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そんなあいつとは、俺が主催したフェスの会場で知り合ったんだ。あいつはなんとかっていうバンドのマネージャーをしていたんだ。そのバンドを愛しているわけではなく、ただの仕事としてだけのマネージャーだよ。本人の言葉なんだが、俺と出会うのが目的で音楽の世界に入り込んだそうなんだ。あいつ以外にもそんな奴は大勢いる。だがしかし、あいつほどにストレートな奴は他にいないよ。あいつの名は、ナオコ。素直な子っていう意味だそうだ。
ナオコは俺を、じっと見つめてくる。その瞳が、俺を吸い込んでしまいそうに大きく、引力を感じたんだ。つまりまぁ、俺はナオコに引き込まれちまったんだよ。出会ったその瞬間にな。
ステージ裏から、ナオコが俺を見つめていたんだ。あいつがマネージャーをしていたバンドは、ちょっと離れた隣のステージで演奏を終えたばかりだった。ナオコはすぐにメンバーを連れて、俺たちのステージを見学にやってきたんだ。そのバンド以外にも、多くの出演者や関係者がステージ裏には集まっていたよ。俺たちのライヴは、今でもそうだが、一見の価値があるからな。特にその日は、いまだに語り継がれる最高のライヴになったんだ。
音楽フェスを考えたのは、この俺だ。と言ってもまぁ、そのつもりがあって始めたんじゃないんだけどな。俺はとにかくお祭り騒ぎが好きだった。大勢が集まってなにかをするってのは、ただそれだけで楽しいもんだろ? そこに音楽を混ぜてみろよ。楽しくないはずがないんだ。俺はただなんとなく知っている音楽仲間に声をかけた。ほんの数人だったはずだ。いくつかのバンドで、朝から晩までライヴをする。金なんて取らずに、その辺の広場やら空き地でってつもりだったんだ。それがいつの間にか、大袈裟な話として広まってしまったんだよ。俺が勢いで日付と場所を言ってしまったのがいけなかったんだよな。当然俺は適当に言っただけで、スケジュールも場所も押さえてなんていなかった。




