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16話 本当の事

流歌は白い球体を出そうと集中していた。


(んー、なかなかできないな・・・。)


かれこれ30分は努力はしてみたが、一向にできる気配がしない。


(何がいけないのか・・・手を前に向けてみても、手のひらが少し熱くなるだけでうまくいかないな・・・。)


感触はある、だけどまだ何かが足りない。

流歌の額には汗が滲んできていた。


(出ろ・・・出ろ・・・。)


そう念じているものの、やはり手のひらが熱くなるだけで球体は出てこなかった。

一旦諦めて、流歌は里に戻る事にした。


(・・・ふーっ、なかなか上手くいかないもんだな。まぁ、元いた世界には魔法なんて無縁だったもんな。)


そう考えているうちに、里に到着していた。


「ルカ様。」

声のした方を振り向くと、そこにはニーユウスがいた。


「どうした?」


「リンから少しお話を伺いまして・・・。」


「ああ、あの訓練のことか。」


「そうです、なにやら早すぎて反応が出来なかったとか。」


「みたいだな。少し体に違和感あったから、試してみたら想像以上の結果だ。」


「・・・ここではあれなので、私のとこに来てお話しましょうか。」


「ああ。」


場所を移動し、ニーユウスの部屋へと向かっていった。

そこにはリンもいて少し気まずかったが。


「・・・ルカ。」


「さっきは悪かったな、俺もまさかああなるとは思ってなかったしな。」


「いや、それはもう別にいい。私が知りたいのはあなたは一体何者かっていう話。記憶喪失ではないよね?」


「・・・・。」

流歌は無言になった。

リンに本当の事を言った方がいいか、悩んでいるのだ。


「ルカ様、リンは大丈夫ですよ。本当の事を伝えても。」


「・・・ああ、そうだな。リン、今から言う事は他言しないでほしい。」


「やっぱり、何かあるのね?」


「・・・俺はここじゃない、別の世界からきた人間だ。」


「怪しいと思ったけど・・・そんな事が本当にあるなんて・・・。」


「この世界に来て、街を探そうと思ったらここに来た・・そして、リンと出会った。そして、不思議な力に目覚めた。それが確信できたのは今日、リンと訓練をした時の動きだ。」


「だから、自分でもあんなに驚いた顔をしていた訳ね。・・・もしかして、ルカがいた世界に戻るために旅に出る・・・って事?」


「ああ、その通りだ。」


「それで、何か手がかりはあるの?」


「もしかしたら黒の種族が関係しているかもしれない。あのタイミングで襲ってきた事が引っかかるしな。」


「たしかにルカを狙っていた。森をあの惨状にしたのがルカだったら、その力が厄介なのかしら。」


「多分そうだろうな・・・それと、その力についてなんだが・・・。」


リンとニーユウスに力をうまくコントロール出来ていない事を伝えた。

魔法を使える人からアドバイスをもらおうと考えたのだ。




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