17話 食事会
「なるほどね、ルカがいた世界には魔法もなくて、自分で力を使うにもうまく出来ないから何かヒントかコツがあれば教えて欲しいってことね。」
「そうだ、多分これからの黒の種族は俺を狙ってくる事もあるだろうからそれまでにはもっと力をつけていたいんだ。」
「たしかに、あの森を見る限りだとコントロール出来るようになったら凄まじい力になると思うわ。なにかコツとかあったっけ、姉さん。」
「んー、そうね・・・血を集めるイメージとか、ですかね・・・。」
「血を集める?」
「生きている者には絶対血が流れています、その流れを意識して指先とかに集中させるとか・・・。」
「血の流れか・・・。」
そう言って流歌は右手の人差指に集中する。
(・・・ん?何かさっきまでとは違う感じがするな。)
まるで血が集まりだし、指先から何かが出る感覚。
「・・・少し、分かったかもしれない。ここでもし成功して、森みたくなったら大変だから最後まではやらないが。」
「その方がいいですね、また明日にでも挑戦してみましょう。」
「そうね、里の者も何か起こったのか気になって来ちゃうだろうし・・。」
(なんとなくコツは分かった。あとはその後だ。白い球体が勝手に消滅するという考えもあるが・・・もう一つは言葉だ。"圧縮"以外に何かできるかもしれない。)
「さて、もう今日は遅いですしうちでご飯でも食べていきますか?」
「いいのか?」
「もちろんです。そちらの席へ座っていてください。今からご用意致しますので。」
「悪いな。」
少し時間が経ち、テーブルには様々な料理が運ばれてきた。
運んできたのはリン。
「リンは料理がとても上手なんですよ、どうぞ召し上がってみてください。」
流歌はまず魚を煮たようなものを口に運んでいった。
「・・・これは・・・。」
「ど、どう?」
リンが少し不安そうな表情で感想を求めてきた。
「美味しい・・・これは意外だ。」
「な、何が意外なのよ!!」
「ふふ、良かったですねリン。」
「ま・・・まぁ美味しいと言われて悪い気分にならないから・・ね。」
ホッとしたような顔をするリン。
少し頬が緩んでいる気がするが。
「こ、これも私が作ったの!自信作だから感想を聞かせて欲しい!」
そう言いつつリンは流歌の前にその食べ物を置いた。
こっちはステーキみたいだ。
「これは?」
「お肉自体は大した事ないけど、それにかかっているソースは私お手製のものよ、食べてみて。」
「・・・美味い・・・。」
「でしょ!?」
「ああ、肉も柔らかくて美味しいと思うが、その肉を際立たせているこのソースが合っている。・・・凄いな。」
流歌がそう感想を言うと、さらにリンは顔を輝かせた。
そのリンをニーユウスは見て嬉しそうな顔をする。
「・・・なんだ?ニーユウス。」
「いえ、もういっその事お二人とも一緒になれば良いのに、と思いましてね。リンのそんな幸せそうな顔を見たのは久しぶりなので。」
「ばっ、馬鹿なこと言わないでよね!」
こうして三人で囲んで食べる食事は、さらに料理を美味しくさせてくれた。
ふと流歌は考える。
(すぐにでも元の世界に戻ろうと思っていたが、こっちの生活もなかなか・・・悪くないな。)と。




