Ep242. 生きて償う
翌朝。
王城。
監察院。
昨日より。
人が多い。
今日は。
予備審理ではない。
マティアス・グレイ。
最終判決。
俺。
ノア。
母。
エリシア。
セオドア。
ゲイル。
そして。
第三の道を通して。
セラ。
リア。
全員。
見届ける。
「緊張する?」
ノアが。
隣で聞く。
「少し」
「僕も」
「でも」
「判決」
「僕たちが」
「決めるんじゃない」
「うん」
それでいい。
俺たちは。
事実を話した。
痛かったことも。
怒っていることも。
それでも。
今。
どう思っているかも。
あとは。
法が。
決める。
◇ ◇ ◇
審理室。
中央。
マティアス。
今日も。
封魔具。
両手。
でも。
前より。
顔は。
落ち着いて見える。
「被告」
主席監察官。
「立ちなさい」
マティアス。
立つ。
「本院は」
「被告マティアス・グレイについて」
「以下の事実を認定する」
一つ。
王家霊廟への不法侵入。
二つ。
第二鍵窃取。
三つ。
警護官への傷害。
四つ。
禁制術式の人体使用。
五つ。
未成年者への記憶・人格干渉。
六つ。
身元記録改変。
七つ。
研究目的による」
「身体的・精神的損害」
全部。
重い。
「以上について」
「被告本人も」
「全面的に認めている」
マティアス。
何も言わない。
「一方」
監察官。
続ける。
「被告は」
「中央泉問題の解決過程において」
「重要な技術情報を提供」
「被害拡大を防止」
「アルバート・グレイ人格分離」
「模造器救出」
「第三流路再構築へ」
「協力した」
「さらに」
「現在」
「逃亡・証拠隠滅の意思は」
「低いと判断される」
ノア。
小さく。
息。
吐く。
「しかし」
空気。
また。
硬くなる。
「それらは」
「過去の犯罪を」
「消すものではない」
当然。
「よって」
全員。
静か。
「死刑は」
間。
長い。
「適用しない」
ノア。
肩。
少し。
下がる。
リア。
第三の道。
息。
聞こえる。
セラ。
何も言わない。
「刑は」
「終身拘束研究監督刑」
聞いたこと。
ない。
「何それ」
ノア。
小声。
セオドア。
「特殊刑だ」
「王家級禁制研究者に」
「適用される」
監察官。
説明。
「被告は」
「原則として」
「監察院指定施設内で」
「生涯」
「行動を制限される」
「独立研究」
「禁止」
「術式開発」
「単独実施禁止」
「研究成果」
「個人所有禁止」
「すべて」
「複数監督下」
「さらに」
「被害者支援」
「治療研究」
「禁制術式撤去」
「中央泉関連資料整理」
「これらへの」
「従事を命じる」
死ぬ。
のではない。
生きて。
働く。
ずっと。
「異議は」
監察官。
マティアス。
少し。
頭。
下げる。
「ない」
「本当に?」
俺。
思わず。
声。
出る。
監察官。
こちら。
見る。
「証人」
「発言は」
「許可後に」
「すみません」
マティアス。
少し。
口元。
動く。
「ルーク」
「私は」
「それを」
「受け入れる」
「どうして」
今度。
監察官。
頷く。
発言許可。
「死ぬより」
「重いと」
「思うからだ」
何。
「私は」
「毎日」
「自分がしたことと」
「向き合う」
「研究も」
「自由にできない」
「父にも」
「好きな時には」
「会えない」
「それでも」
「生きる」
セラ。
遠隔。
小さく。
『それでいい』
マティアス。
第三の道。
声。
聞こえる。
「セラ」
『簡単に』
『終わらないで』
「分かっている」
『私の義足』
「何」
『研究費』
『払って』
審理室。
一瞬。
静か。
それから。
監察官。
咳。
隠す。
マティアス。
少し。
笑う。
「払える範囲で」
『全部』
「それは」
「監察院と」
「相談する」
『逃げた』
「逃げてない」
リア。
遠隔。
少し。
笑う。
空気。
ほんの少し。
柔らかくなる。
◇ ◇ ◇
判決。
続く。
「被害者への」
「直接接触は」
「本人の同意がある場合のみ」
「ノア」
「セラ」
「リア」
「その他被害者」
