06 本格的な旅の序章
帰路に着いたの頃は、もう黄昏時でした。
洞窟から現れる夕焼けが、こちらを覗いています。
帰り道は、私が先導をし、サミナーさんは私の後着いてきました。
これだけなら何もないただの冒険の帰り道。ですが、私の後ろにいるサミナーさんになついてるドラゴンがいます。
一体どういうことでしょうか?
こんな状況は、どれだけ、低い確率なのでしょうか。
実際にドラゴンを飼っている人はいます。ですけど、野生のドラゴンを飼っている人は珍しいです。
たまに魔獣使いのような魔獣を飼っている人いますけど、私は見たこともありません。
サミナーさんはそんな人ではないので、本当にたまたまです。
だからこそ、私は驚いてるんです。
ドラゴンが、彼女は顔の周りに彷徨っています。
まるで親のように思っていると、私は考えます。
ドラゴンはために料理の弱火より弱そうな火を噴き出していますが、サミナーさんには当たらず遊んでいるようです。
そうして私たちは町の手前までやってきました。
ここからどうするか私は悩んでいました。
「何で止まってるの? 早く宿屋に戻ろう」
そうしてサミナーさんは急かしてきました。
それでいてすぐに町の中へと入ろうとしました。
「待ってください!! そのドラゴンを町の中に連れていくのですか?」
サミナーさんもドラゴンもサミナーさんの肩に居座っているドラゴンもこちらを見つめています。
「そんなに大事にしなくても大丈夫でしょ」
と、楽観的な人間が目の前にいます。
先程も言ったようにドラゴンを買っている人なんて居ないのです。
ですから、町の中へとドラゴンを連れて入ろうとするなんて、愚策でありましょう。
「バレたら、どうするのですか? 飼うことに対して何も反対はありませんけど」
ドラゴンを飼うこと自体に反対はしていません。
こんな風に色んなことに巻き込まれても、私に負える傷はもうないのです。
借金だらけなので。
「しょうがない、隠れながら中に入りましょう」
そう言うと、スカートの中にドラゴンを隠しました。
何か布のようなもので隠せれば簡単に宿屋へと行けますが、生憎そのようなものは待ち合わせておりません。
「お嬢ちゃんたち、冒険者? これ買ってかない? 杖なんだけど、この宝石がとても珍しいんだよね」
最近、出店のおじさん店主から話しかけられることが増えてきました。
確か、私がパジャマが卒業し出した頃からです。
理由は思いつきませんね。
え!? 思いつかないって言ってるじゃないですか。私に問題があったとは到底認めることは出来ません。
しかし、もう日が暮れているというのに、随分の頑張っているのですね。
しかし、私たちにはその頑張りを讃えられるほどの余裕はありません。
そんな出店の人に、一言断ってから私たちは先を急ごうとしました。
ですが、こんな出店の人はそんな優しくありません。
必ずと言っていいほど、引き留めてくるのです。
金を持っていないことを自慢してみせても良いですが、そんなに暇ではありません。
そもそも、貧乏ということをどうやって証明するというのでしょうか。
と、思いましたが、お金の包み(当然に空っぽ)を見せれば良いではないですか。
「すみません、私たちこれくらいしかお金……」
そこまで言い終わった頃でしょうか。
鼻に違和感が突いてきました。
焦げ臭かったのです。それはサミナーさんの方から匂いました。
彼女のスカートが燃えていたのです。
一大事。いえ、そんなことよりこうなった原因の方が不味いでしょう。
多分、……。
私の誰にでも予想できそうな嫌な予感が命中してしまいました。
スカートの中に収められていたドラゴンご飛び回っていました。
人々は混乱です。
平和な町の中にドラゴンがいるのです。
まだ子供と言っても、炎を吐いているのです。
もし周りにでも移ったら大惨事です。
通り過ぎる人さえもドラゴンに釘付け……と思いましたが、一部の少年が鼻の下を伸ばしながら、サミナーさんの方を見ています。
「何見てんのよ!?」
そんな声がすると気づけば、サミナーさんはドラゴンを掴み宿屋の方へと向かっていきます。
「あ!!、待ってください」
私もサミナーさんを追って行きました。
結局宿屋に着くまで、これといった問題は起きませんでした。
しかし一息つく暇はありませんでした。
すぐにここから出ていく準備です。
時間は夜でしたので、顔を鮮明に見られてはないでしょうが、サミナーさんにとってはもうここに居られないようです。
それはあの痴態が問題なのでしょうか。
それは聞かずに夜逃げをしました。
もちろん、宿屋にお金は払いましたよ。
サミナーさんも着替えました。
さて、これからどうしましょうか……




