第三十二話 異世界DIYでつくる「燃焼乾燥室」
※ ※ ※
つぎは、DIYツールを使う。
【合成】機能ではなく、純粋なDIYとしてだ。
まず、さきほど探索した森で拾ってきた薪を準備する。
これを燃やして得られる熱風を利用して「燃焼乾燥」を行って、ナッツや穀物、それにドラゴンフルーツを乾燥させていこう。
あ、ちなみにこういうの、俺大得意なのよ。ソロキャンもやってたし、DIY好きだし、陰キャなリーマンの趣味としてはぴったりだろ? ……自虐だからな!!
さて、先生からレクチャー開始だぜ。
「燃焼乾燥」させる代表的な方法の一つとして、小型の燃焼装置と乾燥庫(木枠の小部屋)を組み合わせるやり方がある。
おおまかな構造としては、
[燃焼室] --(熱と煙)--> [熱交換部] --(温風)--> [乾燥庫]
こんな感じ。
各部位の説明は、
燃焼室: 薪や小枝を燃やす場所。穴を掘ったかまどを、ここでは使用する。
熱交換部: 燃焼室からの熱や煙を通すパイプ・チャンバー。ここで空気を温め、乾燥庫へ送り込む。
乾燥庫(乾燥室): 穀物を広げて置く場所。通気を確保しながら、熱がこもりすぎないように作るのがポイント。
こうなる。
次に手順だ。
①燃焼室(焚き火やかまどなど)を作る
本当は 「ロケットストーブ」なら、煙突効果を強くし、小さな薪でも効率よく燃焼可能なんだけど、金属パイプとかがないので、ここでは「簡易かまど型」にする。
地面に穴を掘って風の通り道を作り、上部で火を焚く形。風向きと吸気口を工夫することで、ある程度強い火力を維持できる。
燃焼室で燃やした煙や熱が直接穀物に当たらないようにするため、煙突パイプを使って煙を排出する仕組みも忘れずに。
できれば煙突の一部を二重構造(外管と内管を重ねる)にして、外側の空気を効率よく温める「熱交換部」を備えると、より効率的に温風を作り出せる。
②乾燥庫(乾燥室)の準備
木枠で箱状に作り、内部に棚や網を設置する。高温に耐えられる素材が望ましいけど、そのあたりは薪の燃焼部からの距離で調整。
下部(もしくは側面下部)に外気を取り込む入口を作り、上部に排出口を設置して、熱と湿気を外へ逃がす。
穀物を置く棚は、風が通りやすい網やメッシュ状にして、上下の棚の間隔もある程度確保し、空気が動きやすい空間を作る。
③熱風の導入
燃焼室からの煙突パイプ(外側)を乾燥室の一部に取り込んで、そこから熱が放射されるようにする。
パイプは、金属はないから、こちらもなるべく燃えないように土製のもので代用する。
直接煙が穀物に触れないよう、煙突パイプは密閉し、煙は室外へ排出。理想は「乾燥室に煙突が貫通していて、パイプからは煙が漏れずに熱だけを放射する」状態だ。
④実際の乾燥作業
まずは小さな火を焚き、徐々に薪を足して火力を上げる。熱の温度は穀物に適した40~60℃程度が目安。
本当は温度計を乾燥室内に設置しておきたいのだけど、そんなものはないので感覚で調整する。
ナッツや穀物は重ならないように薄く広げ、空気が通りやすくする。乾燥時間が長くなる場合は、途中で上下や左右を入れ替えたり、かき混ぜたりして均一に乾かす。
ーーこんな感じでぇ~~~ 「燃焼乾燥」は完成!!
その後は、DIY作業台に戻り、乾燥させたナッツ類や穀物と、それにドラゴンフルーツを合成させる。
本当は物理的にかき混ぜても良いんだろうけど、同じ異世界アイテムではあっても【合成】を使った方が加算法でその効果がアップすることは実践済みだ。
これで、【ミートラットの好物】を大量に作る!
できあがったものは……
『ラット誘引フルーツボム:ミートラットを引き寄せる香りを放つ』!!
フルーツボムって凄い名前だな!?
それにすげえ色!
なんというか……各濃色の絵の具をぐじゅぐじゅに混ぜて垂らしたような……非常に毒々しい色をしている。
それだけじゃなく、なんか形状も古いアニメとかにでてくるような時限爆弾みたいなかたちをしている。
この合成アイテムの生成ルーチンってどうなってるんだ? 女神の趣味なのだろうか。
だとしたら若干ダサいしキモいよな。わかりやすくはあるからいいんだけどさ。
その、ダサキモなフルーツボムをもって、俺は例のポーズを決めるのだった。
くるっと一回転して~~!
ラット誘引フルーツボム、ゲットだぜ!
よし。
俺は出来上がったアイテムを手に取り、笑みを浮かべた。
「これでミートラットたちを呼び戻せるはずだ!」




