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金は全てスティーブの中の保管庫が管理しているんだ。受け取るときも支払うときも、全てスティーブ任せだよ。中身を知りたいときは聞けばいい。簡単に教えてくれるよ。まぁ、本人のだけだけどな。金の転送も簡単だ。俺たちの世界では、金を奪うのは不可能に近い。相手を騙して奪う方法もあるが、とても難しい。どんなに頑張って人間を騙したとしても、スティーブまでは騙せないんだよ。それでも騙そうと躍起になる連中は多い。毎日のようにそんな輩が捕まったとのニュースが流れているよ。
この世界は、いつの時代だって悪い奴らが消える事はない。金を騙し取ることができないのなら、別の方法を考えればいいだけなんだ。騙し取るのは金だけじゃなくてもいい。物を騙し取るのは当然として、心を騙す事もある。まぁ、つまらない音楽で金儲けしている奴らも、そんな輩の一部なんだよな。
俺たちは、世界を旅していた頃に一つの過ちを犯している。当時はまだ、転送技術が固定式だったからな。俺たちはトヨタで旅をしながらのツアー中だったんだ。アメリカ辺りを中心に回っていたな。あの国は、なんていうかおかしな国だよな。世界で一番大きな国で、人口も一番だ。犯罪率も国民の満足度も、金持ち率も貧乏率も、なにもかもが世界一なんだ。しかしまぁ、残念なことに、音楽については後進国だな。あの国は、今の文明社会の初期に、色を捨てたんだ。今の言葉や文字を作ったのも、あの国だって噂だ。スティーブの開発も現実としてはそうらしいな。まぁ、俺はそうだと確信している。そじゃない方が面白いんだけどな。戦争が始まったのも、あの国の暴走を止めようとする国民の意思が働いているんだ。あの国は、なんでもかんでも一番じゃないと嫌なんだよ。俺は正直、好きじゃないな。あんな事が起きたからだけじゃなく、なんていうか、野蛮な国だ。
けれどアメリカは、文明以前の音楽を生み出した国だったかも知れないんだ。俺はいくつかの形のある本で、USAの文字を見ている。ショウの話では、ウーサと読むようだ。そしてそのウーサは、アメリカのことを指す別語らしいんだよ。USAは、文明以前の音楽の発祥地だとショウは言う。当時は今よりも多くのジャンルが音楽にはあったそうだ。その全てが、USAから発信されたと言うんだ。そしてそのUSA生まれの音楽を発展させたのがUKであり、二つの国が音楽先進国と呼ばれていたそうだ。しかしまぁ、今となってはどうでもいい話だ。




