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Ep62. “呼ばれる”ということ

名前を呼ばれるのが、昔から好きではなかった。

――正確に言うならば、それは「前世の俺」にとっての、消えない忌避感のようなものだった。


かつて俺が生きていた世界において、俺に向けられる言葉のほとんどは、名前の形をした「ただの記号」に過ぎなかった。


「ルーク先生、至急、第三治療室へ! 聖騎士団の重臣が運び込まれました!」

「さすがは我が国が誇る『天才医魔術師』だ。彼にかかれば、死神の鎌すらへし折るだろう」

「オリバー卿、此度の王宮夜会には出席されるのでしょうな? 陛下もあなたとの謁見を望まれておいでだ」


ルーク先生、天才医魔術師、オリバー卿。

誰も彼もが、俺をそう呼んだ。口々に、さも親しげに、あるいは敬意をこれでもかと詰め込んだ声色で。

だが、そのどれもが俺という中身を見て放たれた言葉ではなかった。それらはすべて、俺の背中に張り付いた「肩書き」に向けられたものだった。


彼らが俺を呼ぶとき、そこに含まれているのは純粋な親愛などではない。

底の見えない「期待」。

値踏みするような「評価」。

そして、どれだけ都合よく動かせるかという「利用価値」。

それだけだった。


俺にとって名前とは、自己を証明するものではなく、社会における「役割」を強制的に呼び覚まされるための不快なチャイムのようなものだった。そこに人間の温かみを感じたことは、ただの一度もありはしなかった。


だから、言葉を交わすこと自体が苦痛だった。

前世の俺が放つ言葉は、常に正しく、常に完璧で、常に冷徹でなければならなかった。医魔術師としての俺の発言は、時に患者の生死を分け、時に国家のパワーバランスを揺るがす。周囲は俺の言葉を待ち望んでいたが、それは「楽しみにされている」のとは根底から違っていた。

彼らは俺の言葉を「恐れて」いたのだ。

失敗の宣告を、冷酷な現実を、あるいは絶対的な強者からの拒絶を恐れ、腫れ物に触るような視線で俺の口元を凝視していた。


そんな息の詰まる世界で、俺はただの機能として消費され、死んだ。

そして、記憶を持ったまま、この新しい世界に生まれ変わった。


新しく与えられた肉体は、前世のしがらみから解放されているはずだった。それなのに、俺の魂に染み付いた「呼ばれることへの拒絶反応」は、そう簡単に消えてはくれなかった。誰かに声をかけられるたびに、首筋に冷たい刃を当てられたような緊張感が走り、自然と心を閉ざしてしまう。


……だが。


そんな俺の、ガチガチに凍りついた世界の境界線を、土足で、それもこれ以上ないほど無邪気な足取りで踏み越えてくる存在がいた。


「ルーク!」


ただ、それだけの声。

高らかで、少し高音の、なんのてらいもない少女の声。


それだけで。

あんなに冷え切っていたはずの胸の奥が、にわかに熱を持つのがわかった。


「……異常だ」


俺は小さく身を震わせ、自分の胸元をそっと押さえる。

本当に、どうかしている。前世の俺であれば、こんな非論理的な身体反応は「精神の弛緩」として即座に自己嫌悪の対象にしていたはずだ。たった4文字の、自分の名前を呼ばれただけで、どうしてこれほどまでに心拍数が跳ね上がり、同時に、ひどく安心しているのだろうか。


