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第三十話 ミートラット呼び戻し作戦

 おお、ステータス表示はされるな。


「なになに……? 魔導の力によって動く……? 地中のものを掘り当てる……?」


 結局よくわからん。


 装置に刻まれた魔法陣っぽい文様、これが光ってるのが魔導で動いてるってことなんだろうか。


 あと、Mk.IIIってことは……1作目と2作目が試作されたのだろうか。大昔に。


「ぐるるるるるる」


 ウルフがなにか警戒し始めた。


「どうした? 誰かいるのか?」


 だが、付近にはそれらしい気配はない。


 ただただ、魔導掘削機の不気味な振動音が響くのみ。


 そういえば、この古代遺物、なんで今も稼働してるんだ……?


 「なあエンバー。振動音って、最近聞こえ始めたんだよな? てことは、これってそのときに動きはじめたんだよな?」


「そう……ですね、そうなると思います、はい」


 エンバーが不安げに答える。


 「ソータ様。これを止めれば、ミートラットたちが戻ってくるんですか?」


 「まあ、音が原因で逃げたんなら、止めればいいはずだよな」


 俺は一瞬迷った。


 これを止めて本当に大丈夫なのか? 


 誰が稼働させたかは分からないが、もし、この装置が何か重要な役割を果たしていたら――そんな考えが頭をよぎる。


 うーん、だけど。


 俺の第六感が訴えかけてるんだよな。


 こういう古代兵器まがいのを動かすヤツって大抵悪いヤツだって。


 だてに古き良きファンタジーを愛するゲーム文化で育ってないぜ。


 そもそも、この振動音がミートラットの大移動を引き起こしたのは間違いない。


 俺は直感に従い、装置の側面にあるスイッチらしきものに手を伸ばす。


 「えいや」


 スイッチを押すと、ゴウン……と重々しい音を立てながら、装置は徐々に静かになっていく。


 地面の震動も次第に収まり、周囲に静寂が戻った。


 「よし、これで大丈夫だろ」


  ※  ※  ※


 洞窟村に戻った俺たちは、歓声と拍手で迎えられた。


 村の入口にはエンバーの仲間たちが集まり、無事に帰還した俺たちに感謝の言葉を口々に述べる。


 「ソータ様、本当にありがとうございます!」


「振動音が、聞こえなくなりました!」


 「エンバーも無事で何よりだ!」


「よかった! これで、ミートラットが戻ってくる!!」


 ドラゴンたちが笑顔を浮かべる中、しかし俺は緊張を解かなかった。


「あー、それなんだが」


「? どうしたのですか? ソータ様」


 となりで、エンバーが問いかけてくる。


「ミートラットたちが、すぐ帰ってくるとは思えない」


「え!?」


「あいつらって、ようはネズミだろ? だとしたら臆病であることが生きるすべ、みたいなところがあると思うんだ」


 俺は、洞窟村へ戻る帰り道で考えていたことを披露していく。


「そういうヤツらが、一度危険を感じた場所に、ノコノコと戻ってくるとは考えづらい」


「なんと……」


「そ、それはたしかに……!」


ざわざわっとする、洞窟村の住人たち。


ベビードラゴンたちは、近くの仲間と不安そうに話ている。


「そんな……」


 エンバーも、ショックをうけた顔をしながら口を手で押さえる。


 あいかわらず、乙女っぽい可愛いリアクションをする小型ドラゴンである。


 そんな悲しい顔するなよ、レディ。


 ここからが俺の腕の見せ所なんだから。


 「だから、ミートラットがここに戻ってきてもいいと思える仕掛けを作ろうと思う」


「仕掛け……ですか?」


 「ああ、今から、その準備をするから……ひとつだけ、お願いさせてくれ」


「お願い?」


「お前達の食料……【ミートラットのしっぽ】をひとつ、もらえないか?」


  ※  ※  ※


 俺は軽い休憩を取った後、村の一室を間借りした。


 疲れていたのか、ウルフは隣ですやすやとお昼寝中だ。


 そして、俺は村に残されていた唯一の【しっぽミート】に、【ショップ】機能を展開した。


 『しっぽミート:ミートラットが、天敵から逃げる際に自ら切り落とす希少な部位。ベビードラゴン種の好物。おいしい』


 ふうむ、なるほど……。


 DIY作業台の前でうなる。


 どうにか、ここからミートラットの生態を調べることはできないか……。


 俺は頭をひねって悩みつづける。


 うーむ、どうしたものか……。


 そうやって、数時間考え抜いた結果……。


 あ。


 これ、どうかな?


 ひとつ作戦を思いつく。


 ……。


 しかし、またしても!!


「金が、なくなる……」


 でも、そんなことを言ってる場合じゃない。


 ここまで来たら、あのドラゴンたちの笑顔をみたいじゃないか!


 あんたらも、そう思うだろ!?


 もちろん、俺もそう思う!!


 けっして、【飛行石】をもらうためじゃない!


 あくまで! ドラゴンたちの笑顔! それだけのため!


 【飛行石】も究極、売り払えば元取れるだろ、だって宝石だぜ!?


 みたいな考えは、全く持ってないからな! 信じて欲しい!


 はぁはぁはぁ……。


 ちょっと熱くなってしまったが。


 じゃあ、作戦を決行するか……うう……。


 俺は、【ショップ】機能における、【エリシアちゃんのマーケットプレイス機能】を選択する。


 選択したアイテムは……

 


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