ネオンテトラとミレニアム 6
3-6
「では続いて、真鍋さんと宮下さんの配属についてです。
社長?」
「うん。真鍋と宮下は、引き続き【シャインガレット】の管理部門に入ってもらう。管理部門を自前で強化出来るまで、青木さんを支えてくれ」
「「わかりました!」」
ぱちぱちぱち。
みんなから拍手が上がる。
「花明院、おまえの直属にするから、社屋の移転と、新事業について、よろしく頼む」
「うん、わかったよ」
【シャインガレット】の指揮系統は、俺→青木さん。
大きい経営方針は二人で決める。
青木さんの下は、直属の事務2名と、花明院、二戸だ。
真鍋と宮下は花明院の下に付けるから、青木さんが指揮しないといけない人員が増えるわけではない。
今のところ採用人事と法務、経理、庶務は、青木さんを含めた【シャインガレット】のメンバーで賄えているが、契約や営業、インフラ、現場の人員のフォローまで手が回っていない。
特に今は、現場と青木さんの距離がやや離れがちになっているので、そこを花明院と二戸が、マキと一緒に担っている。
加えて社屋の移転と、現在進行中の新事業がある為、そこを花明院、しいては真鍋と宮下に任せたい、と言うことだ。
いい加減、現場マネージメントの部署を作らないと、立ちいかないな。青木さんに古参から目ぼしい人材のピックアップを頼もう。
「次に、来月に控えた【ネオンテトラ】の夏合宿についてです。社長?」
「うん。例年通り下田でやるつもりだが、俺は今年から参加しない。みんなは行きたければ行ってくれ」
「なんでいかないんですか?」
行く気満々の皿橋、おまえは少し遠慮しろと言いたい。
「もう知らない奴ばかりだしな。
俺の名代として皿橋、お前が責任者として仕切ってくれ」
「承知しました!」
正当な行く理由が出来て、嬉しそうだな。
「それから真鍋」
「はい」
「部長を、二年生から選んだそうだな」
「はい。今は三年になってますが。
私の下の代がその、あまりなんというか、その……
部長向きではないので……」
「ふむ。俺もそれは気になっていた。
その二年は、どんな奴だ?」
「最上 さくらという子です。
経済学部経済学科。両親共に広告代理店で、統計とマーケティングに興味があるそうです」
マーケッターか。
「ほう。人柄は?」
「そうですね……一言で言えば、エロい子です」
「ん?」
「一度会えばわかると思うんですが……
お色気のオーラがすごいと言いますか……」
真鍋が言いにくそうにするとは、なかなかに珍しい。
「そ、そうか。
夏合宿には真鍋、宮下、お前たちも行け。
最上をサポートしてやれ」
「はい、わかりました」
「しかし、女の子だけだと、少し心配だな。
同行者を考えておく」
「それでは、本日のアジェンダは以上となりますが、何かある人はいますか?」
「あ、ちょっといいか?」
「何でしょうか?社長」
「【バタフライアクセス】に人を増やしたい。
新垣、悠華さんと相談しといてくれ」
「承知しました」