理由など、本当は分析するまでもなく分かっていた。

彼女の声には、かつて俺を囲んでいた「期待」も「評価」も「利用価値」も、何一つ含まれていないからだ。


そこにあるのは、ただ純粋に「あなたに会えて嬉しい」という、あまりにも真っ直ぐな温度だけだった。


   ◇ ◇ ◇

その少女――オリヴィアは、あれ以来、やたらと嬉しそうな顔をして俺のパーソナルスペースに潜り込んでくるようになった。


「ねえルーク、もう一回言える? ね、もう一回だけ!」


近い。圧倒的に顔が近い。

彼女の長い髪から微かに香る、日向ぼっこをしたばかりの干し草のような、あるいは甘い花のようないい匂いが、俺の鼻腔をくすぐる。

以前の、まだこの世界に馴染みきれず、人間という存在そのものに怯えていた頃の俺なら、間違いなく恐怖で泣き叫んで逃げ出していた距離だ。前世の記憶があるとはいえ、今の俺の肉体はまだ幼い子供なのだから。


だが、不思議なことに、今はそこまで嫌じゃない。

嫌じゃないどころか、至近距離で見つめてくる彼女の琥珀色の瞳の中に、明確な「きらめき」があるのを読み取ってしまい、どうにも視線の置き所に困ってしまう。


彼女は待っているのだ。

俺の言葉を。俺の声を。


前世のように、怯えや打算を含んだ視線で俺の破滅を待っているのではない。ただ純粋に、俺が紡ぎ出す音を、まるで極上の宝物でも受け取るかのようなワクワクした表情で、楽しみに待っている。


……本当に、変な感覚だった。

誰かに自分の言葉を「楽しみにされる」という経験が、これほどまでに気恥ずかしく、そしてこれほどまでに妙な落ち着かなさを伴うものだとは知らなかった。全身の痒みが止まらなくなるような、それでいて背中がむずがゆいような、そんな不器用な感情が胸の内でぐるぐると渦巻いている。


「お、り……」


俺は、意を決して小さな口を動かした。

今の俺の肉体は、まだ言語を流暢に操るための十全な発達を遂げていない。頭の中では完璧に「オリヴィア」という発音を理解していても、実際に声帯を震わせ、舌を動かそうとすると、どうしても不恰好にもつれてしまう。


それでも、俺は諦めずに音を紡ごうとした。


「うわぁ……!」


その瞬間、オリヴィアの顔が、まるでパッと花が開くように最高の笑顔に変わった。

本当に、心の底から嬉しそうに、彼女は両手を頬に当てて身を震わせている。まだ最後まで名前を呼びきれてもいないというのに、ただ俺が彼女の名前を呼ぼうと試みた、その事実だけで、彼女の世界は完全に満たされてしまったかのようだった。


その破顔を見た瞬間、俺の胸の奥の、一番深いところにある冷たいおりのようなものが、じんわりと温かいお湯に溶かされていくような感覚に襲われた。


理解不能だ、と脳内の理性(前世の遺物)が呟く。

たったの名前だ。ただの音の羅列だ。個体を識別するための、文字通りの『記号』に過ぎない。

なのに、どうして。

どうしてこれほどまでに、彼女の笑顔が特別に感じられてしまうのか。


「えへへ、ルークが私の名前呼んでくれた! ルーク、すごーい!」


オリヴィアは何度も、まるで大事な宝物の名前を反芻はんすうするように、俺の名前を呼び、そして自分の喜びを言葉に直す。

その様子をじっと見つめながら、俺はふと思った。


前世の俺は、きっと「名前を呼ぶ」という行為を、あまりにも軽く見すぎていたのだ。


医術の現場において、カルテに書かれた名前は単なる識別コードだった。

「ベッドナンバー12、オリバー・スミス。急性魔力不全」

「次、24番。アリス・ローランド。魔素変異症」

間違えてはならない記号。取り違えれば医療事故につながるから、厳密に管理すべきデータ。それ以上でも、それ以下でもなかった。


だが、今なら少しだけわかる気がする。

名前を呼ぶ、あるいは呼ばれるということは、そんなシステム上の処理ではない。


それは、「俺は、他のみんなではない、お前という存在をちゃんと見ている」という、絶対的な意思表示なのだ。


有象無象の群衆のひとりとしてではなく、替えのきくパーツとしてでもなく。

他の誰でもない、お前だ。お前という唯一無二の命が、そこにいるんだ。

そう伝えるための、最も原始的で、最も強力な温かい音。


だから、呼ばれるとこんなにも嬉しい。

だから、呼ぶと相手はこれほどまでに愛おしそうに笑う。


そんな、この世界に生きる人間なら誰もが幼少期に通り過ぎるはずの「当たり前」を、俺は前世を丸ごと置き去りにした今になって、ようやく、遅すぎる学びとして噛み締めていた。


