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3の6 絶対に許さない

今回ちょっと刺激強いです

「ん……」


不思議な匂いを感じ、マールは薄らと目を開く、そこは見知らぬ天井だった。


「あー!?マーちゃん起きた??」


白い綿飴のような髪型のふわふわした少女の顔が視界に入る、魔法少女対策課の白石霧香だった。


「キリカ…?」


「待っててねー?」


マールが問いかける間も無く、霧香はマールの額に触れる。


「うん、もう疲労も残ってなさそう!」


疲労?マールは首を傾げると霧香は笑う。


「マーちゃん、倒れたんだよ??怪獣みたいないびきかいて寝てたんだからっ!!」


マールは身を起こす、まだ微睡の中にいる様だ、身体が重い…しかし、朝ほどではない。


「ボク…どれだけねてたの?」


マールは寝ぼける頭を叩いて起こしながらも、霧香に問いかけると、霧香はカロリーバーを差し出してきた。


「ありがとうキリカ!」


飛び起きたマールは即座にカロリーバーを受け取るなり、すぐさま包みを破って口に頬張る。そんなマールを見た霧香は満足そうな顔をしてゆっくりと腕のデジタル時計に目をやる、そして額のない彼女は指で数字を数える。


「んっとねー5時間?くらい!!!」


5時間?それがどれだけの時間が経過したのかはマールにはわからない、わずかな睡眠と食糧を得た事で微睡んでいた視界がゆっくりと広がっていくと、自分がキャンピングカーの中で寝ていた事を知る。


「ホンダがキャンピングカーをはこんでくれたんだよー?」


「ふうん…そうなんだ…」


マールはベッドから出ると外を見る。確かに外はA地区だ、グレンデルの襲撃を受けたのもあってか、簡易的なバリケードが設けられ、歩哨の隊員も立っている。


「そうだ!カイトは??夜までには来るって言ってたよね!?」


ハッとなり背後にいた霧香に問いかけながらカイトの臭いを探す。しかし、マールの鼻がカイトの存在を感知することはなかった


「カイトー?しらないよー?」


霧香の返答は平坦なものであり、その返答にマールは目を見開く。知らない?マールはすぐにキャンピングカーの外へと飛び出した。外は夕暮れ時、ゆっくりと闇が朱色の陽気を吸い取り世界を宵闇に染め上げようとしている。


「マーちゃん…せめて服は着よ?」


霧香はマールの衣服を手にのそのそと外に出てきた。


「おかしい…おかしい!…ね!カイトはどこ!?」


そんな霧香に弾ける勢いでマールは詰め寄ると、霧香は驚いた様子だった。手にしていたマールのショートパンツや上着を落としてしまう。


「お、おちついてよー!きりちゃん、ついさっききゅーけーもらって…今、まーちゃんの様子を見に来ただけだなんだよー…」


それを聞いたマールは激しく動揺していた。


「くっ!!!」


「ぎゃっ!!」


マールは唐突に霧香の手から衣服を奪うと勢いあまりすぎて突き飛ばされた霧香は尻餅をついた。


「いったー…なにすんのさっ!!」


怒鳴り、睨む霧香だが、目の前にマールの姿はもうなかった。


「……カイトは…カイト…!」


キャンピングカーの外へ飛び出したマールは、うわごとの様に呟きながら霧香から奪った衣服を手早く着込みながらもカイトの臭いを必死に探した、しかし一向にマールの鼻はカイトを感知することができない、それだけで彼女の胸は不安で張り裂けそうになる。


「インカムあった!!」


卓上の充電器に挿入された自分のインカムや装具を見つけると、素早く身につけた。


「しのっち!!しのっちはいる!!?」


『篠崎司令ね!!』


間髪入れずに篠崎の罵声が直様イヤフォンに返ってくる。


「カイトがいないの!!きっと何かあったんだ!直ぐに助けにいかないと!!」


激しく動揺した様子で今にも泣き出しそうな声だった。


『落ち着きなさい……心配はいらないわ、カイトくんならついさっき出たばかりよ?到着にはもうしばらく掛かるんじゃ無いかしら?』


篠崎の口調は落ち着いたものだった。


「そ…そうなの?…で、でも臭い感じないよ!?」


篠崎のいる基地からここまではかなりの距離がある、だからカイトの臭いを感じないのも仕方がないのかもしれない、不安で胸がいっぱいなマールだったが、そう言い聞かせて、うちなる自分をなんとか落ち着かせた。


