12 出航
港から出発して、早三時間が経ちました。
コリュウさんとサミナーさんは船の中で寝込んでいます。もちろんランドルちゃんもサミナーさんの下でぐっすりです。
もちろん、ランドルちゃんは船酔いではないですよ。
「気持ち悪いよぉ、ラニムぅ……」
そんなことを言われた私ですが、全てコリュウさんに任せて甲板へと向かっていきました。
コリュウさんも船酔いですが、そんなことはどうでも良いですかね。きっとどうにかしてくれると思います。
コリュウさんと出会ってからは数日が経ちました。本来なら三人分の渡航費はありませんでしたが、コリュウさんが大金を出してくれました。
お金持ちなのかなって思いましたが、まさかのギャンブルで手に入れたものでした。
なので彼はすぐに全財産を失ってしまいました。
全く困ってしまうものです。
それでは渡航後の宿代がなくなるので、一緒にギルドで働きました。
そうして一か月くらい過ごしました。特に問題なく今日まで来ました。
心地の良いかぜに私は今吹かれています。
陽は沈みもう眠るころですが、私は眠りません。季節は夏となり、太陽が昇る時間は暑くなってきました。
だからこそ、この風は冷たく身体に染みてきます。波は穏やかで、一波乱あるような気もしません。
無事新天地に辿り着きました。
そこには都会と言われそうな大きな町がありました。
眺めているとそれだけで満足できそうな街並みでした。
「おぉ、すげぇ」
サミナーさんとコリュウさんがとても興奮しています。
そんな二人を落ち着かせて、ギルドへと向かっています。
ここでもギルドです。我々冒険者はギルドがなければ、暮らしていけないのですから。
ギルドでは普段とは違った雰囲気が漂っていました。
これまでのギルドでは魔族やエルフの方などいろんな見た目をした方がたくさんいましたが、ここでは人間族の方が多い印象を受けました。もちろん、魔族やエルフの方もいましたが、少なくまとまっている印象でした。
そんな感じでしたが、問題なく手続きを終えました。借金の引継ぎも出来ましたし……
そんなのしたくなかったのですけどね。借金の額はあまり変わっていませんし、これからどうしましょうか。
「これからどうするんだ、俺たちは?」
コリュウさんが私たちにそう投げかけてきました。
「うぅん~~、どうしましょうか」
「とりあえず、暮らす場所探そう!!」
サミナーさんの号令で暮らす場所、住居を探すこととなりました。コリュウさんはサミナーさんの命令に従順で犬のように一目散で駆けていきました。
私たちの目的はここに宿ではなく自分たちの家を持つことです。
こんなに栄えている場所ですが、郊外であれば安く済むのではと思っていました。
それから宿で休んでいた時です。
コリュウさんがランドルと共に帰ってきました。
「おい二十万リープの家があったぞ!!」
小さな宿屋に朗報が入ってきました。




