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パンクジャズ  作者: 林広正
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 ボブはギターを片手に一人で歌を唄う。まぁ、ときにはバンドを組むこともあるんだが、俺は一人のボブが好きだ。ボブの歌に余計な雑音は似合わないんだよ。ボブが奏でるギターの音色だけでじゅうぶん楽しめる。

 ボブのギターは、光エネルギーを使わないでも音が出る。なんていうか、優しく暖かい音色なんだよな。

 ボブが評価されたのは、そのギターとは関係がない。その歌詞が評価されたようだ。俺的には少し残念だけどな。俺は純粋に、ボブの歌が好きなんだ。曲も歌詞も含めてのボブだからな。

 その賞の名前がなんだったのかは、俺は覚えていない。ただ、あまりにも有名すぎるってことは知っているんだ。選ばれたボブは当惑していたよ。自分には不釣り合いなんじゃないかってな。そうなのか? まぁ、ある意味ではそうかも知れないな。ボブはそんなチンケな賞で計り知れる男じゃないからな。

 ボブならきっと、もっと素敵な表現をしたんだろうな。俺はつまらない言葉を言ってすぐ、そんなことを思い、恥ずかしくなったんだよ。

 本当にそう思うの? サリがそう言ったんだ。俺は顔を真っ赤にさせながら頷いた。するとサリは、あなたって可愛いのねなんて言いやがったんだ。参るよな。カッコいいとかって言葉には飽き飽きしていたが、可愛いって言われたのは始めてだったよ。

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