第五十三話 ついに、完成……!
地球本をめくると、「生木を使う場合は害虫と腐朽対策として皮を剥ぐとよい」などのアドバイスが載ってる。
よしよし、俺も頑張らないと。
ノコギリで細い枝を切り落とし、ナイフや小斧で皮をベリベリ剥ぐ。
ウルフが横で「ガウガウ!」とまた励ましてくれるけど、途中で剥がした皮にじゃれつくのやめてくれ!
「ふう、結構大変だけど、この工程をちゃんとやると耐久性アップなんだって。お前も手伝って……って無理か」
ウルフはクンクン皮の匂いをかいで、ゴーレムは無言で丸太を抱えて立ってる。
まあ、作業そのものは俺がやらないとね。
皮を剥いだ丸太を地面に並べると、なんか達成感すごいな。「よし、この木を何本か集めれば壁や柱に使えそうだ!」
小川近くの選んだ場所を整地して、さっそく土台づくり。
地球本では「最低でも高さ15~30cmの基礎があると良い」と書いてあるが、丸太を埋めて基礎にする方式を採用することに。
「まずは地面をスコップで均して……大きい石や草はゴーレムに除去してもらって……OK!」
ゴーレムがブオンと腕を振って、邪魔な岩をどかしてくれる。
そりゃもう、まさに人間離れ……いや、ゴーレム離れした(?)パワーだ。
ウルフは「ガウガウ!」と手伝いたそうだけど、重い岩はムリだろうな。
「さて、ここに基礎丸太を並べて埋め込むわけだけど、腐食対策で少し炭化させるのがポイント……本によると『防腐剤を使うか火で炙る』が推奨らしい」
オレは森で集めた松ヤニを塗り、軽く火で炙って炭化コーティングっぽく仕上げる。
こうすることで害虫を寄せ付けにくくなるんだとか。
丸太を穴に差し込んだら、ここで釘&ハンマーの出番! 数本の補強用木材を基礎丸太に当てて、釘をトントン打ってしっかり固定していく。
「ここで釘を打たないとグラつくから注意だって。よし、カンカン! もう一発カン!」
ウルフはその音に反応して「ガウ?」と小首を傾げてる。
ま、うるさくてごめんよ。でも大事な工程なんだから勘弁な。
土台がなんとか形になったら、いよいよ丸太を積んで壁を作る。
ノッチ(切り欠き)を彫っては噛み合わせ、粘土や苔を詰める方法が地球本に載ってる。
「ただ、完全なログハウスだと釘なしでも組めるみたいだけど、こっちはDIYだし、ある程度釘やネジで補強しよう。安全第一!」
そう言いながら、ゴーレムが丸太を高い位置に持ち上げてくれる。
俺はその隙にノコギリやノミでノッチを微調整。
「もうちょい削らないと隙間できるな……」なんてブツブツ言いながら作業していると、ウルフが「ガウガウ?」と覗き込んでくる。
可愛いけど危ないから、あんまし近づくなよ!
「OK、持ち上げてくれ、ゴーレム!……うん、そこだ。よし、はめ合いバッチリ。あとは釘打つぞ、トントントン!」
カンカンという金属音とともに、丸太同士がしっかり固定される。
粘土や苔を詰めて断熱もバッチリ。
壁がどんどん高くなっていくにつれ、ログハウスっぽさが出てきてワクワクが止まらない。
壁が完成したら屋根の番だ。地球本を読むと「梁や垂木に板材を固定し、その上に茅葺き風の素材を敷く」といいらしい。
釘やネジがないと梁がずれたら大事故になるから、ちょっと緊張感ある。
「ゴーレム、梁を持ち上げて梁受け部材(?)にセット……そうそう。あとは釘でガッチリ留める! OK、ウルフ、そこは危ないからよけろー」
ウルフが「ガウッ!」と返事してひょいと逃げる。俺はハシゴに登って釘をカンカン打ち込み、垂木を並べ、さらに板材をトントン貼り付けていく。
最後に大きな葉や乾燥した草を敷いて茅葺き風に仕上げると、森と調和したやさしい雰囲気になる。水の染み込みを防ぐため、さらにロープで巻いておけばバッチリだ。
数日かけた作業の末、ついにログハウスが完成した。
釘とネジをうまく使い、粘土や苔で隙間を埋め、梁や板材で屋根を強化。もう見た目も機能も十分だろう。
「よっしゃあ……ついにできた……!」
俺は玄関用の木の扉を開け閉めしながら、ニヤニヤが止まらない。
ウルフが「ガウガウ!」と家の周りを走り回り、ゴーレムはドッシリ構えている。
中に入ると、ほんのり木の香りと炭化した匂いが混ざっている。
窓代わりの小さな開口部から光が射し込み、床には板材を敷いてあるから足裏が優しい。これは思った以上に快適だぞ?
「本当に地球本の知識が役に立ったな……ありがとう、ログハウスの教科書。釘・ネジの大切さもよーくわかったし」