『……良かった、起きたならすぐに救助活動に復帰してくれるないかしら』


そんな篠崎の提案にマールは難色を示すも、何かをしていないと余計にカイトを心配してしまう。


「わ、わかったよ…状況を教えて?…」


それから篠崎は、マールが寝ている間の出来事を教えてくれた。マールと青葉が抜けた穴は、絵里香、茜、綾奈の3人で埋めている事、しかし、絵里香と茜は前衛職の信託であり被災者救助には適してはいない。ただ、綾奈の糸魔術のおかげで何とか回せている状態たである。ただ、当然だが青葉のような目や、マールの鼻のようにピンポイントで被災者を発見出来るようなものではないため捜索活動は難航しているのだという。


「わ、わかったよ…」


珍しく不貞腐れるような態度を取るマールに落ち着きはない。


『今は大人わたしを信じなさい、直ぐに茜と合流して?』


篠崎は強引にマールの通信を切ってると、走り出すマールのモニターを見ながら流れるようにスマホに耳を当てた。


「本田、カイトくんはまだ見つからないの??」


篠崎の問いかけに、本田の唸り声が響く。


『わかりません、なにぶん手がかりが……』


本田の返信は芳しく無いものだった、屋上にカイトの姿はかけらもなかったからだ。残されたのは不自然に電源が切られただけのインカムのみだった。


「どうしてこうなるのよっ…」


篠崎は唇を噛みながらデスクを叩き、己が不幸を呪った。


「今、カイトくんの捜索にマールちゃんを当てるわけにはいかない。みんな!気合いを入れて探してっ!!あの子はもう察してる!なんとか穏便に済ませるのよ!」


篠崎の檄に司令室を騒然と動き出す。もしもカイトが行方不明であるなんて事をマールが知れば、まず間違いなく彼女はカイトを探しに飛び出てしまう事は明らかだ…そんな事になれば助かる可能性のある多くの人命が失われる事になる。


「……っ」


懸念はある、マールは恐ろしく勘がいい。純粋だからこそ、今はおとなしく従ってくれているだけにすぎない、ただ、それも時間の問題だろう。


「早く…早くなんとかしないと…」


風のように駆け回りながら被災者を引っ張り出すマールの画面を睨みながら篠崎は焦っていた。


「う!……」


場所は変わり、カイトは眩い光を当てられ目を覚ました。


「目を覚ましたかい?」


カイトの眼前には緑色の軍服を見に纏い、つり目の印象的な軍人が立っていた。彼の方には彼が所属する真っ赤な国旗が付いている。


「(中国共産党か…)」


カイトは男を睨みつけると、男は舌打ちを鳴らす。


「反抗的な目だ、生意気だな…」


軍人の男は腕を振り上げると、容赦なくカイトの頭を殴打した。


「ぐっ!!」


あまりの痛みに、カイトの頭は下方に落ちる。


「だれが下を見て良いといった?しつけがなってないガキだ」


何がそこまで彼を苛立たせるのだろう?軍人はカイトの首を掴んで背もたれに押し付け、何度もカイト顔面を殴りつけた。


「おいやめろ!貴重なサンプルだぞ!!」


そこで、外にいた一人が慌てて入って来て仲間の男を羽交締めにして凶行を止め、カイトを引き剥がす。


「はん!こいつらは死んでも復活できるんだろ!?なら今すぐに殺したっていいだろ!!」


「蘇生には回復術師が必要になるって情報があったばかりだぞ!!!」


「だったらそいつも誘拐してくればいい!!日本人が創り出した人造兵器なんぞどう扱ったって問題ないだろう!!?」


二人は激しい口論になる、成る程、中国では我々は既に戦争兵器として造られた設定なのか…カイトは耳に入る情報を余す事なく蓄え、今のうちに思考をまとめる。


「おい、やかましいぞ…兵士共」


そこへ、一人の白衣を着た腰の曲がった老人がやって来て口論していた二人は一斉に視線を正す。


「ここはもういい、お前達は持ち場に戻れ」


老人は二人を散らすと、やれやれとため息を漏らしながらも扉を締め鍵を閉める。


「さて、お待たせしたねカイトくん。今から君の尋問を行うだ…」 


李は、ゆったりとした歩調で部屋の隅に寄せられたテーブルカーに手を触れるとそれを押しながら前にやってくる。カイトですら見たことのないそ様々な拷問器具が整頓されて並べられている。


「見てくれこの素晴らしい品々を…ククク…かっこいいだろう?」


李は狂気に引きつった笑みを見せながらも拷問器具の一つを手に取ってカイトに見せた。


「我々の情報は包み隠さず開示しています…拷問する必要はないはずですよ…」


背筋に冷たいものを感じ、カイトは李に告げた。そう、魔法少女保護対策課や、彼らが保有する魔法少女達のことは全てホームページで一般の人間でも閲覧出来るようにしてある。これはカイトが指示して篠崎に実施させたものである。


