冷酷な決断
*成宮視点*
薄れゆく意識の中で俺は見てしまった
奴の脚力による瞬間移動はとても凄まじい
仮に初手のナイフを喰らっていなかったとしても、この脚力による攻撃を回避できたか?
と問われれば、答えはNOだろう
おそらく反乱軍の中でも精鋭なのだろう
しかし、奴が襲い掛かろうとした次の瞬間
羅星の魔法により背筋が凍るような音色が森中に響き渡る
数秒聞いているだけで悶絶しそうな吐き気を催す
羅星の後ろには魔女?のような髪の長い女?が顕現していた(あれは人間なのだろうか?)
奴は変わらず俊敏な動きで木々を行ったり来たりし、羅星の背後をとる機会を窺っていた
しかし、奴は奏でられたバイオリンの音色を聞くにつれて徐々に失速していく
奴も自身の身体に効果が現れ始めたことに焦り始めたのか、攻撃に転じる
が
それに気づいた羅星は強烈な踏み込みと共に反撃し、これを撃墜
「羅星、
いや「羅星」お前そんな力を有していたのだな」
「。。。。。」
こちらを見つめてはいるが何も返答しない羅星
奴が襲いかかってくる刹那の瞬間に
眞田を気絶させた
なぜ気絶させたかまではわからないが、結果オーライだろう
襲撃犯を撃破した功績は大きい
「何がともあれ脅威は去ったんだな
お前は褒賞を受けるべきだ」
「だがその前に救護班を呼んでくれないか?
私の持っている端末が先の戦いで破損してしまったのだ」
時期に椎名達が来るとはいえ、体力が持つか怪しい」
まぁここまで森が燃えていれば誰かしら来てくれるだろうが、、、
、、、、、
、、、、、
、、、、、
、、、、、
「それはできませんね」
「なぜだ?」
「あなたを生かしておくと今後に支障が出る可能性があるからです」
「なに?」
「あんたにはこのまま死んでもらう
俺の実力を見た以上、生かしてはおかない
「誰にも口外はしない!頼む!助けてくれ!」
教官でも手を焼いた襲撃犯を撃破したなどという実績を得てしまうと最下位のランキングを意図して維持していることに対する疑いの目を向けられかねない
俺は何が何でも最下位であらねばならないのだ。
最下位であれば
俺は右手に力を入れ
刺されたナイフを更に奥へと
成宮の心の臓へと差し込んだ
これで真実を知るものは存在しない
眞田も大きな大木が目の前にあり、襲撃犯を視認できる位置にはいなかったため、完全な状況は理解出来てはおらず、いくらでも誤魔化しが効くだろう
眞田の目が覚める前に俺は彼を担ぎ、この場から立ち去る




