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見習い勇者と落第魔王の大冒険  作者: 話太郎
第六章 勇者との会合
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サン・ロイズの町

 ついに太陽の勇者の情報を得られた僕らは目的の町へと赴いた。

 それは、この国サン・テーレ王国の王都から少し離れた場所。

 王都を出て北西に進んだ場所にあるサン・ロイズの町。

 そこを目指した。

 念願の勇者に会える、そう思った僕は足取りも軽く旅を進めるのだった。


 街道を進むことしばし。

 王国の中でも往来が多いのか、街道はしばしば通行人とすれ違う。

 自然の中で様々な人と出会う。

 天気もいい。

 晴れやかな空の元、サン・テーレが崇める太陽もサンサンと輝いている。

 僕は言う。

「もう少しだね」

 ケインも答える。

「街道は一本道だ。道なりに進むだけで着くな」

 ローナは自然を感じながら言葉にする。

「気持ちいいわね」

 セリアも「ピクニックみたいね」と言うのでケインが釘を刺す。

「のん気なもんだ。ローナ、特にお前」

「え、私?」

「太陽の勇者のお膝元だぞ」

「楽しみね! どんな人なのかしら」

「勇者に会うのが楽しみな魔族とか、どんなだよ」

「宿敵勇者! ドンと来い! よ!」

「元気なもんだ」

 セリアは「失礼の無いようにしないと駄目ね」なんて言ってる。

 なんだか有名人に会うようなノリになってしまっている。

 隊長は相変わらず無言だ。

 何も言わないので勇者とは知り合いじゃないんだろうけど、隊長はあまりそういう事は気にしなさそうなのかな、そんな風に思う。

 いつもとあまり変わらない雰囲気で足を進める。

 けれど、僕はいつの間にか緊張がほぐれて、普段通りの旅ができている事を少しうれしく思ったのだった。

 目的の町へ着いた。

 町には太陽のモチーフの彫像や置物などがあり、賑わっている。

 さすが太陽の勇者のお膝元だけあって、冒険者も多い。

 さっそく、僕らは情報を集める。

 しかし、太陽の勇者は居ないようだ。

 曰く、「最近見ないよなぁ」「どこかへ行っているんじゃないか」「新しいクエストに挑戦しているとか」。

 お店や往来で声を掛けて尋ねるも、そんな返答が返ってくる。

 僕は言う。

「遠出してるのかな」

 そう言うとローナが言う。

「探してみましょ。ここまで来たんだもの」

 明るい返答に僕は勇気づけられるけどケインの言い分は違うようだ。

「探すったって、どこをだよ。目星も付いてないだろ」

 そう言われたので僕は考えをケインに伝えてやりとりする。

「この辺りで有名な所は無いのかな?」

「有名な所?」

「勇者が立ち寄ったり、何か由緒正しい場所とか」

「どんな場所だよ」

「勇者が居るってことは、何か由来がある場所があるかと思ったんだけど」

 その言葉にローナも賛同する。

「そうよ。きっとそういう場所がある筈よ」

 ケインは「んな適当な…今思いついただろ」と返すけど隊長は言う。

「この辺りだと太陽の丘がある」

 僕は少し驚いて聞いてみる。

「隊長、知ってるんですか?」

「この辺りの有名な場所だ。太陽神アポロンの力を宿す土地で、ヒマワリの咲く聖なる場所だと」

 ローナもケインに言う。

「ほら、あったじゃない。そういう場所が」

「分かった分かった、で、隊長、そこは普通に入れるんですか?」

「少し道が入り組んでると聞くが、ギルドの窓口で聞けばいいだろう」

 こうして僕らはギルドへ。

 ほどなく、大きめの建物が見つかる。

 冒険者で賑わう建物の中で、窓口へ。


 窓口のお姉さんは答える。

「太陽の丘ですか」

 僕が代表して話す。

「太陽の勇者さんに会いたいんです。それで、関係のありそうな場所を巡りたいと思ってます」

「そういう事ですか、でも少し難しいですよ」

「え? それはどういう…」

「道案内が必要だと思います。深い森を抜けた先なので」

「そうですか…でもなんとか行ってみたいと思うんですが」

 そこまで言うとケインが助け舟を出してくれた。

「地図か何か無いですかね、それか案内人か」

「それこそ、太陽の勇者さんが適任ですけど、あいにく最近見ないようでして。あ、地図ならご用意できますので、ただ、迷いやすい場所なんです」

 僕は「迷いやすい場所?」と聞くと答えてくれる。

「方向感覚がおかしくなるんです。なのでおかしいと思ったら無理せず引き返えして下さい。ちょっと待ってくださいね、お渡しする地図を持ってきます」

 そうして席を立ち、隅にある戸棚から紙を出す。

 戻ってきて「こちらですね」と渡そうとしてくれた時だった。

 奥から別の男性職員が出てきてお姉さんに言う。

「おい、ちょっといいか」

「はい…?」

「事件みたいだ、それ、地図か? やめておけ、立て込みそうだぞ。そっちの冒険者もここらの人じゃないだろ。迷った時、救援が出せるか分からない」

 なんだかゴタゴタとしてきたので僕は聞いてみる。

「あの、何かあったんですか」

 するとその男性職員は言う。

「行方不明者が出た」

「え?」

「だから、ちょっと騒ぎになってるんだ」

 今まで様子を見ていた隊長が初めて尋ねる。

「捜索願が出た感じだろうが、単発の案件にしては大事のように見える。何か絡んでる事件か」

 そう聞くと男性は答えてくれる。

「直近で二件目なんです。それで」

 隊長は話を進める。

「魔族の襲撃か」

「可能性はあります」

 隊長は紋章を取り出す。

「よければ力に成る」

「それは…まさか、天使の関係者…」

 隊長の代わりにケインが人差し指を口元に持っていき「静かに」とジャエスチャーする。

 隊長は続ける。

「捜索には人手が必要だろう」

 こうして僕らは太陽の勇者探しのほかにこの地で起きる行方不明者探しに従事することになったのだった。


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