14 迷路のダンジョン
「凄い……!!」
新居を前にして、感嘆の声をあげているのは、サミナーさんです。
リビングでどこを自室にするのかを話し合いをした後に決められた自室に向かいました。
そこで私は一息をつきました。
「……こうして、寝るというのも久しぶりですね」
しっかり睡眠をとったのは、あの宿屋にいた時振りだったような気もしてきました。
最近は疲れてきたからなのか、体力も減っているような気がしてきましたし。
『コケッコー』
『!!』
昨日外で見かけたニワトリの鳴き声が家に響きます。私はその声で目覚めます。目の前に広がるのは白い天井でした。
知らない天井で目覚めたと思いましたが、そういえばこの家に引っ越したのでした。
何故この家に引っ越せたのかは分からない。あんなに貧困生活をしていた時期もあったというのに
人生何があるか分からないものです。
私が割り振られた部屋は二階にあり、起きて自室で何かすることもなく私はリビングへと向かいました。
「おはよう、らにむ。さて今日から何をするの? また洞窟とか、ダンジョンに潜る?」
「そうだね、行こうか。コリュウさんさんにも聞いてきてくれる?」
そうして私たちはギルドにあった難易度が比較的に簡単な依頼を探していました。
すると、気になる依頼を見つけました。
『行方不明となった冒険者を見つけてほしい』
そんな依頼でした。
内容は迷路となっているダンジョンに入っていた人が帰ってきていないらしく、その人を探しにいくということです。
その人には迷路系ダンジョンということでギルドからも食料品の支給品があるので、まだ精神が壊れていなければ普通に生きているということなので、助けに行くということでした。するとコリュウさんがこの依頼を受けようと張り切っています。
どうしてそんなにこの依頼が良いのかと聞くと、大型の迷路なんてしたことがないので、ずっとやってみたいと思っていたようですね。
ということで、私たちもギルドから食料品を貰い、その迷路系ダンジョンの下に案内されました。
ギルドの受付嬢さんはギルドに戻り、私たちはダンジョンに潜りました。
「いやぁ、暗いね。ここ、あの時みたいだね」
サミナーさんの言うあの時というのは、ライドンと出合った時のことでしょう。今回も魔法で光を作りながら、潜っていきます。
「おい、これどっちに曲がるんだ?」
目の前に二手の分かれ道が現れました。
「こういうのは決めてから行くのです。例えば左の壁に沿って進んで行くんですよ」
私の考えに従った二人は、壁に左手を添えながら進む私に付いてきます。
「痛っ!!壁です!!」
私が壁にぶつかると、後ろに衝撃が走ります。どうやらサミナーさんが当たってきたようです。
すると、サミナーさんが笑いだしました。そのことによって光の魔法が消えてしまいました。それで、またサミナーさんが笑いだしました。最近の冒険ではこんな風に笑いながら楽しんでいることが多い気がしてきました。だから、最近の冒険は楽しいのです。
「じゃあ、今度は私が先頭に行くわ」
照らす係のサミナーさんが先頭で進み始めました。
そうして四、五回は曲がりました。
「誰……?」
その声は聞き覚えのないものでした。私でも、サミナーさんやコリュウさんのものではありませんでした。しかもその声は女性のものでした。私たちが探している冒険者はたしか女性だった気がします。もしかしたら彼女かもしれません。
「あの子が探している子なの?」
サミナーさんが一歩下がって、二番目を進んでいた私に聞いてきます。
確か、列で並んで冒険する時には二番目が危険だった記憶がありましたが、
「探しているってのはなんだ?」
サミナーさんの魔法で照らされた彼女はポカーンとしていた。呑気にパンを食べていました。しかもそのパンは見た記憶があります。
支給品のものではなく、ギルドの前にあるパン屋のものだった気がします。
「もしかして、我を探しに来たのか?」
「多分……こんな元気な人を探しに来たとは思えないんだけどね」
サミナーさんが半ば呆れたように呟きました。
「別に来なくても良かったのにな。だって我サボっているだけなんだもんな」
今度は私が呆れてしまいました。




