第8話 1
第8話
アメリカは、武器による支配を強めようとしている。今でもそうだ。それに対抗するように、武器を捨てたんだが、その始まりは、中東と呼ばれる地域の小さな国が始めた動きがきっかけだったんだ。その国ではクリスト系の宗教が崇拝されていたんだが、それがまた、さらなる問題の要因になってしまった。クリスト教には、一つの元になる別の宗教が存在していた。ヨーダ教と呼ばれているはずだ。聖話には二種類ないし三種類あるんだ。その最も古い聖話だけを信じているのがヨーダ教だ。二番目も含めて信じているのがクリスト教で、三番目の聖話と古い聖話の二つだけを信じているのが、その中東と呼ばれる地域で信じられているイズラム教だよ。イズラム教では、古くから武器を嫌っている。暴力も基本的には禁止されている。平和主義の筆頭が、あの地域なんだよ。
中東の小国が始めた武器を捨てる動きは、スティーブを通してあっという間に世界に広まった。この国も同調をし、日本でさえ同調をしたんだ。日本は確か、最後に同調をした国だったよ。あの国はアメリカと一番の仲良しだからな。
今の世界が戦争を始めたきっかけは、イズラム系の国に、アメリカが国民を使ってけしかけた事件が始まりだった。アメリカっていうのは大きな国だから、世界中の国民が集まって暮らしている。イズラムの人間は、住んでいる国とは別に己の宗教を大事にする。危険なアメリカで暮らしていても、そこを大事にするんだ。当然、武器を捨てたのだが、それゆえ過激な連中の標的にされ、見せしめとして多くのイズラムが殺されたんだ。そこからだよ。黙っているだけでは意味がないと、人々が気づいたんだ。暴力は最低だが、世界を変えるためには、行動をする必要がある。無抵抗の抵抗なんて言葉もあるが、それでは世界は変わらないんだ。以前にもアメリカに不満を持った国の一人が、そんな抵抗をしたが、そのときは確かに効力があったが、彼が死んだらそれでお終いだった。結局は権力や暴力には勝てないのが現実なんだ。だからこそ、行動する勇気が必要なんだよ。暴力は、使いようによっては役に立つ。勘違いはして欲しくない。暴力には色んな種類と使い道があって、間違いを犯さなければ役に立つってことだ。言わば諸刃の剣なんだよ。
アメリカに暮らすイズラムの人間が、殺された。しかも、一方的に、教会を燃やし、物理的な武器を打ち込んだ。数百人が死んでいるはずだ。それをきっかけに、アメリカ国内外で、暴動が起きたんだ。勘違いするなよ。暴動を起こしたのは、アメリカ人だ。イズラムの人間は、暴力を嫌う。戦いを避けたりはしないが、冷静に立場を重んじるんだ。無闇に復讐するようなバカじゃないんだ。バカはアメリカ人だ。復讐怖さに暴れ出し、やられる前にやってしまえと叫んだんだ。




