23/102
6
俺は思うんだよ。そいつは否定しているが、日本に暮らす奴らは文字が読めるんじゃないかってね。結構な量の形のある本を目にしたよ。あれだけあれば、解読する奴が現れても不思議じゃない。そいつが読み方を解読しているのもきっと、そういつだけじゃなくみんなが知っているんじゃないかと思う。さらにはその意味まで解読済みかも知れない。そいつは否定しながらも、いくつかの言葉の意味を説明していたからな。
そいつは音楽の形のある本を手に入れる前に、すでに楽器を目にしていたそうだ。日本では、密かにではあるが、音を楽しむって文化が残っていたという。そいつは子供の頃からよく、そんな場所に通っていたそうだ。ギターやベース以外にも、三味線やら二胡やらバンジョーやら、シロフォンにマリンバ、ドラムやカホン、ありとあらゆる楽器が眠っていたそうだよ。俺が知らない楽器もまだまだ眠っているんだろうなって思うと、なんだかワクワクするよ。音楽はまだまだ進化する。もっともっと毎日が楽しくなるってことだ。
そいつが言うにはだが、楽器はあっても、演奏をする者はいなかったそうだ。飾りとして、闇の店に置いてあったそうだ。