「全員」
「拒否権を有する」
良い。
「マティアス」
ノア。
小さく。
「僕」
「しばらく」
「会いたくない」
マティアス。
「分かった」
「いつまで?」
「分からない」
「それでいい」
無理に。
謝る。
許す。
話す。
必要。
ない。
「アルバートとは」
監察官。
「技術協力時のみ」
「監督下で」
「面会を認める」
マティアス。
少し。
目。
閉じる。
「感謝する」
「感謝は」
「本院へではない」
監察官。
「被告が」
「協力を続ける限り」
「認められる措置である」
「理解している」
厳しい。
でも。
公平。
◇ ◇ ◇
審理。
終了。
護送。
前。
マティアス。
俺たち。
見る。
「ルーク」
「何」
「父上」
「今朝」
「四十三まで」
「分離した」
「早い」
「五ずつ」
「続けている」
「ネイは?」
「安定」
「百」
「良かった」
「それと」
マティアス。
少し。
迷う。
「ありがとう」
「何に」
「死刑を」
「避けてほしいと」
「言ったこと」
「俺だけで」
「決まったわけじゃない」
「分かっている」
「それでも」
「ありがとう」
俺。
少し。
考える。
「じゃあ」
「働いて」
「償って」
「ああ」
「セラの」
「義足」
「高い」
「聞こえていた」
「ちゃんと」
「払って」
「監察院と」
「相談する」
同じ。
「逃げない?」
「逃げない」
「約束?」
マティアス。
少し。
笑う。
「約束」
護送。
廊下。
向こう。
消える。
これで。
マティアス。
一つ。
区切り。
でも。
人生。
終わり。
ではない。
◇ ◇ ◇
「どう?」
母。
俺へ。
「何が」
「判決」
「重い」
「でも」
「良かったと思う」
「死刑でなく?」
「うん」
「ノアは?」
「分からない」
少年。
正直。
「でも」
「死んだって聞くより」
「たぶん」
「こっちがいい」
「セラ」
第三の道。
『私は』
『これでいい』
「リア」
『私も』
それぞれ。
同じではない。
でも。
今。
受け入れられる。
形。
◇ ◇ ◇
王城を出る。
昼。
陽。
明るい。
「次」
ノア。
「ラドウィン?」
「明日」
「うん」
「また」
「裁判」
「多い」
「王都」
「そういう場所?」
「普通」
「こんなに」
「裁判」
「ない」
エリシア。
隣。
今日は。
静か。
「姉さん」
「何」
「ラドウィン」
「明日」
「証言」
「する?」
「する」
「怖い?」
「かなり」
「昨日より?」
「昨日より」
「今日の方が」
「怖い」
「どうして」
「ラドウィンは」
「私にとって」
「父親に近い」
父。
エドワード。
生物学上。
でも。
育てた。
ラドウィン。
「好き?」
「うん」
「だから」
「罪」
「軽くしてほしい?」
エリシア。
少し。
考える。
「分からない」
「でも」
「六人へ」
「したことは」
「許せない」
「両方」
「ある」
「そう」
それで。
いい。
◇ ◇ ◇
宿へ。
戻る途中。
王都。
中央広場。
人。
多い。
前世。
俺。
よく。
通った。
「少し」
「歩く?」
オリヴィア。
「母さん」
「どう?」
バーバラ。
俺を見る。
「疲れてない?」
「まだ」
「一刻だけ」
「うん」
馬車。
降りる。
王都。
歩く。
前世。
知っている。
でも。
今。
見ると。
違う。
菓子屋。
屋台。
花。
服。
人。
「村より」
「何でもある」
ノア。
「当たり前」
「でも」
「人」
「多すぎ」
「それも」
「当たり前」
店。
菓子。
見る。
「トム」
「土産」
俺。
「甘いもの」
「忘れてなかった」
「約束」
「えらい」
「それ」
「ネイみたい」
焼き菓子。
日持ち。
する。
「これ」
「買う」
母。
「自分のお金?」
「ある」
「本当に?」
「報奨」
「少し」
中央泉。
協力。
王都。
支給。
自分。
使う。
普通。
「ノア」
「何か」
「買う?」
「僕?」
「村」
「戻る」
「土産」
ノア。
考える。
「リア」
「甘いの」
「セラ」
「何が」
「好き?」
