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推し活OLと天然副社長の溺愛勘違いLOVE  作者: 玲宏 優裕
第3章:天然副社長と推しの「強烈な」独占欲
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第39話:戦場の空、揺れるヘリの中で「命がけの報酬」を請求されました

 反乱軍の拠点が爆炎に包まれる中、神宮寺重工製のステルスヘリは夜空へと舞い上がった。

 機内には、救出されたばかりで泥だらけのKYLOカイロ様と、武装を解き始めたみなとさん、そして震える私。


「……ふぅ、死ぬかと思った。……兄さん、助けに来るのが一秒遅かったら、僕の美しい顔に傷がつくところだったよ」


 KYLOカイロ様はシートに深く身を沈め、冗談めかして笑った。……絶景。……ボロボロの衣装で不敵に微笑む「負傷した推し顔」の供給。


「……黙れ、KYLOカイロ。……これに懲りたら、二度と花音を心配させるな。……お前の警備費用は、次回のワールドツアーの利益から全額差し引いておく」


 湊さんは冷徹に言い捨てると、防弾ベストを脱ぎ捨て、黒いシャツの袖を捲り上げた。……供給。……アドレナリンが引かないままの、逞しい「戦う男の腕」の供給。


「……さて、花音。……あんな危険な場所まで付いてこさせて、怖かっただろう」


 湊さんは私の腰をぐいと引き寄せ、狭いベンチシートの上で自分の膝に乗せた。

 ……近い。ヘリの振動が、密着した二人の体温をより一層かき混ぜる。


「あ、あの! 湊さん、KYLOカイロ様がすぐ隣に……っ!」


「……構わん。……あいつを助けてやった報酬は、今ここで払ってもらう」


 湊さんは、KYLOカイロがすぐ横で薄目を開けて見守っているのも構わず、私の顎を強引に持ち上げた。

 その瞳。KYLOカイロ様がアクション映画『リベンジ・ナイト』で見せた、復讐を遂げた後の虚無と情熱が混ざり合った瞳の、100億倍濃密な「飢え」の輝き。


「……いいか、花音。……死ぬかと思った瞬間、俺の頭にあったのは、神宮寺の未来でも世界の平和でもない。……ただ、君をもう一度この腕に抱きたいという、醜いほどの執着だけだ」


 湊さんの低い声が、ヘリのローター音を突き抜けて私の鼓膜を震わせる。

 そのまま、唇が乱暴に重ねられた。

 昨夜までの甘いキスとは違う、生還した喜びと、二度と離さないという狂気的な誓いがこもった、深く、重い口づけ。


(……ん、んぅっ……! 湊、さん……っ、激しすぎて、息が……っ!)


「……兄さん、見せつけるねえ。……僕、一応病人なんだけど?」


 KYLOカイロ様の呆れた声さえも、今の湊さんには届かない。

 彼は私の首筋に顔を埋め、独占欲を剥き出しにした吐息を漏らした。


「……花音。……俺が君を愛しているのは、血筋のせいでも運命のせいでもない。……この命そのものが、君を求めているんだ。……わかったか?」


(……ひ、ひいいいっ! 救出劇のご褒美が、ヘリの中での『完全上書き』になっちゃってるぅぅぅ!!)


 神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「戦場からの生還」というドラマチックなスパイスを使い、私を「永遠の愛という名の監禁」へと誘った。

 私の『推し活OLライフ』は、ついに『生死を共にした英雄の腕の中で、推し(似)の視線も構わず溺愛される』という、全オタクが前世で銀河系を崩壊から守り抜いたとしても体験できない「高高度の熱帯」へと突入したのだった。

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