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推し活OLと天然副社長の溺愛勘違いLOVE  作者: 玲宏 優裕
第4章:告白と溺愛のハッピーエンド
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エピローグ2:神宮寺家の平穏な(?)休日。――小さな「神ビジュアル」にさえ、旦那様(似)は嫉妬しています

 神宮寺本邸。かつて「推し活の聖域」としてリフォームされた広大なリビングは、今、少しだけ様子が変わっていた。

 4K巨大モニターに映っているのは、SOLARISのライブ映像ではない。……知育アニメだ。


「……パパ! またママを独り占めしてる! 離して!」


 私のスカートを一生懸命引っ張っているのは、三歳になる息子のれん

 ……絶景。……KYLOカイロ様とみなとさんを足して二で割ったような、将来が不安になるほどの「天使すぎる幼児の推し顔」の供給。


「……嫌だ。……花音は俺の妻だ。……たとえ息子であっても、彼女の膝の上を占拠することは許さない」


 湊さんは、三歳児を相手に本気の冷徹な瞳を向け、私を背後からガッチリとバックハグで固定していた。

 ……供給。……父親になっても一ミリも独占欲が衰えない、三十代後半の「円熟味を増した支配者の推し顔」の供給。


(……湊さん。息子相手に、本気で火花を散らさないでください……っ!)


「……花音。……こいつは将来、KYLOカイロのように世界中の女を惑わす顔になる。……今のうちに、母親(君)だけは俺のものだと教育しておかなければならん」


「……湊さん、教育の方向性が、またしても斜め上です……っ!」


 その時、リビングの窓から、派手なカラーリングのヘリが庭園に着陸した。

 降りてきたのは、ワールドツアーの合間を縫って現れた、叔父のKYLOカイロ(本物)様だ。


「……やあ、蓮! 叔父さんだよ! ……おや、兄さん、また花音を困らせてるの?」


 KYLOカイロ様は蓮をひょいと抱き上げると、私にウィンクを投げた。

 ……絶景。……「世界的スター」と「世界的支配者」と「未来の王」が、狭い(といっても百畳ある)リビングに集結している。


「……KYLOカイロ、アポなしで来るな。……花音の視界に余計な『顔』を入れるなと言っただろう」


「……兄さん、心が狭いねえ。……花音、今度のライブ、蓮も一緒にVIP席で招待するよ。……もちろん、兄さんは仕事で来られない日の公演にね」


(……喧嘩しないで! 私の心臓が、供給の過積載で止まっちゃう!!)


 湊さんは不機嫌そうに舌打ちをすると、私を抱きかかえ、そのまま寝室へと向かうように二人の「顔」から遠ざけた。


「……湊さん、まだお昼ですよ!? 皆さんが……っ!」


「……構わん。……君の瞳に映るのは、俺だけでいい。……息子も、弟も、画面の中の虚像も、すべて俺の愛で塗りつぶしてやる。……覚悟しろ、神宮寺花音」


 湊さんは私の耳たぶを甘く噛み、そのまま深い、深い、生涯変わることのない「上書き」の口づけを落とした。

 ……天然。彼は「家庭の平和」を守っているつもりだろうが、その行動は、一秒たりとも私を外の世界へ渡さないという、狂気的なまでの「終身溺愛」の継続だった。


(……ひ、ひいいいっ! 名字が変わって数年経っても、溺愛の包囲網が『銀河規模』で拡大し続けてるぅぅぅ!!)


 神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「次世代」さえも自分の惚気のろけのスパイスに変えてしまった。

 私の『元・推し活OLライフ』は、ついに『三人の神(似)に囲まれ、世界一過保護な檻の中で、永遠に愛され続ける』という、全人類が前世で全並行宇宙の平和を永久に確定させたとしても体験できない「伝説のハッピーアフター」へと、今なお更新され続けているのだった。

あとがき:推しへの愛が、一生モノの「溺愛」に変わるまで


 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

 本作は、一人の地味なOL・瀬戸花音が、画面の中の「偶像」ではなく、目の前に現れた「実写版」の男、神宮寺湊に人生を丸ごと上書きされてしまう物語でした。

 物語の出発点は、「もし、推しと全く同じ顔をした男が、自分を狂信的に愛してくれたら?」という、オタクなら一度は夢見る妄想でした。しかし、書き進めるうちに、湊という男の「天然な傲慢さ」は私の想像を超え、ついには世界を買い取り、宇宙に星を刻み、挙句の果てには実の弟(本物の推し)とヒロインを奪い合うという、前代未聞のスケールへと暴走していきました。

 読者の皆様には、花音と一緒に、心臓がいくつあっても足りないほどの「供給」と、逃げ場のない「独占欲」の荒波を楽しんでいただけたなら幸いです。

 恋愛は、相手を「推す」ことから始まります。

 けれど、湊と花音が証明してくれたのは、その「推し」が自分だけの「現実リアル」になった時、世界はどんな映画やMVよりも輝き、甘く、そしてちょっぴり重苦しい(!)幸せに満たされるということでした。

 神宮寺家の「上書き」の魔法は、これからも二人の間で永遠に続いていくことでしょう。

 そして、この物語を一緒に紡いでくださった「あなた」の毎日にも、推しからの供給のような、最高のトキメキが訪れることを願って。

 また、別の物語、別の愛のカタチでお会いしましょう。


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