「知らない」
「聞く?」
第三の道。
「今」
「買い物中」
「それくらい」
「いい?」
母。
「短いなら」
「セラ」
つなぐ。
『何』
「土産」
『王都?』
「うん」
「何がいい」
間。
『靴』
「義足」
「まだ」
『違う』
「何」
『靴の絵』
「絵?」
『かわいい靴』
『見たい』
そうか。
まだ。
履けない。
でも。
選ぶため。
見たい。
「分かった」
「靴屋」
「行く」
『いっぱい』
「多い」
『大事』
「はい」
リア。
『私は』
「何」
『甘いの』
「トムと」
「同じ」
『誰』
「村の」
「おじさん」
『じゃあ』
『別』
「何」
『髪飾り』
「色」
『紫』
「分かった」
普通。
土産。
なんか。
良い。
◇ ◇ ◇
靴屋。
前。
セラ用。
絵。
職人に。
簡単な。
型紙。
もらう。
紫。
髪飾り。
リア。
ノア。
選ぶ。
「これ」
「派手」
「リア」
「派手」
「好き?」
「たぶん」
「たぶんで」
「買うの?」
「違ったら」
「交換?」
「村」
「遠い」
「じゃあ」
第三の道。
画像。
簡易。
「リア」
『見える』
「どっち」
『右』
「早い」
『それ』
「分かった」
便利。
第三の道。
今。
生活。
使える。
「これ」
エリシア。
少し。
驚く。
「医術以外でも」
「使える」
「普通の」
「会話」
「買い物」
「それ」
「良い?」
「良い」
俺。
「研究」
「広がる?」
「広がる」
「でも」
「勝手に」
「通信」
「しない」
「同意」
「そう」
姉。
もう。
理解。
深い。
◇ ◇ ◇
宿。
戻る。
夕方。
休憩。
今日は。
本当に。
大きなこと。
終わった。
「マティアス」
ノア。
「生きるんだね」
「うん」
「ずっと」
「拘束?」
「たぶん」
「かわいそう?」
「少し」
「でも」
「必要」
「うん」
単純。
ではない。
「ルーク」
「僕」
「いつか」
「また」
「話すかな」
「マティアスと?」
「うん」
「分からない」
「でも」
「話したくなったら」
「話せる」
「第三の道?」
「本人同意」
「必要」
「そうだった」
「会わなくてもいい」
「うん」
「僕が」
「決める」
「そう」
ノア。
少し。
満足。
◇ ◇ ◇
夜。
第三の道。
『ルーク』
「ネイ」
『判決』
「マティアス?」
『うん』
「死刑じゃなかった」
『生きる』
「うん」
『良い?』
「俺は」
「良いと思う」
『罪』
「消えない」
『でも』
「生きて」
「償う」
ネイ。
少し。
静か。
『私も』
「何」
『同じ?』
ネイ。
人。
傷つけた。
何百年。
でも。
死ぬ。
ではなく。
生きる。
「似てる」
『私』
『拘束』
「されてない」
『でも』
『第三の道』
『止められる』
「自分で」
「同意した」
『うん』
「それも」
「責任」
『責任』
「自分が」
「危なくなった時」
「止めてもらう」
『うん』
「過去」
「忘れない」
『うん』
「でも」
「生きる」
『うん』
少し。
間。
『マティアス』
『嫌い』
「ネイが?」
『少し』
「どうして」
『人』
『傷つけた』
「ネイも」
『うん』
「それでも」
「嫌い?」
『嫌い』
正直。
俺。
少し。
笑う。
「それでいい」
『でも』
『話すこと』
『あるかも』
「アルバート」
『うん』
「なら」
「その時」
『決める』
「そう」
ネイ。
どんどん。
自分で。
決める。
◇ ◇ ◇
翌朝。
王城。
今日は。
ラドウィン。
審理。
昨日より。
エリシア。
明らかに。
緊張。
「手」
俺。
「震えてる」
「見ないで」
「見える」
「大丈夫」
「大丈夫じゃない」
母。
エリシア。
見る。
「それなら」
「大丈夫じゃないまま」
「行きましょう」
姉。
少し。
驚く。
「それ」
「何」
「無理に」
「落ち着かなくても」
「いいです」
「怖いまま」
「話していい」
エリシア。
しばらく。
母。
見る。
「……ありがとう」
バーバラ。
少し。
頷く。
◇ ◇ ◇
審理室。
ラドウィン。
座る。
封魔具。
