表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンクジャズ  作者: 林広正
3/102

3


 スティーブを使えば離れた誰かと連絡を取ることも容易にできる。言葉だけでなく、映像も送れるんだ。スティーブからの情報が、脳裏に浮かぶ。その声も、使用している本人にしか届かない。俺の言葉だって、心の中の声を読み取ってくれる。そしてその声を相手に届けるんだ。本音が漏れてしまうのはちょっと危険だけど、俺たちはまぁ、生まれたときからこういう状況下に置かれているからな、本音を心の中のさらに奥に押し込む術を心得ているんだ。こいつの機能はそこまでは読み取らないように制御されてもいるからな。たまにだけど、声を表に出して特定の相手と連絡を取る奴もいる。なんていうか、見ていて恥ずかしくなる。一人きりで歩きながら声を出すのは、ちょっと病気な奴だよ。独り言っていうのは、家の中で言うもんなんだよ。本を声に出して読む奴もいるけど、それもまた家でやればいいんだって思うよ。表でそれをするのは恥ずかしすぎる。まぁ、歌を歌うときは別だな。歌ってのは、声を大にして歌ってこそのものだからな。

 お尻に埋め込まれているのは、識別用のチップだ。俺たちはそれを、シードと呼んでいる。これはスティーブよりも厄介だ。取り外すことはできるが、直ぐにバレてしまう。なぜかは分かるだろ? シードはオナラに色をつけるための装置なんだ。俺たちは、オナラをする度に自己を表現しているんだ。人によって、それぞれ違う色を持っている。その色は匂いが気化するまで残るんだ。俺がそこに行ったっていう印になってしまう。オナラを我慢することはできても、完全になくすことはできない。そういう薬もあるにはあるが、完璧ではない。オナラは我慢すると、逆流をして口から出て行くんだ。残念なことに、そのときも色はついたままなんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