表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/69

第三十九話 飛行石の使い道

まずは、【博物館】から。


すると、


シュウン……


という音が出て、目の前に扉が現れた。


しかし、それは扉だけである。


しかも、微妙に宙に浮いている。


ただ、本当に扉だけで、奥に建物がない。


なんだこれ……。


某国民的なアニメーションに登場する耳なしネコロボットのポケットから出てくるドアみたいじゃないか。


「ガウガウ!」


「ああ、わかってる。ものは試しだ。開けてみるか」


ガチャ。


ドアを開けてみる。


すると、まさに国民的アニメに出てくるドアのように、向こう側には別世界が広がっていた。


ドアの向こう側……その内部は、そこは広々とした空間だった。


壁には展示用の棚が整然と並び、中央には大きなプラットフォームが鎮座している。


そして、この異世界どうぶつのもりには、不釣り合いな、まるでリアル世界における美術館をイメージしたような近代的な内装。


無機質な照明がやけに明るいが、どことなくワクワクする空間でもある。


しかし、棚や陳列用のようなステージや立地がある割には、空っぽだ。


全く何も飾られていない。


「もしかして、ここ……」


俺が予想に言及しようとしていると、そこで、手元のスカイドラゴンの化石のカケラが淡い光を放ち始めた。


「おわっ!?」


ビクッと驚きながら、俺は思わずそれを握りしめる。


すると光は博物館の中央へ吸い込まれるように飛び、次の瞬間、化石が具現化された。


「これって……!」


目の前に、化石の一部がリアルに再現される。


それは、巨大な竜の一部分。


ちょうど、大きく広げた翼の骨格部分であるようだった。


まさしく、圧倒的な大きさであるスカイドラゴンの一部位を示す、3D立体モデルのよう。


ただし、もちろん化石は一箇所のみ。


それ以外に足りない部分は透明なワイヤーフレームのような形状で表現される。


欠片がそろうのを待つかのように、プラットフォームの上に展示された。


「おお……」


「がう……」


感嘆する俺とウルフ。


「めっちゃ迫力あるな……。カッケェ……」


実際にこの生き物が大空を飛んでいる姿を見たら、どんなに圧巻だろうか。


感動とも言える感情が身体を満たしつつある時に、ふと俺は思う。


「もしかして、これ全部集めたら、復活するとかないかな……?」


って、そんなわけないか。


と思いきや……。


ピコン、とウィンドウが表示される。


【エリシアちゃんの博物館】

【新規追加 スカイドラゴンの化石:1/43000 復元まで、あと42999ピース】


と表示された。


「おお、まじか……」


ん?


ちょっとまて。


復元?


【モデル完成】とか【模型完成】とかじゃなくて、復元……?


そのワードチョイスに何か引っ掛かる。


復元って、【元に戻す】って意味だよな……。


当然だけど。


まさか、もしかしてだけど。


この博物館、化石を展示できるだけじゃなく、化石を全部集めた、復活したりする……!?


……うーん、どうだろうか。


突拍子もない夢のような話かも、と思う一方で、この世界なら何があっても不思議じゃないとも思う。


なんてったって、エリシアという女神の冠がついている博物館でもあるのだから。


あの女神、【蘇生術】に関しては、相当の腕前だ。


俺を別世界を経由して復活させたわけだし。


こりゃあ、ワンチャンあるんじゃねえか!?


だとしたら。


最高じゃないか。


空賊にはなれなかったかもしれないが、もしもこのスカイドラゴンが復活して、俺が背中に乗り、大空を駆けめぐる……。


飛空挺と同じ、いやそれ以上に、感動ものじゃないか!


いいねぇ。最高だねぇ!!


【飛行石】、その名前は伊達じゃない!!


ロマンが脳内を駆け巡る。


ただ……現実的にスカイドラゴンが復活するのかはさておいて、なんか、ちょっとイラッとするけどな。


だって化石集めるの俺だし。


そんなことを考えつつも周りを見回すと、他にも化石はいっぱい展示するスペースがあり、そこに今かいまかと待ち侘びるように薄くワイヤーフレーム表示がなされている。


これ全部完成したら圧巻だろうなぁ。


あ、そうだ。


仮に完全形の化石をどれか一つでも復元できたら、復活しないまでも、報酬とかもらえないかな?


ゲームって大抵そういうのあるよね。


ユーザーにプレイし続けてもらうために、定期的に【やりがい】と【報酬】を与えてくれるってやつ。


クソ女神がケチすぎて若干不安になるものの、もし【報酬】ももらえるのだとしたら、これだけでかい博物館である。


とんでもない金額になるかもしれない。


借金返済に一歩近づくのは間違いない。


「よし……古代竜の化石、全部揃えてやる!!」


思わず顔がにやける。


「がうがう!」


「おっ、協力してくれるのか? ありがとうな、ウルフ」


俺は意気込むウルフの方を見やる。


彼の特殊スキル「ここほれワンワン」で、前にも化石を掘り当てたことがあった。


ウルフは俺の視線に気づき、嬉しそうに尻尾を振っている。


「よし、次は化石集めだ!」


おそらくは、【水族館】機能も同じようなものだろう。


俺は博物館を後にして、【水族館】のドアもくぐってみた。


予想通り、無人で広大なスペースが中にはあり、巨大な水槽がいくつも設置されていた。


ここに、釣った魚などを放り込んでいくんだろう。


ウィンドウ表示から察するに、過去に釣った魚であれば、この水族館に登録できるらしい。


よし、後でこっちにも登録作業をしないとな。


そうして俺は、【水族館】を後にして、ベースキャンプで再び地図や道具を確認し始める。


これから忙しくなるぞ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