第6話2
紗香「いらっしゃーい」
紗香が出迎える。
花「今日はお誘いいただきありがとうございます」
真綾「紗香さんお邪魔します」
立夏「葉月君のお母さん、初めまして私、峯崎立夏と言います、今日は見学させていただきありがとうございます」
萌「戸田萌です、見学させていただきありがとうございます」
沙也「和田沙也です、見学させていただきありがとうございます」
紗香「はじめまして、葉月の母のアレキサンドラ・紗香と言います、長いから紗香でいいわ」
3人と握手をする紗香。
紗香「さて、挨拶が済んだ所でみんなには今日時間の許す限りモデルになっていただきます」
突然のサプライズに驚く3人
沙也「えっ、私たち見学だと思って来たんですけど・・・」
紗香「せっかく葉月のお友達が来て、それも磨けば光る原石が4人もいたら磨きたくなるものでしょ?」
真綾「あー、ごめんみんなここへ来たのが運の尽きと思ってください」
何時になく真剣な顔をして話し出す立夏。
立夏「紗香さん」
紗香「何?、立夏さん」
立夏「私、将来、紗香さんみたいなヘアメイクアップアーティストになりたいんです、今日はその為にお願いしました」
紗香「まあ、うれしい」
立夏「それでもしよろしければ勉強も兼ねて見学では駄目でしょうか?」
紗香「ダメです」
紗香に即、却下されて顔がこわばる立夏。
立夏「え、なんででしょうか?」
紗香「今日は4人にモデルになってもらうことが第一なの」
立夏「はい」
紗香「今日はあなたたちを綺麗にするのが私たちの仕事なの」
周りを見渡すと20人近くのスタッフが待機している。
紗香「今回、お店で使う写真のカットモデルをお願いしたんだけど、今日これだけのスタッフが準備してあなたたちを待っていたのね」
立夏「はい」
紗香「ただのカット写真でもここのお店で使う以上完璧な写真、満足のいく写真でお店に使いたいの」
立夏「はい・・・」
紗香「あなたにメイクする為だけのスタッフも用意して待ってたの」
自分が我儘を言ったと気が付いて恥ずかしいやら情けないと感じる立夏。
紗香「あなたを今日担当するスタッフの仕事がなくなっちゃの、だから【今日は】カットモデルをおねがい」
立夏「わかりました・・・」
紗香「これ、私の名刺、あなたの熱意はその真剣な表情と悔しい顔を見たら十分伝わってきてるわ」
立夏「ありがとうございます・・・」
紗香「今日はモデルとしておねがい、でも今日経験してこの後自分で考えて、ご家族と一緒に将来を話し合ってそれでもやりたいなら電話を頂戴、いつでも歓迎するわ」
立夏の頬に伝う涙。
紗香「ほら、泣かないのメイク前だけど目が腫れたらかわいい顔が台無しになっちゃうでしょ」
ハンカチで立夏の目じりを抑える紗香。
紗香「さて、みんな原石を磨いてあげましょう!」
「「「「「はい!」」」」
紗香がスタッフに指示を出し始める。
撮影スタジオには衣装もあり、紗香がモデルとなるハナや立夏達をみてそれぞれ指示をだし、スタッフが動く。
それぞれ4人はスタッフの指示にしたがいメイクや衣装、カット、ブローなどに分かれ撮影の準備をしていく。
セットを整えながら立夏に話しかける紗香。
紗香「このお店のスタッフはねまず最初にモデルを経験するのよ」
立夏「そうなんですか?」
紗香「まずこのお店のサービスや仕事の質をお客様として経験してもらうの、その経験で自分がどの位置にいるのかどのぐらい出来るのかを見極めてもらってるの」
アシスタントの女性も話に加わる。
女性スタッフ1「私もここへ入って直ぐにモデルやらされてびっくりしたの」
女性スタッフ2「そこで撮影してるカメラマンだって最初来た時にモデルやらされてましたね」
紗香「そうよ、やってばかりだとやられるほうの気持ち分からないでしょ?」
立夏「確かにそうですね」
紗香「さっきね、私すごいうれしかったのよ、真剣に考えて見学したいって言ってくれてるのが伝わったんだけど毎回なんだけどスタッフの研修も兼ねての撮影なのね」
立夏「そうだったんですね」
紗香「ちょっとスタッフの人数が多いし、普段メンズ担当のスタッフとか逆にレディス担当のスタッフなんかが出来ない業務を研修もかねてやってるの、ちょっとでも美容にかかわる業務の経験があればここから巣立ってもその経験があれば新しい所でやっていけるから、この会社では普段の業務とは違う業務を研修として取り入れてるのよ」
