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パンクジャズ  作者: 林広正
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 旅の楽しみは出会いだけじゃない。俺はさっきから出会いが楽しいって言っているけどさ、勘違いはするなよな。出会いってのは、あんた達が思うような下心でいっぱいってだけじゃないんだよ。同じ連結型スニークに乗っているってだけでも出会いなんだ。街でのすれ違いだってそうだ。店員との会話なんて、それはそれは大きな出会いなんだよ。俺は老若男女区別なく、出会いを楽しんでいたんだ。

 しかし今では、そんな出会いも過去の遺物だよ。まぁ、ちなみにだけど、俺はそんな出会いの中から最初の女房を見つけたんだ。だから余計、連結型スニークがなくなったことが哀しいんだよ。思い出が一つ、消えたってことだからな。

 あの頃の俺は、ライヴや音楽制作の合間を見つけては転送装置と箱型スニークを活用して旅を楽しんでいたんだ。忙しかったが、隙間ってのはいくらでもあるもんなんだよな。転送装置のおかげもあって、簡単に遠出ができるんだよ。旅先から急に呼び出されても対応ができるしな。なかなかにいい時代だったな。転送装置とスニークが共存していた短い期間が、俺にはある意味では最高の時代だったと思えてならないんだよ。

 俺が旅したのは、スオミって言う名の小さな国だ。夏には太陽が沈まないんだよな。まぁ、地域によって差はあるらしいが、一ヶ月程度は続くんじゃないか? その逆に、冬にはやはり一ヶ月程度は太陽が昇っていかない。と言ってもさ。完全に真っ青な夏や完全に真っ暗な冬は短いらしいな。まぁそれも、地域差があるってことだ。北と南では違うってことだよ。

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