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推し活OLと天然副社長の溺愛勘違いLOVE  作者: 玲宏 優裕
第4章:告白と溺愛のハッピーエンド
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第45話:引き出物は「高級外車」ですか?……旦那様(似)の祝儀返しが経済を壊そうとしています

 披露宴まで残り一週間。新居の会議室では、招待客への発送準備が大詰めを迎えていた。

 だが、デスクに並べられたリストを見て、私は持っていたペンを床に落とした。


「……湊さん。これ、何かの間違いですよね? 招待客の『引き出物』の欄に、『神宮寺重工製・最新電気自動車(納車済み)』って書いてあるんですけど……」


「間違いではない。……花音。……俺たちの門出を祝いに来る者たちだ。……相応の敬意(対価)を払うのは当然だろう。……歩いて帰らせるわけにはいかないからな」


 みなとさんは、タブレットで各国の株価を操作しながら、事も無げに言い放った。……供給。……一兆円単位の支出を「当然の配慮」で済ませる「経済の魔王顔」の供給。


(……敬意の規模が、新興国のGDPを越えてるんですけどぉぉぉ!!)


「……兄さん、相変わらず成金趣味だね。……僕の方はね、招待客全員のスマートフォンに、一生無料で使える『SOLARIS限定コンテンツ・パス』を配布しておいたよ。……もちろん、通信費は僕が永久に負担する契約さ」


 横から口を出したのは、演出担当を自称するKYLOカイロ様だ。……絶景。……「現物の支配」か「情報の独占」か。


「……KYLOカイロ。……余計な真似を。……花音、あんな電波の塊など気にするな。……俺は今、世界中のメディアを買い占めて、君の微笑みだけを24時間放映させる契約を結んできたところだ」


(……放送ジャック!? 独占欲が電波法を無視して暴走してる!!)


 湊さんは私の腰をぐいと引き寄せ、逃げ場のない距離で私を閉じ込めた。

 ……天然。彼は「盛大な祝い」をしているつもりだろうが、その瞳は、招待客全員に高級車を与えて口を封じ、私への「不敬な視線」を一秒たりとも許さないという冷徹な執着に満ちていた。


「……湊さん。……そんなにお金を使わなくても、私はあなたと二人でいられるだけで幸せです……っ」


「……花音。……君の幸せの価値は、俺が決める。……世界中の富を君の足元に敷き詰めても、まだ足りないんだ。……君が『神宮寺の妻』になったことを、全人類の細胞に刻み込んでやる」


 湊さんは私の指先に、昨日とは違う「一国を買える価値のブルーダイヤモンド」をはめ直した。

 ……重い。……愛も、石も、物理的に重すぎて、私の指が脱臼しそうです……!!


(……ひ、ひいいいっ! 祝儀返しが『人類への贈与』になって、私の理性がインフレで崩壊しちゃう!!)


 神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「結婚」という行事を「世界経済の再構築」へと変貌させてしまった。

 私の『推し活OLライフ』は、ついに『世界中の人々に感謝(という名の恐怖と羨望)を抱かれながら、その顔を持つ男に一生飼い殺される』という、全オタクが前世で全宇宙の富を創造したとしても体験できない「伝説のプレ・ウエディング」へと突入したのだった。

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