「ルーク!」


オリヴィアが、また俺を呼ぶ。

何度呼ばれても飽きないのか、彼女の声はどこまでも真っ直ぐに俺の鼓膜を震わせ、凍りついていた魂の最深部へと届く。


その声。その笑顔。

それらを受け止めるたびに、俺の胸の奥は、かつて感じたことのない静かな幸福感で満たされていく。


ああ、そうか。

前世の俺がずっと欲しくて、でも誰も与えてくれなかったものが、ここにある。


名前を呼ばれるということは。

お前はそこにいていいんだと、その存在を無条件で許されるということ、なのかもしれなかった。


   ◇ ◇ ◇

少しだけ、前世の記憶の、一番暗い部分の引き出しを開けてみる。


オリバーと呼ばれていた頃の俺には、本当の意味での「家族」がいなかった。物心がつく前に医魔術の才能を見出され、実の親からは高額な寄付金と引き換えに教会へと引き渡された。親にとっての俺は、貧困から抜け出すための「金づる」であり、教会にとっての俺は、神の奇跡を民衆に誇示するための「聖なる道具」だった。


教会のアカデミーに入ってからは、来る日も来る日も魔導書の暗記と、治癒魔術の展開訓練ばかりの日々だった。

同期の子供たちが親の恋しさに夜泣きをしていても、俺はただ一人、月明かりの下で治癒の術式を指先でなぞっていた。泣いたところで、誰も俺自身の名前を呼んで抱きしめてはくれないと知っていたからだ。


「オリバー、お前は本当に優秀だな。教会のかがみだ」


大司教が俺の頭を撫でるとき、その目は俺を見ていなかった。俺の後ろにある、教会の権威や地位の向上、そして俺がもたらすであろう莫大な利益だけを見つめていた。彼の乾いた手のひらからは、何の温もりも伝わってこなかった。ただ、義務を果たせという無言の圧迫感だけが、幼い俺の肩に重くのしかかっていた。


やがて大人になり、最高位の「天才医魔術師」の称号を得てからも、状況は悪化する一方だった。

戦場に赴けば、兵士たちは俺を「生ける聖水」のように崇め、傷口を押し付けてきた。王宮に呼ばれれば、貴族たちは老いと死への恐怖から俺の機嫌を伺い、金や女を積んできた。


