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【第40話】県大会準決勝 その1

準決勝の会場のモチーフは森だった。

広さはそれほどではないが、背の高い木が並んでいる。

その前に岩田(がんだ)ウミと西アスナ、機堂(きどう)と慈恩(じおん)両校の選手はいた。


「ウミちゃん、逃げなかったんだね。

 岩田の妹に怖い思いをさせたくなかったけど。」

「相手が自分より強そうだからって、逃げるわけにはいきません。」

「君はやっぱり空手が向いてるよ。

 逆に言うと、このロボコンで岩田の代わりは無理だ。」

「…… あたしは、あたしです。」

「オーケー。じゃ、始めようか。」


ウミ、アスナ両名とも自陣に戻り、ロボットを装着する。


「君のロボットはツキカゲだっけ?

 僕のロボットはメテオというんだ。」

「…… めてお?」

「英語で隕石のことだけど、とあるゲームの最強魔法なんだ。

 強そうだろ?」


ヘッドギアと手足のサポーターを付けて、二人は試合会場の森の真ん中で再び向き合う。


「…… ふぁいッ!」


試合開始のアナウンスと同時にウミはアスナの頭部のコアめがけてまっすぐに上段蹴りを放った。

だがアスナは蹴りをかわさず、逆に距離を詰めて蹴りを体で受ける。


「うん、体格で勝る相手から先手必勝するにはいい手だ。

 僕には効かないけど。」


アスナはそのままの勢いでタックル。肩からウミに突っ込んできた。

ウミはアスナの肩に手を突くと逆立ちするように足を上に向けてジャンプ。タックルをかわす。


「おおっ、いつの間にそんな動きを…… これは恐れ入った。」


アスナは言いながら、ウミが着地したほうに向きなおす。

よく見るとウミは見慣れないベルトを付けていた。ツキカゲの新パーツのようだ。


「ジャイロセンサーを使った姿勢制御…… うまく行っているみたいですね!」


機堂の陣営でメカニックの江波(えば)ツキ子が安どの声を上げる。

ジャイロセンサーは回転量がわかるセンサーだ。

これでウミの姿勢を検出し手足の動きをサポートすることで、

体操選手のようなアクロバティックな動きを可能にした。


「なにやら対策してきたみたいだけど、逃げているだけじゃ勝てないよ!」


アスナは再びウミとの距離を詰めると、両手でパンチのラッシュをしてきた。

まさに隕石群のような攻撃だ。

ウミは必死に攻撃をさばくが、無数の攻撃の一発を体に被弾。

装着型ロボットに強化されたパンチにより、ウミの体が後ろに吹き飛ぶ。

しかしアスナの手には違和感。軽すぎる。


「もしかして、そのベルト…… ずるくない?」


パンチを受けたときの体の振動をジャイロセンサーが検出、直ちに自ら後方に飛ぶよう地面を蹴ったのだった。


「へへっ、西さん…… 空手の技じゃ、あたしを倒せないかもしれませんよ?」

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