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第四十六話 魔導ゴーレムのカケラ


思わず二度見。


ウルフが「ガウ?」と首をかしげてるけど、いやそりゃこっちも「は?」だよ。


へんな模様が入った、単なる砕けた岩の破片が、ゴーレムの腕って……。


ん?


まてよ。


『魔導』……。


何か聞いたことある。


エンバーと共にたどり着いた南東のはずれにあった装置にもこのネーミングがついていた。


しかし、それだけじゃなく。


ガバッと、俺は焦って【ショップ】機能を開く。


そこには、


【魔導バッテリー】。


リロードして、物質化してみる。


すると、その表面に刻まれていた紋様は、魔導ゴーレムの腕らしきその岩と同じだった。


「まさか……」


驚きと興奮がないまぜになって、胸がざわつく。


俺は、遺跡を仰ぎ見た。


この遺跡の周りに散らばっている、砕けた岩……。


これはまさか、すべて魔導ゴーレムのパーツ……?


そして、もしそれをすべて集めて、標本化させるととができたら。


魔導バッテリーを挿入することによって、ふたたび稼働するんじゃないのか?


魔導ゴーレムが。


そんなことを思いながら、ひきつづき遺跡の探索を続ける俺。


ゴツゴツとした石の壁や崩れた柱が雑然と散らばる中、ウルフが「ガウガウ!」と元気よく走り回っている。


鼻を地面にビタッと押し付けてクンクン嗅ぎまわる姿は、まるで本格的な探偵だな。いや、探偵よりも嗅覚が優れてるから優秀かも。


「よし、頼むぞ、ウルフ。全部チェックしていこう!」


ウルフは「ガウ!」とひと吠えして尻尾をブンブン。


めっちゃノリノリだ。


俺もスコップを手に、崩れかけた岩や瓦礫を一つずつ調べていく。


おお、これは……。


ただの【古代遺跡の壁の破片】とか【古代遺跡の床の破片】が大半だけど、その中にちらほらと【魔導ゴーレム】の【カケラシリーズ】らしきものが混ざっている。


ウルフが「ガウガウ!」と一箇所をひっかき始めると、どうやらそこにもパーツがあるっぽい?


「これは……肩のジョイント部分か?」


見れば何やら金属の接合がゴツっとしてて、ロマンを感じるデザイン。


若干未来感あるパーツが転がってるのが、なんか異世界って感じがする。


その後もスコップをザクザク動かし、ウルフと二人三脚でパーツを集めた結果――なんと約2時間の作業で43個もゲット。


これは思った以上の大漁だ。


集めたパーツをそこそこ平らな岩の上で並べてみる。


パズルというかレゴブロックを広げてるみたいだけど……スケールが違いすぎる。


【魔導ゴーレムのカケラシリーズ』


右腕の上腕部分:金属の接続部が特徴的。ムキッとしててゴツい


左脚の膝関節:ギアが内蔵されてる感じ。あれ、意外とハイテク?


胴体の胸部装甲:魔導紋がうっすら光ってる。もう見ただけで「力作感」満載


頭部の破片:顔の輪郭がわかる……が、ちょっとシュールだぞ


手の指関節:細かい作りだけど頑丈そう。ガチッと鷲掴みされたら痛そう……


「これ、結構集まったな……いったん【博物館】に持っていくか」


  ※  ※  ※


博物館の中に入り、化石模型エリアをスッタカスッタカと進んでいくと、


「ん、なんだ? こんなのあったっけ?」


やたら目立つ立て看板が視界に入った。


『古代文明コーナー』


前に来たときは見かけなかったぞ? まさか博物館って自動更新なのか?


まるでオンラインゲームのメンテみたいだな。


とかツッコミつつ、俺は早速【魔導ゴーレムのパーツ】を登録してみる。


【エリシアちゃんの博物館】

【新規追加 魔導ゴーレムのカケラシリーズ:43/320】


「おお、復元まで、けっこう近いじゃん!」


そういえば、スカイドラゴンの化石なんてパーツ数4万越えだったっけ? それに比べたら320なんて超少ない。


たしかに、ゴーレムって、見た目のビジュアルからしてポリゴン数がすくなそうだから、パーツも少ないのかも。


俺がブツブツ言ってる間、ウルフは「ガウ?」と首をかしげている。


ま、ポリゴンとか言われてもわからんよな、そうだよな。いいの、気にしないでくれ。


「これは……よし、いっちょ、ゴーレムを完成させるまで、やってみるか!」


あの妙にロマン溢れるゴーレムを完成させたら、どんな光景が広がるんだろう。


わくわくが止まらん。


ウルフも「ガウガウ!」と嬉しそうに吠えて、やる気満々だ。


 ※ ※  ※


そうして俺は、いったんベースキャンプに戻ることにした。


そこに残してきた一式をぜんぶ【収納』し、遠征の準備をあらためて整えた。


短期決戦でゴーレムのパーツを探しまくるのもいいけど、どうせなら数日泊まり込みでガチ発掘しようって作戦だ。


 ※ ※  ※


さらに翌日。


高台の遺跡に戻ってきた俺。


テントをせっせと設営しつつ、心に決める。


ウルフが「ガウ!」と勢いよく吠えて、尻尾をフリフリしながら俺の足元でじゃれてくるから可愛いんだが……ふん、撫でてやるか。


満点の青空を見上げながら、俺はスコップをもう一度握り直す。


これから何日かかるか分からんけど、のんびりじっくり楽しめるのがスローライフの醍醐味だ。ウルフとの二人(?)暮らしも慣れてきたし、よし、準備万端!


「ここで数日泊まり込んで、古代遺跡でゴーレムのパーツを全部集めきる!」

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