彼らにとって、俺の体調や心の機嫌などどうでもよかった。

「オリバー卿がいるから、この国は安心だ」

その一言の裏には、お前は死ぬまで俺たちのために働き続けろ、という呪いのような依存が隠されていた。


俺が一度だけ、過労で高熱を出し、診療を一日休んだときのことだ。

詰めかけた群衆や貴族たちは、俺の身を案じるどころか、口々に不満を漏らした。

「なぜ今日に限って休むのだ」「天才医魔術師のくせに、自分の体調管理すらできないのか」「早く彼を叩き起こせ、私の持病の診察の時間だぞ」


その時、俺は完全に理解した。

ああ、この世界に「オリバー」という人間は存在しないのだ、と。

皆が呼んでいるのは、ただの便利な魔法の道具の名前だ。道具が壊れれば文句を言うし、動かなくなれば容赦なく捨てる。そこに情の通う余地など、最初からないのだ。


孤独だった。

世界中の誰よりも多くの人間に名前を呼ばれ、必要とされているはずなのに、俺の心は常に、誰もいない極寒の荒野に取り残されているようだった。


だから、死が訪れたとき、俺は心の底から安堵した。

これでようやく、あの忌々しい肩書きから解放される。もう誰からも、あの冷たい「名前」を呼ばれずに済むのだ、と。


そんな呪縛に満ちた過去があるからこそ、今、目の前で小さな手をバタバタと振っているオリヴィアという存在が、俺にはまるで奇跡の結晶のように思えてならないのだ。


「ねえねえルーク、聞いてる? 明日ね、お母さんと一緒に街のお祭りに行くの! ルークも一緒に行こうよ!」


オリヴィアは俺の回想など露知らず、屈託のない笑顔で俺の小さな手を握りしめてくる。

彼女の手は、前世の大司教の手とは違い、驚くほど温かかった。小さな、少し汗ばんだ子供の手。だがそこからは、俺を自分の世界に連れて行きたいという、純粋な躍動が伝わってくる。


「……ま、ち?」


ようやく紡ぎ出した俺の言葉に、オリヴィアは「そう、街!」と嬉しそうに飛び跳ねた。


   ◇ ◇ ◇

翌日、俺はオリヴィアとその母親に連れられて、街の祭りに来ていた。

新世に生を受けてから、これほど賑やかな場所に足を運ぶのは初めてのことだった。


あちこちから立ち上る香ばしい肉の焼ける匂いや、甘い菓子の香り。色とりどりの旗がはためき、大道芸人が魔術を使って小さな火花を散らすたびに、子供たちの歓声が上がる。


前世の俺なら、こうした人混みは真っ先に避けていただろう。人が集まる場所には必ず病や怪我がつきものであり、俺の姿が見つかれば、たちまち「先生、ここを治してください!」と暴徒のような群衆に囲まれるのがオチだったからだ。祭りの喧騒すら、俺にとってはストレスの温床でしかなかった。


しかし、今の俺は、ただの小さな子供だ。

誰も俺が前世で国家を揺るがす医魔術師だったことなど知らないし、特別に強力な魔力を持っていることにも気づいていない。ただの、少し無口で発育の遅い、近所の男の子。


その「何者でもなさ」が、これほどまでに心地よいものだとは知らなかった。


「ルーク、迷子になっちゃダメだよ? ほら、手、繋ご!」


オリヴィアが自然な動作で俺の手を取る。

彼女の小さな指が俺の指の間に滑り込んできて、ぎゅっと握り締められる。その瞬間、周囲の喧騒がふっと遠のき、彼女の手のひらの温かさだけが明確な輪郭を持って俺の意識に飛び込んできた。


歩行者天国となった大通りを歩きながら、オリヴィアはいちいち足を止めては歓声を上げた。

「見てルーク! あの風船、おっきい! 赤いよ!」

「ルーク、あっちのお菓子、すっごく美味しそう! おねだりしてみようか?」


彼女がいちいち「ルーク」と頭につけて話しかけてくるたびに、俺の心の中に小さな灯火が灯っていくような感覚がした。

彼女が「ルーク」と言うとき、それは世界に向けて「これが私の大切な友達だ」と宣言しているように聞こえた。


前世の俺に向けられた視線は、常に「何かを奪おうとする視線」だった。俺の技術を、俺の知識を、俺の時間を、俺の労働力を。皆が俺から何かを搾取しようと目を血走らせていた。


だが、オリヴィアは違う。

彼女は俺に「与えよう」としているのだ。

自分の見つけた綺麗なものを、美味しいものを、楽しい瞬間を、すべて俺と共有しようとしている。俺から何かを奪うためではなく、俺という存在と一緒にその場を楽しむために、彼女は何度も何度も俺の名前を呼ぶ。