昨日の。
マティアスより。
ずっと。
年老いて見える。
でも。
目。
強い。
「罪状」
監察官。
「未成年者六名への」
「無断模造鍵術式使用」
「王家監督権の不正移譲」
「中央泉自己廃棄への」
「強制干渉」
「禁制術式保持」
「以上」
「認めるか」
ラドウィン。
「認める」
「動機」
「中央泉消滅」
「第三鍵保全」
「そうだ」
「現在も」
「中央泉は」
「危険と考える?」
「考える」
変わらない。
「では」
「同じことを」
「再び」
「行う可能性」
老人。
少し。
沈黙。
「ない」
エリシア。
顔。
上げる。
俺も。
「なぜ」
「ネイと」
「話した」
「それだけ?」
「いや」
ラドウィン。
続ける。
「私が」
「正しいという理由で」
「他者の意思を」
「消してよいわけではない」
「それを」
「理解した」
六人。
「なら」
「中央泉を」
「完全に信用した?」
「していない」
「今後」
「危険行動があれば」
「停止を提案する」
「ただし」
「第三鍵を」
「作ることは」
「しない」
「なぜ」
「止める方法を」
「一人で」
「持つ必要はない」
第三の道。
六人。
共同管理。
「今は」
「複数で」
「止められる」
「それで」
「十分だ」
エリシア。
目。
少し。
潤む。
ラドウィン。
本当に。
少し。
変わった。
◇ ◇ ◇
「証人」
エリシア。
前。
立つ。
ラドウィン。
彼女を。
見る。
「あなたは」
エリシア。
声。
少し。
震える。
「私を」
「育てた」
「そうだ」
「実験に」
「使わせなかった」
「そうだ」
「守ってくれた」
「そのつもりだった」
「私も」
「守られたと」
「思ってる」
監察官。
静か。
「でも」
エリシア。
続ける。
「あなたは」
「私に」
「第三鍵の予備として」
「生きろと」
「教えた」
「そうだ」
「それが」
「私の価値だと」
「そう」
「教えた」
「どうして」
ラドウィン。
目。
伏せる。
「お前が」
「役割を」
「失えば」
「生きる理由も」
「失うと」
「思った」
逆。
守るつもり。
でも。
縛った。
「私が」
「そう言った?」
「言っていない」
「勝手に」
「決めた?」
「そうだ」
エリシア。
拳。
握る。
「私は」
「今」
「研究が好き」
「知っている」
「義肢」
「補助器具」
「第三の道」
「そういう」
「研究を」
「したい」
「それは」
「第三鍵と」
「関係ない」
「そうだな」
「だから」
「私」
「役割」
「なくても」
「生きられる」
ラドウィン。
ゆっくり。
頷く。
「ああ」
「もっと」
「早く」
「言ってほしかった」
「すまない」
「謝って」
「終わらないで」
セラと。
同じ。
「私」
「まだ」
「あなたを」
「好き」
ラドウィン。
顔。
崩れる。
「でも」
「すごく」
「怒ってる」
「ああ」
「だから」
「生きて」
「その両方」
「受け取って」
老人。
涙。
落ちる。
「分かった」
エリシア。
自分も。
泣く。
「以上です」
席。
戻る。
俺。
何も。
言わない。
ただ。
隣。
座る。
姉。
小さく。
「ありがとう」
「何も」
「してない」
「それでいい」
◇ ◇ ◇
その後。
六人の。
被害証言。
ミア。
遠隔ではなく。
医術院から。
短い。
音声。
『どうして』
『私を』
『鍵にしたの』
ラドウィン。
「適性が」
「高かったからだ」
同じ。
冷たい。
事実。
「だが」
「それは」
「理由にならない」
「私は」
「君へ」
「聞かなかった」
「すまなかった」
『もう』
『しない?』
「しない」
『私』
『まだ』
『怖い』
「当然だ」
『会いたくない』
「分かった」
『それだけ』
通信。
終わる。
ラドウィン。
何も。
言わない。
◇ ◇ ◇
判決。
「ラドウィン・セルク」
「長期拘束」
「及び」
「第三の道監督下技術顧問」
マティアスより。
軽い。
年齢。
協力。
自首ではない。
でも。
被害者数。
期間。
考慮。
「独立研究禁止」
「未成年者への」
