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パンクジャズ  作者: 林広正
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 俺たちは、この歳になった今でも、相変わらずだ。それを評価する奴らもいるが、それってクソ喰らえだよな。年寄りだってな、若者と一緒だろ? 体力や見た目に衰えはあっても、思考ってのは衰えないんだよ。それを証拠に、俺たちは今でも、新しいなにかを生み出しているだろ? 年寄りってことを評価する前に、もっと大事なもんがあるんだよな。まぁ、俺たちは、そういうのも当然のように評価頂いているんだがな。

 今でもまだ、創作意欲は衰えていない。ペースは減ったが、いまだに作品は生み出している。ツアーだって回っている。この前出した作品のことを悪くは言わないでくれよな。あのツアーについてもそうだ。俺たちは常にベストを尽くしている。しかしまぁ、求める側と求められる側の相違ってのは、埋まることのない溝なんだよな。俺たちは、とにかく今を楽しんだんだ。その結果、ああいう答えに辿り着いた。まぁ、本来ならさ、 古い曲を俺らなりにっていうアイディアだったんだ。けれどな、俺らより古い音楽は、その音源が存在しないんだ。俺はその音源が紹介されたらしい形のある本は持っている。しかし、それだけだ。形のある本は音を出さないからな。イメージはできても、真似はできないだろ? だから俺たちは、新しい音楽を、俺らなりに解釈をして、生まれ変わらせたんだ。正直、元よりもよくなっているだろ? だからだろうな。評判は悪いが、物凄く売れている。正直、この勢いなら、歴代ナンバーワンも時間の問題だろと思うよ。

 さて、俺はそろそろ家にでも帰って寝ようかと思っているんだ。もう疲れたんだよ。こんな話はさ、聴くのは楽しいんだけどな。まぁ、俺の過去は、俺自身でさえも魅力を感じているからな。今話した以外にもまだまだ物語に溢れているよ。もっとも俺の言葉で聞くだけじゃあまり的確には伝わらないだろうな。俺たちのことを知りたければ、俺たちの曲を聴いて、ショウを見ればいい。後は、俺と仲良くなることだな。誰かのことを知るには、それが一番だ。俺はいつでも大歓迎だよ。

 俺の言葉をどう感じるかはあんた達次第だな。俺はまぁ、いい加減だからな。こう見えても嘘だってつくんだ。まぁ、意図してつく嘘は少ないがな。人間ってのはみんなそうだろ? 一日に最低でも十や二十の嘘をつく。勘違いやら言い間違い、結果として嘘になる言葉は数多い。

 俺が語ったこの物語にも、嘘はきっと混じっている。って言うか、全てが嘘だったら大受けだよな。流石にそれはないか。残念なことに、今のこの世界は、そんな証拠に溢れているからな。けれどこれだけは自信を持って言える。俺の言葉は間違いだらけだってことだ。

 こんな俺の話を誰が聞くって言うんだ? まぁ、俺としては好き勝手喋っただけだから、誰にも聞かれないってのもありなんだけどな。俺が興味を持った理由はただ一つだ。俺のこんな話が形のある本になるってこと。それ以外の理由で、こうもベラベラと過去のあったことやなかったことを喋るはずもないんだよ。いつもの俺の言葉はとても簡潔的だろ? 新作やライヴの情報を語るだけだからな。けれど本当にこんなんでいいのか? 俺の言葉をただ垂れ流すだけなら、文字にする意味がないんじゃないか? まぁ、俺には文学ってやつの意味がわからないから、これで正解なのかも知れないけれどな。ただ一つ、俺からの要望を聞いてくれるか? これってつまりはインタビュー形式の物語ってことだよな。普通なら、あんた達の言葉も一緒に載せるんだよな。当然だよな。インタビューってのはそういうもんだ。質問と答えの繰り返しだからな。映像で流れるインタビューもそうと決まっている。だからだな。ここは一つ、あんた達の言葉を削除するってのはどうだ? その方が俺としては楽しいと思う。まぁ、これはあくまでも俺からのアイディアだ。どうするかはあんた達で決めることだな。

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