第四十八話 パン作りとカケラ集めの日々
この香ばしさが、自然の中で味わうパン作りの醍醐味だ。
両面がきつね色になったところで火から下ろす。手でちぎると、内側はほんのり白く、外はパリッと軽やかな焼き目。湯気が上がり、朝の澄んだ空気にパンの香りが広がる。
そのまま何もつけずにかじってみると、素朴だけど優しい味わいが口いっぱいに広がった。自分で作ったからこそ、余計に愛着が湧く。
めっ!
めっっ!
めっっっ!!
めちゃくちゃ、うめぇ~~~~~~~~~~!!!
「バターも買っておけばよかった……!!」
少しだけ後悔するも、それ以上に満足感が勝る。
温かな飲み物と一緒に、自然の音をBGMにして食べる焼きたてパンは、何よりも贅沢だ。
「ほら、ウルフもたべろ!」
「がうーん!!」
ウルフもさっそく、がぶがぶとパンを食べ始めた。
がうーん(うまーい)!!
そうかそうか!
俺もそう思うぞ!
異世界でのソロキャンパン作り、大成功だ!
※ ※ ※
ところで、俺のモーニングルーティーンを知りたいかい?
朝、高台の遺跡付近でテントから起きて、貯水瓶で顔をあらって、トイレをささっと近くで済ます。
たき火をおこして、昨日のうちに仕込んでおいたパンを焼く。
小川のベースキャンプからこの高台までの道中で摘んできた山菜やハーブ、キノコなどを準備して、同じくたき火で調理する。
水筒の水に、ハーブを蒸したものを入れて……
丸太をベンチ代わりにして、ウルフと一緒に優雅な朝食をとる。
はぁ~、幸せだぁ~。
そのあと、ラジオ体操!
音楽は俺自身のアカペラで勘弁してくれ。
いっちにーいっちにー。
準備運動が終われば、遺跡のちかくでは魔導ゴーレムのパーツ発掘を再開。
午前中目いっぱいやりきったら、お昼ご飯を食べる。
昼は朝の残りと、前から仕込んでいた焼き魚などを食べる。
もちろん、ウルフも一緒。
そして、夕方までまたひたすら発掘作業だ。
夕方になったら、日が沈むまでに明日の食料集めもして、テントに戻る。
いやぁ~充実してるなぁ。楽しすぎる!
そんな感じでルーティーンを過ごす俺だが、次第に俺はパン作りにも夢中になっていった。
「さて、今日はこだわってパンを焼いてみるか!」
新しいレシピに挑戦したり、ドラゴンアップルの果汁を生地に練り込んだり、焼き上がったパンにナッツを添えたりと、少しずつ工夫を加えるようになった。
「このパン、甘酸っぱくてめちゃくちゃうまいじゃん! ウルフ、お前も食べるか?」
ウルフが「ガウ!」と吠え、尻尾を全力で振りながらパンにかぶりつく。
パン作りをするたびに、焚き火のそばで生地をこねる時間がどんどん楽しくなっていく。
発掘作業だけでなく、こうした小さな楽しみが日々を彩る大事な要素になっていた。
「こういうのが異世界スローライフの醍醐味だよな……」
こうして、発掘作業とパン作りを楽しみながら、数日が経過していった。
※ ※ ※
「おっ、また出てきたぞ!」
ウルフが最後に鼻を利かせて掘り起こした場所から、ゴーレムの重要そうなパーツが出てくる。
「これで……結構な数だな、かぞえてみるか」
こういうとき、【収納】機能は便利だ。なぜかというと、数も【×●】みたいな感じで表示されているから。
ウィンドウに表示された文字を見てみる。
【魔導ゴーレムのカケラシリーズ × 452】
おお……めちゃくちゃ集まった。
ダブりを考慮しても……どうにか完成するんじゃいか? 全部で320パーツだし。
そろそろ、【博物館】にいってみるか!