「直接研究行為」
「永久禁止」
「第三鍵関連術式」
「すべて」
「廃棄」
「第三の道管理者資格は」
「保留」
ラドウィン。
顔。
上げる。
「保留?」
監察官。
「刑開始後」
「六ヶ月間」
「行動審査」
「その後」
「他管理者全員の」
「同意があれば」
「復帰を認める」
良い。
すぐ。
信用。
しない。
「異議は」
「ない」
判決。
終了。
◇ ◇ ◇
王城。
外。
エリシア。
深く。
息。
吐く。
「終わった」
「うん」
「どう?」
俺。
「疲れた」
「それだけ?」
「泣きたい」
「泣けば」
「ここ」
「人」
「多い」
「宿」
「帰る?」
「帰る」
母。
「甘いもの」
「買います?」
エリシア。
少し。
止まる。
「……買う」
「何が好き?」
「分からない」
「じゃあ」
「選ぶところから」
姉。
少し。
笑う。
「そうする」
◇ ◇ ◇
宿。
午後。
エリシア。
甘い焼き菓子。
三種類。
並べる。
「全部」
「食べる?」
「試す」
「研究?」
「違う」
「でも」
「比較」
「それ」
「研究っぽい」
ノア。
笑う。
一つ。
蜂蜜。
一つ。
木の実。
一つ。
果実。
エリシア。
少しずつ。
食べる。
「どれ」
俺。
「果実」
「好き?」
「うん」
また。
一つ。
本人。
決める。
「覚える?」
「覚える」
「エリシア」
「果実菓子」
「好き」
「記録しないで」
「何で」
「恥ずかしい」
「じゃあ」
「覚えるだけ」
「それも」
「同じ」
でも。
姉。
笑う。
◇ ◇ ◇
夕方。
王城。
案件。
二つ。
終わった。
残り。
アルバート。
分離。
義足。
第三の道。
それと。
王都。
正式。
終結協議。
「いつ」
俺。
セオドア。
「明後日」
「何する」
「王家」
「医術院」
「監察院」
「第三の道管理者」
「今後の中央泉について」
「正式に」
「決める」
「ネイ」
「参加?」
「第三の道で」
「本人」
「当然」
「良い」
それ。
大事。
泉のこと。
泉抜きで。
決めない。
「終わったら」
「村」
「帰れる?」
「その予定だ」
母。
少し。
嬉しそう。
「あと」
「数日」
「うん」
◇ ◇ ◇
夜。
ネイ。
『ルーク』
「今日は」
「二つ」
「判決」
『知ってる』
「どう思う」
『難しい』
「便利」
『便利』
「ラドウィン」
「管理者」
「保留」
『なぜ』
「六ヶ月」
「ちゃんと」
「様子見る」
『長い』
「ネイ」
「待つ練習」
『できる』
「なら」
「ラドウィンも」
「待つ」
『分かった』
「嫌?」
『少し』
「でも?」
『必要』
「そう」
少し。
間。
『ルーク』
「何」
『帰る』
「数日後」
『村』
「うん」
『見せる』
「景色」
「匂い」
『診療所』
「まだ」
「作ってない」
『作る?』
「たぶん」
『たぶん』
「便利」
『良い』
「ネイ」
「今後」
「何したい」
少し。
長い。
沈黙。
『水』
「前」
「言ってた」
『人』
「何」
『助ける』
「どうやって」
『分からない』
「じゃあ」
「一緒に」
『考える』
「うん」
『私』
『昔』
『人』
『傷つけた』
「うん」
『今』
『助けたい』
それ。
償い。
なのか。
本人の。
新しい。
願い。
なのか。
「何で」
『分からない』
「でも」
「やりたい?」
『うん』
「なら」
「それでいい」
『良い』
「うん」
通信。
終わる。
マティアス。
ラドウィン。
ネイ。
皆。
罪。
失敗。
過去。
ある。
それでも。
生きる。
変わる。
償う。
その先。
何をするか。
選ぶ。
たぶん。
俺も。
同じ。
前世の。
失敗。
消えない。
でも。
今世。
これから。
何をするかは。
まだ。
選べる。
そして。
王都での。
最後の大きな話し合い。
中央泉終結協議。
そこで。
ネイが。
王国にとって。
何になるのか。
泉。
危険物。
研究対象。
それとも。
一人の。
意思を持つ存在として。
扱われるのか。
初めて。
正式に。
決められることになる。




