14話 詰まっているもの
流歌は早速、その黒い本を手に取り読んでいった。
(よし、言語が分かるからいけると思っていたが、やはり読めるな。・・・血の魔法、召喚の魔法・・・ん?これは・・黒の魔法?)
ページをパラパラと捲っているとそのような名前の魔法が書いてあった。
"黒の魔法"
ありとあらゆる物質を消滅させる禁忌魔法。
黒の種族の者しか扱うことが出来ず、扱える者もほとんどいない。
この力を持つ者は周囲の者から恐れられ、全てを支配できると言われている。
(なんかヤバそうな魔法だな・・・特に詳しい事は書いてないが・・・それに黒、か。俺の力は白い球体だったな。"圧縮"の魔法とかか?)
その時、ノックする音が聞こえた。
「失礼します、ニーユウス様。」
「入りなさい、サレ。」
「はい。」
サレは俺の事を見ると、少し警戒したような顔をした。
「それで、要件はなんでしょうか?」
「っは、隣の里の長がこの街にきておりニーユウス様にお話したい事があると。」
「クレィ様ね?」
「そうです。」
「わかりました、すぐ行きます。ルカ様、リン、私はちょっと出かけますのでその本はお預かりしておきます。」
「ああ、また来る。他の本は旅館に持って行っても大丈夫か?」
「ええ、そちらの本なら大丈夫です。」
「悪いな。」
そう言葉を残し、流歌とリンは一旦旅館まで戻ってきた。
「ルカ、何か分かった?」
「いや、さっぱりだ。まぁ本は帰ってきてから読むとして、今から訓練にするか?」
「ええ、そうしましょう。」
「あー、そうだ。少し行きたい場所があるんだが良いか?」
「いいわよ、どこ?」
「襲われた時にいた場所だ。」
「森ね、分かった。いきましょう。」
「二人で行っていいのか?」
「あそこの近くまでうちの里の警備兵がいるから問題は無いと思うわよ。」
「そうか、警備の強化をしたんだったな。よし、行くか。」
二人は森の奥まで移動する事にした。
流歌の中で確認したい事の一つ、それは森の状態がどうなっているのかだった。
あの時は夢中であまり森の様子がどうなったのか、と気にしている暇が無かったのだ。
「ここね。」
「ここ・・・か。」
森の状態は最悪だった。
数々の木々が無くなっていたのだ。
「それでここが、ルカを発見したところよ。」
ある一点に吸い寄せられた様になっていた。
(やはり、あの白い球体が周りの物質を圧縮させたのか。それにしても凄い光景だな、ここは。本当に俺がやったのだろうか・・・。)
そう思いつつその球体が現れた場所まで歩き、何かが落ちている事に気がついた。
ビー玉の様な大きさで、緑や茶色の模様がはいっていた。
(・・・まさか・・・。)
流歌は一つの事を思い浮かべた。
(・・・・"圧縮")
憶測ではあるが、このビー玉はあの白い球体が圧縮させた物質が入っている。と答えに行き着いた。




