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パンクジャズ  作者: 林広正
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 俺たちは産まれてすぐから食事コントロールをされるんだよ。スティーブが管理をしているからな、逆らうことは難しい。ディーエヌエーの操作も、スティーブにはお手のもんなんだよ。俺たちは基本、生まれる前からこの体型をコントロールされているんだ。とは言っても限界はあるからな。今では死語になっているが、人種って言葉があるんだ。意味くらいは分かるだろ? 以前は人間の行動範囲が狭かったってことだ。狭い土地で繁殖していった結果、他とはほんの少し違う進化をしたんだよ。肌の色や体型、その程度だけどな。そんな人種間の長い歴史で培った僅かな差を修正することは、スティーブにも難しってことだ。ディーエヌエーの操作にも限界があるんだよ。まぁ、とは言っても、俺たちはかなり上手に制御をされているんだ。身長差は大人になれば五センチ前後ってとこだな。体重に至っては、誤差二、三キロだよ。それにはまぁ、別の要素もあるんだけどな。俺たちは毎月一度、薬を飲んでいる。悲しいことに、こいつは強制なんだ。色々な噂はあるが、俺たちの健康のためっていうのが一番のはずだ。あの薬は体重をコントロールしてくれる。スティーブへの影響を懸念している連中は間違っているよ。あの薬には、脂肪を燃やす細菌しかいなかったって、俺の知り合いが言っていたよ。あいつは俺の仲間だが、半分はそっちの専門家だしな。なんて言っても、確かにこの世界には太った奴もいるんだよな。理由はなんとなく想像つくが、太った奴はまず間違いなく政府側の人間だ。それ以外でのデブに、俺は出会ったことがない。

 雛形の使い道は、驚くほどに多様化している。正直俺は、あれが初めて街中の店に置かれたとき、邪魔だと感じたんだ。その便利さが、必要だとは感じなかったんだよ。俺は洋服を選ぶとき、必ず身につけて判断するんだよ。他人が着ている姿には惑わされない。けれど今の雛形は、愉快だよ。使い道もそうだが、街に雛形が溢れている光景が好きなんだ。人工的で冷たさを感じるこの街で、唯一暖かみを感じるからな。街のあちこちで、雛形はあらゆる仕事に大活躍だ。今では自動の雛形だって存在している。スティーブによる制御で動いているらしんだが、自らの意思を持ち始めているって噂もあるよ。そんな雛形は大抵、店番やら受付やらの仕事をしている。しかし俺のお気に入りは、街を歩いている雛形たちだ。あいつらは街の掃除をしたり、警備をしたり、工事をしている。ただぶらぶらしているだけだったり、風船や飴を配ったり、大道芸なんかをしいているのもいる。大道芸ってのは、ちょっと特殊で手短なショウのことだよ。人間離れした技を見せたり、コミカルな演技をしたり、まぁ、子供達にも大人気だ。

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