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推し活OLと天然副社長の溺愛勘違いLOVE  作者: 玲宏 優裕
第3章:天然副社長と推しの「強烈な」独占欲
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第35話:空港に数万人の観衆。……隣の男(似)が「俺の王妃だ」と抱き上げました

 スイスからの凱旋帰国。成田空港の到着ロビーは、かつてないパニックに包まれていた。

 神宮寺財閥の全権を掌握した新社長・みなとさんの帰還。そして、そこに同行している「謎の婚約者」を一目見ようと、経済誌の記者からSOLARISのファンまでが雲霞うんかのごとく押し寄せていた。


(……う、嘘。出口が見えない。……これ、生身の私、生きて帰れますか……?)


 フラッシュの嵐と怒号のような歓声。足がすくむ私を、湊さんは迷いなくその太い腕で抱き寄せた。


「……花音。下を見るな。……俺の胸だけを見ていろ」


 湊さんは、完璧に仕立てられたイタリア製スーツを纏い、氷のような美貌で群衆を圧した。……供給。……数万人の視線を「黙れ」と言わんばかりの冷徹な眼差しで切り裂く、現役トップアイドル以上の「カリスマ推し顔」の供給。


 その時、混乱を鎮めるように、一人の男がSPを連れて現れた。

 サングラスを外し、不敵に微笑む――KYLOカイロ(カイロ)様だ。


「……みんな、静かに。……僕の大切な『兄さん』と、僕が世界で一番尊敬する『義姉さん』の帰りだよ。……道を空けてくれるかな?」


(……ぎ、義姉さん!? 推しに公衆の面前で『親族』扱いされたぁぁ!!)


 KYLOカイロ様の一言で、騒然としていたファンたちが一瞬で静まり返り、モーゼの十戒のように道が開かれた。


 ……絶景。……「経済の王」と「エンタメの王」が、私一人をエスコートするために並び立つ奇跡。

 湊さんはKYLOカイロに小さく頷くと、あろうことか、歩きづらそうにしていた私を「お姫様抱っこ」で軽々と抱き上げた。


「……湊さん!? みんな見てます! カメラ回ってますって!!」


「……見せておけ。……世界中に、君が誰に愛され、誰に守られているかを焼き付けてやるんだ」


 湊さんはそのまま、フラッシュを浴びながら悠然と歩き出した。

 彼の脳内では、【花音を自分の腕の中に閉じ込め、全人類に『手出し無用』と警告する】という、狂気的なまでの独占欲が完璧に履行されていた。


「……いいか、花音。……今日から、この国の空気すべてが、君を祝福するためにある。……君を否定する者は、俺とKYLOカイロが同時に地獄へ送ってやる」


(……ひ、ひいいいっ! 守護神が二人体制になって、過保護のレベルが地球規模になっちゃってるぅぅぅ!!)


 神宮寺湊の「天然な傲慢さ」は、ついに「世界的スターとのタッグ」により、私を「不可侵の聖域」へと押し上げた。

 私の『推し活OLライフ』は、ついに『推しの義姉になり、その顔を持つ支配者に一生抱き抱えられる』という、全オタクが前世で銀河系を十回救ったとしても体験できない「伝説の凱旋」を成し遂げたのだった。

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