↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

夫と愛人に毒を盛られたので、死んだことにして〈屋敷の幽霊〉になりました ~旦那様、今夜も枕元に立ちます~

作者:月城 友麻
最新エピソード掲載日:2026/10/25
礼拝堂の二階、柱の陰の隠し窓から、コルネーリエは自分の葬儀を見下ろしていた。
棺にすがって泣いているのは夫のオスヴィン。その一歩うしろで、喪服の「従妹」メリッタがハンカチを目に当てている。襟元に、コルネーリエの母の形見の真珠が光っていた。
三日前の晩餐で、二人は彼女の杯に毒を落とした。老医師と執事の機転で息を吹き返したとき、屋敷にはもう弔いの鐘が鳴っていた。
「奥様、どうなさいます? 今すぐ下りて行かれますか?」
「いいえ。――せっかく死んだのだもの。しばらく、死んでいましょう」
この屋敷は彼女の生家だ。壁の裏の通路も、鳴る床板も、鏡の裏の覗き窓も、子どもの頃から全部知っている。入り婿の夫は一つも知らない。
伯爵家の相続が確定するのは、喪が明ける百日目。それまで夫は屋敷を離れられない。
その夜、夫の寝室の鏡に、口紅で一行。『その首飾り、返して』
翌朝、メリッタの首から真珠は消えていた。
金庫の中から聞こえる数え歌。一脚多く引かれる椅子。偽の遺言状に入る、本人の筆跡の添削。
幽霊は毎晩、一つずつ取り返す。――ただしこの幽霊、暗い所がたいへん苦手である。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。