【第41話】県大会準決勝 その2
ジャイロセンサーによる回避能力の強化はウミの戦いかたと相性がよかった。
その後も西の烈火のごとき攻撃をかわす。かわす。かわす!
「ウミちゃん、君がここまでやるとは予想外だったよ。」
西は右足でミドルキックを放ってきた。
装着型ロボット、メテオで加速された超威力の蹴りだが、大振りだった。
さすがに疲労で集中力を欠いたのか。
ウミはその隙を見逃さなかった。
蹴りをもらいつつ、ジャイロセンサーを利用して体を蹴られた方向に自らずらし威力を半減。
そのまま西の右足を腕で抱きかかえた。
「つかみ。空手にはないけど、ロボコンではありでしょ。
これを…… こう!」
ウミは抱きかかえた右足を押し付けるようにして西に向かって突進。
人体の構造上、相手は後ろに倒れるしかない。
はずだった。
「惜しい。僕じゃなかったら倒せてたよ。」
西の右足が、根元から外れた。
西は体を横にそらしてウミをかわし、ウミはそのまま勢い余って自ら地面に倒れ込む。
起き上がろうとするウミの足を、西がつかんだ。
「つかみってのはいい発想だね。これならジャイロセンサーでかわされることもない。」
西は左足一本で立っていた。
右足は義足。丸ごとロボット化されていたのだ。
「おお、西アスナ二年生!
自分の体をロボット化とは…… 敵ながらあっぱれ!」
「そんなこと言ってる場合ですか。ウミちゃんがピンチですよ!」
西の姿を見て、機堂の陣営がざわめく。
「まあ、きっかけは病気だったんだけど、僕にはメテオがあったし、ちょうどよいかなとも思った。」
西はウミの足を引っ張って体を持ち上げると、そのまま地面に叩きつけた。
ウミは腕で頭のコアを死守。
だが、再び足を引っ張られ、体は宙を舞う。
「本当は岩田と戦いたかった。
ウミちゃん、妹の君では物足りない。残念だよ。」
ウミは再度地面に叩きつけられ、また宙に持ち上げられる。
だが、三度叩きつけられる前にウミは近くの木にしがみつく。
思いがけぬ事態に、片足立ちだった西はバランスを崩し倒れる。
ウミはその隙に木の上へと身を隠す。
西は起き上がって、自分の右足を拾うと付け直した。




