アウトローに学ぶ異界生存戦略.51
五分後、最後の鎧騎士を多勢に無勢で斬りかかりその肉体を四散させた。
散らばった腕や脚はまだ蠢いているが何も出来ないだろう。
這いずるような亡者の叫びに耳を貸すこともない。
城へと近づこうとすると地中から巨大なぶよぶよしたミミズや地中を掘るスコップの付いたコオロギのような巨大な虫が次々と現れた。
さらには土塊の中からゼリー状の塊のような生命体や戦鼠などまで這いずり出てくる。
これは幾らなんでもただの魔物化を越えている。
「ダンジョンを守ろうとする防衛本能でしょう。しかし、手段を選んではいられないようですね……」
その一体一体は大したことはないそうだが、囲まれるとなると話が変わってくる。
なおも生まれ出でる異形の生物たちに俺たちは立ち向かうしかないようだ。
囮としての役割は十分に達成している。しかし、なんだろう。
あまりにこちら側に敵が集中し過ぎではないかと思う。
ダレス等もこのような状況では聖地奪還への道が遠のくばかりだ。
しかし、不審な点もある。
まだショーイ等の死体も見かけていないのだ。
途中に古いミイラ化した死体は見たのだが、それは起き上がるとのたのたとながら襲い掛かってきた。
ダレスが一太刀に切り捨ててしまったが、あれは誰の成れの果てだったのだろう……
第三階層まで確認されていたと聞いているのでさらに深く潜ってしまい行方知れずになった冒険者などであるのならいいのだが……
「神官様。どういたしましょう!?」
周囲を取り囲まれ、動くに動けないでいた。
中心に集まるようにし、周囲には槍衾を構え突撃には対応しているが……。
呆気なく倒れた鎧騎士とは違い、今度の魔物たちには統率者がいるような行動を行っている。
ただ考えなしに突撃するのでなく、集まり守りを固めるように仕向けられたようだ。
階段の方は既に魔物らに陣取られており撤退は難しい……。
乱戦になっては不利だと思い固まって戦うように相談していたのだが、これでは何か術中に嵌められたかのようで気分が悪い。
そうやって魔物と見合っているうちにもダレスは進んでいるのかもしれない。
俺たちは出来るだけこいつらの注意を惹きつける。ただそれだけでいいのか悩む暇も機会もないようだ。
次第に疲弊していくも被害は出ていない。
魔物たちも決定打を打たないように手加減でもしているのだろうか?
打開する手を考えなければ……。
手を打ったようで対策を取られたのは俺たちの方であるかもしれない不安、それが全員に行き渡るのに時間はそれほどかからなかった。




