15 新メンバー
「眠たい……」
寝言でそう呟いているのは、迷路系ダンジョンで救出された彼女です。彼女はコリュウさんの背中で運ばれているのです。今からギルドに運びに行くのです。
彼女は私たちと出会っても全然動いてくれないので、無理矢理連れていくこととなりました。最初は腕を引っ張り、背中を押していきました。途中から彼女も歩いてくれましたが、疲れたらしく彼女はコリュウさんの背中で寝始めました。
「全く困ったやつ拾っちまったな」
「まぁこれが依頼なら本当にお得だね」
そうして私たちはギルドへと辿り着きました。
陽は沈み、月が昇り始めたころでした。もう彼女はぐっすり寝ています。
「よく連れてこれましたね」
受付嬢さんははっきり言って予想外という雰囲気でした。
どうやらこの人は毎回依頼を受けては完遂せずに帰ってこないらしくて、ギルドとしても困っていたらしいです。
「じゃあ、俺たちはこれで」
「待ってください!!」
受付嬢さんがコリュウさんを引き留めました。
「この人をどうするつもりですか」
私たちは頭の中に疑問符が浮かびました。
「こいつがどうしたんだよ。もしかしてだけどこいつを家に運ぶのか」
「いえ、この人は最近家を追い出されたらしいんですよね。借金のせいで追い出されたらしくて、扱いに困っていたのです」
「ほぅ、それでどうしたら良いんだ」
「この人を連れて帰ってくれませんか」
そうして今となりました。
部屋で静かに眠りについています。もちろん私たちははじめは抵抗したのですよ。ですが、受付嬢によって多額のお金が条件に出されて従う以外ありませんでした。
「こいつどうするんだよ」
私たちは彼女をこいつと呼んでいます。何故なら名前が分からないからです。先ほどの受付嬢に聞いても、ギルド側も知らないという意味の分からないことを言ってきました。
「やっぱり借金があるというのがネックですね」
そう言うと、コリュウさんが動揺していました。これはパーティーのことを考えると、どうにかしないといけませんね。
ですが、何か案があるという訳でもありませんですし、犯罪行為もしないと決めて冒険者になったのですから、埋めたりもしませんよ。
「こいつを働かせるか」
「どういうこと?」
「俺たちと依頼でも受けたらいいじゃないか。何個かの依頼は人数で報酬は変わるだろ。だからよ、そこにこいつ連れて行けばいいじゃないか。借金はよ、あの貰った金でトントンくらいにはなるだろ。これも何かの縁だろうしよ」
コリュウさんは賛成なのですか。
「サミナーさんはいいですか」
「あたしは最初からどっちでもいいよ」
サミナーさんはがいいのなら、ここはコリュウさんの意見にしましょうか。
「ではこの人はパーティーに入れましょうか」
「良かったなお前。借金のドン底から助かったな」
コリュウさんはが寝ているベットを叩いています。
それでも彼女は起きません。
「これじゃ私たち借金だらけのパーティーだよ」
コリュウさんは不思議そうでしたが、何も言わずそうして私たちは眠りにつきました。
「我は何でここにいるんだ?」
最初に目覚めたのは彼女でした。
「おぉ起きたか。元気かお前?」
どうやら一番は彼女ではなかったようです。
私もこうして布団の中で盗み聞きするのをやめましょう。
「おはようございます」
「あんた昨日の!?」
彼女は驚き顔で指をさしてきました。
「おおい!! 俺もだろ!!」
少し騒いでいると、サミナーさんがやってきました。
「朝からうるさいなぁ」
サミナーさんが目をこすりながら現れました。
私は朝ごはんを食べようとしました。
「……ねぇ、食べるものなくない」
そういえばこれまで、その日にその場で調達するという生き方だったので、確かにこの場でどうやって調達するのですか。
「あぁ俺が、買ってたパン食っちまったからな」
どういうことですか。
と、思いましたが、一番最初に反応したのは、私でも、サミナーさんではありませんでした。
当たり前ですが、蓄えがない訳がありませんよね。
「我の飯は!?」
彼女が飯と叫んだ後、持っていた彼女のカバンを漁りました。一番上にあるはずなのに、諦め悪く奥まで探しているようでした。
そして一言。
「ない!!」
「あぁ!! あれお前のだったのか」
何か一波乱がありそうな予感がありました。
「先に行ってますね。サミナーさん行きましょう」
そうして私たちはギルドに向かいました。
それからすぐにコリュウさんがやってきました。
「今回はこの依頼にしましょ」