「……お、い、し、そ」


俺が小さく、彼女の指差した屋台の焼き菓子(甘いジャムが乗ったタルトのようなもの)を見て呟くと、オリヴィアは我が意を得たりとばかりに満面の笑みを浮かべた。


「お母さん! ルークも食べたいって! 買って買って!」


彼女の母親もまた、優しい眼差しで俺たちを見下ろし、「はいはい、ふたりの分ね」と銀貨を支払ってくれた。

手渡された出来立てのタルトは、驚くほど熱々で、口に入れると暴力的なほどの甘さと果実の酸味が広がった。前世の宮廷夜会で出された、どんな高級な、だが緊張で味がしなかった料理よりも、この路地裏の安いタルトの方が、何倍も美味しく感じられた。


「美味しい? ルーク、美味しい?」


口の周りをジャムだらけにしたオリヴィアが、覗き込んでくる。

俺は小さく頷き、ポケットから取り出したハンカチで、彼女の頬の汚れをそっと拭ってやった。前世で培った精密な指先のコントロールが、こんなところで役に立つとは思わなかったが、彼女は驚いたように目を丸くした後、また「えへへ」と照れくさそうに笑った。


その瞬間、俺は心の底から思った。

この世界に生まれ変わって、本当によかった、と。

かつての孤独なオリバーは、この温かい光の中で、確かに救われつつあった。


   ◇ ◇ ◇

祭りから帰った日の夜、俺は自分の部屋のベッドの中で、静かに天井を見つめていた。

昼間の喧騒の余韻が、まだ耳の奥に残っている。そして、それ以上に、オリヴィアに何度も呼ばれた「ルーク」という音の響きが、胸の奥で心地よいビートを刻んでいた。


俺の肉体はまだ幼く、これから先、どのような人生を歩むことになるのかは分からない。

前世ほどの才能がこの身にあるのか、あるいはまた何らかの形で魔術の道に進むことになるのか、今の段階では予測もつかない。


だが、ひとつだけ確信していることがある。

もし仮に、今世の俺が再び大きな力を持ち、周囲から何らかの肩書きで呼ばれるようなことがあったとしても、俺はもう、前世のように壊れてしまうことはないだろう。


なぜなら、俺の根底には、すでに彼女が植えつけてくれた「ルーク」という本物の名前の温度があるからだ。

どれだけ世界が俺に別の役割を押し付けようとも、彼女が「ルーク!」と呼んでくれる限り、俺はただの俺でいられる。あのひだまりのような安心感の中に、いつでも帰ってくることができる。


翌朝、目が覚めると、窓の外は雲ひとつない快晴だった。

庭に出て、冷たい朝の空気を胸いっぱいに吸い込んでいると、案の定、生垣の向こうから聞き慣れた足音が近づいてくるのが分かった。


タッタッタ、と軽快な足音。

そして、待ちきれないとばかりに、その声が響く。


「ルーク! おはよう!」


生垣から顔を出したオリヴィアは、今日も昨日と変わらない、まばゆいばかりの笑顔を浮かべていた。


俺は一呼吸置き、自分の胸の奥にある温かい塊を、今度はしっかりと形にするように、喉と舌を慎重に動かした。

もう、もつれることも、怯えることもない。


「……おはよう、オリヴィア」


まだ少しぎこちないけれど、昨日よりもずっと明確に、彼女の名前を呼び返した。


オリヴィアの瞳が、驚きと、それから弾けるような喜びで大きく見開かれる。

「あ! 今、すっごく上手に言えた! ルーク、もう一回! もう一回言って!」


嬉しそうに生垣を回り込んで、こちらへと駆け寄ってくる少女を見つめながら、俺は小さく微笑んだ。

これから先、彼女の名前を何千回、何万回と呼ぶことになるのだろう。そして、彼女もまた、俺の名前を同じくらい呼んでくれるはずだ。


そのたびに、俺はこの世界に生きている実感を、その「ここにいていい」という確信を、深めていくに違いない。

心地よい風が、俺たちの間を吹き抜けていった。その風すらも、今はひどく温かく感じられた。

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