スタッフ1「私、普段メンズ担当なのよ、だから今日立夏さん担当出来てすごいうれしいの」
立夏「あー、さっきはすみません、わがままいっちゃって」
紗香「いいのよ、今日お願いしてる子たちはみんないい子たちだから助かってるわ」
立夏「そうでしょうか・・・」
女性スタッフ2「一度プロのモデルの子にお願いしたことあるんだけど、酷かったですよ、ずっと不機嫌で、こうやって会話もなくてずっとスマホいじってたし」
立夏「えー、私今すごい楽しいのに・・・、こうやってしてもらってるの勉強になるし、もったいない・・・」
紗香「本当にやりたいのね、この仕事」
立夏「はい」
紗香「やりたくなったきっかけを聞いてもいい?」
立夏「紗香さんと友人の為です」
紗香「ん、私?」
立夏「はい、紗香さんが葉月君とまーちゃんにしたメイクの写真見て、自分がするメイクと他の人がしてくれてたメイクでものすごく違って、他の人を綺麗にしたいと思ったんです」
紗香「あー、あの真綾ちゃんにあげた写真?」
立夏「そうです」
紗香「あれは何気にいい写真が撮れたと思ってあげたのね、葉月は恥ずかしがってたけど」
立夏「二人すごいいい雰囲気で、お互いが思いあってるのがすごくわかる写真でした」
真綾「私を呼んだかい?立夏姫」
そこへ準備の終わった真綾が来る。
立夏「男前だねまーちゃん」
真綾「軽口叩いてるけど実はかなり緊張してる・・・」
立夏「あはは、そうだよね普通の女子高生じゃこんな経験出来ないしね」
真綾「りっちゃんはお姫様みたいに綺麗だね」
立夏「ふふ、ありがとう、あとで一曲踊ってださる?」
真綾「喜んで」
とお辞儀をする真綾。
女性スタッフ1「ノリが良いわね真綾さん」
紗香「でしょ?、私の自慢の義娘なの」
義娘と紹介され慌てだす真綾。
真綾「いや、待ってください、その覚悟はありますが、まだ早いというか・・・」
女性スタッフ2「デレてる」
立夏「デレたまーちゃんはかわいい・・・」
真綾「りっちゃん!」
立夏「あははは」
紗香「もう一つのきっかけになったお友達は?」
立夏「はなちゃんです」
女性スタッフ1「今日来てる眼鏡の子だよね」
立夏「はい、彼女今好きな人が出来たんです」
女性スタッフ1「む、お姉さんにはつらい恋バナだ」
立夏「私もそんな話は無いので同志です」
女性スタッフ1「そんなことはないでしょ」
立夏「いや、私今は恋愛よりメイクや美容師になるほうに夢中なので」
女性スタッフ1「そっかぁ、お姉さんからのアドバイスは‘出来るならした方が良い‘だけどね」
立夏「考えときます、でも私どっちかは取れない性格なので多分恋愛は無いかなって、それにはなちゃんを応援したいんです」
女性スタッフ2「はなさん、その気になればアイドルだってできそうな素質あるよね」
立夏「彼女自身気が付いてないとおもいますよ、周りも」
女性スタッフ1「それをちょっとでも手助けしたいんだ」
立夏「はい、ただ学校で目立っちゃうと厄介なので学校外で二人を接近させてしまおうって計画です」
紗香「その為に見学って言ったのね」
立夏「それもあります」
紗香が立夏の肩をポンッと叩く。
紗香「さて、おわり、どう?、夏のお忍びデート姫は」
真綾「おー、姫だね姫」
立夏「ありがとう、自分じゃないみたい」
アシスタントの女性が何気なしに質問する。
女性スタッフ1「立夏さん、芸能事務所とかスカウトされたことない?」
すこし躊躇い話すかどうか迷うが話だす立夏。
立夏「・・・あります」
女性スタッフ1「あるんだぁ、そうだよねぇ、スカウトされてもおかしくないもんねぇ」
立夏「去年街で家族で駅前歩いていたら話かけられて・・・」
暗い表情になる立夏。
立夏「家族のみんないるのにしつこく付きまとって・・・、父や兄が止めてもそれでも来るので警察沙汰になって・・・」
女性スタッフ1「それ酷いね、やばい事務所なんじゃない?」
立夏「その日の行くはずだったレストランとか全部キャンセルになってしまって・・・」
思い出し鳥肌が立ってくる立夏。
立夏「それ以来一切興味無くなってたので・・・」
女性スタッフ1「あー、じゃあ今日の撮影もちょっと気が乗らない?」
立夏「いや、今は大丈夫です、すごい楽しいです」
女性スタッフ1「なら良かった」




