしたの?」
「いや、これから言おうとしてる言葉は少し距離を置いておかないと不安だからな。一応力は弱めて球体を出しているが、念の為な。」
「・・・なんか不安になってきたわ・・・。それで、なんて言うの?」
「ああ・・・"爆破"」
その言葉を同時に上空から大きな音と共に、球体が爆発した。
リンはそれを見て口をポカンと開けている。
「・・・力の加減が難しいな・・・これは。」
「・・・ル、カ~・・・」
「悪かった・・・。」
「こっちに被害きてたらどうするの!?力を弱めてやってみた?あんな威力なんて聞いてないわよ!?」
「俺もあそこまで大きくなるとは思ってもいなかった、悪かったな。」
「ほんとあなたってとんでもないわね・・・。」
「今日はもう戻るか。少し疲れた。」
「そ、そうね・・・。」
「ああ、そういえば。」
流歌は草原にきてあることを思い出した。
「どうしたの?」
「俺がこの世界に来たとき、大きなドラゴンを見た。何か知ってるか?」
「ドラゴン!?・・・この大陸にそんなの現れないと思うんだけど・・・。」
「この目でしっかり見た、赤かったな。」
「赤・・・もしかしたら・・・いや・・でもそんな筈が・・・。」
「何か心当たりがあるのか?」
「魔族の中で巨大な赤龍を操るやつがいるって聞いたことある・・・でもそんなの現れたら目立つしすぐ分かると思うんだけどなぁ・・・。」
魔族の頂点に君臨する・・・いわば魔王。
その下に四天魔と呼ばれる4人の幹部、通称<ライデン>と呼ばれる魔族が誇る最強の人物達がいる。
「姉さんに伝えてみたほうがいいかも・・ほんとにそうだったら、何か企んでいるかもしれないしね。」
そう言って、リンと流歌はニーユウスのいる場所<エルフの里>へと戻っていった。