「ああ…そうだな、君から聞き出せる事など何もないしする必要もない」


李はピタリと止まり、狂気じみた冷たくなるような笑みが消える。


「だからこれは私の趣味だ」


李は鉄杭を取り出すとカイトの開いて拘束された指に突き刺した。


「ぐあああ!?!?」


べりりっと嫌な音を立てながらもそのまま指の爪を引き剥がし、血が飛び散る。


「ひひひひひ!!!いーい声だ…さて血の味は?」


ペロリと血を舐め取りニヤニヤと笑う。


「これは美味い血だ!?では、おかわりをいただこうか!?」


2本目、人差し指にも杭を突き刺さし爪を強引に剥がされる。


「ぎゃああああ!?」


あまりの痛みに悲鳴を堪えられない、カイトは涙を流しながら全身を力ませてしまう。


「知ってるよー?君達はかなーり、丈夫なんだろー??ならこれら全部を使っても良いわけだ!死んだって生き返れるってのも知ってる…最高だよ!なあ!?」


カイトから強引に剥ぎ取った爪を丁寧に拾いながら試験管に入れてサンプルのようにしている。


「はあ…はあ…」


痛みのせいで気を飛ばすこともできない、そんな苦痛に歪むカイトを李はニヤニヤと眺めていた。


「ほら!3本目だよー!?」


李は目を血走らせて笑いながら、3本目の杭を薬指に突き立て、そして指を抉る。


「ぎい!!?あああっ!!!」


貫かれた指から血が吹き出し、床に飛び散っても李は笑いながらやめようとはせず、カイトはただ激痛に悲鳴をあげ続けるしかなかった。


「っ…!」


唐突、救助に当たっていたマールが天を仰ぐ。


「ん?マール?どした?」


埋まっていた年配の夫婦を引っ張り出し、安静に寝かせながら茜はマールに問いかける。


「どこ!!?」


マールは迫真の形相で茜を睨んできた。


「は?…なに…」


「カイトの血の臭いがする!!!」


唐突だった、茜は訳が分からずに呆然としていると、マールは勢いよく側で倒壊していたビルの外壁を駆け上がり、より登り高い位置へ走って行った。


「あ、ちょ!…マール!」


『茜?何事?』


「わかんねえ、マールがカイトの血の臭いがするって…」


茜の報告を受け、篠崎は直ぐに全体にチャンネルを切り替える。


『マールちゃん何をしているの?!早く持ち場に戻りなさい!』


「うるさい黙れ!!!気が散る!!!」


マールは篠崎に強い口調で怒鳴りつけると、頭についた骨振動イヤホンを強引に引きちぎって捨てる。


「マールちゃん!!?」


篠崎は声を張り上げるがもう彼女の耳には届かない。


『誰か!!誰でも良い!!マールを止めてっ!!絶対に行かせちゃダメ!!』


勢いよく叫んでしまい、叫んだ後に思わず口を滑らせた事を察し口を抑える。


『篠崎司令、どういう事ですか?』


すぐさま絵里香の返答が返ってきて篠崎の血の気が引く。


『あ?…なに?なんかあったのか?俺にもわかるように言ってくれ!』


綾奈の返答に救われる…篠崎は席につき、石のように重たい口を開いてカイトが行方不明である事を告げた。


『おいこら、なんで黙ってたんや?マールじゃなくても怒るで?…ふざけとんのか自分…』


聞くに徹していた9歳の身体からは到底出ないだろうドスの効いた声が響く。


『栞、言い過ぎだ…。ですが、擁護は出来ません何故早く伝えないんですか』


茜の言葉が刺さる。


「…ごめんなさい」


『茜、栞ちゃん、司令は責任を持つ立場なのです、判断としては間違ってはいませんよ』


絵里香が鋭いフォローを入れてくれる。


『フン…あほらし、バカちゃうかホンマ…あ、絵里香姐にいっとるんとちゃうで!?』


栞は雑に吐き捨てつつも、電源を切ってしまった。


『司令、自分も目の前に集中します』


続けて茜も電源を切る、声音に明確な憤りを滲ませていた。


『私も失礼します、司令、あまり気負わずに…』


絵里香は司令を気遣いながらも、電源を切り、魔法少女達の視覚モニターがシャットダウンする。状況がわかっていない綾奈は理解できない様子で映っている、霧香は初めから映ってすらいない。


「……」


そんなやりとりを聴いていた青葉はゆっくりと起き上がった。


「くそ…わかんない!…」


マールは必死で市内の高い位置を駆け回っては、見渡して匂いの方向を探す。


「どこ…どこなの?…カイト…」


心配で張り裂けそうになりながらも、マールは焦っていた。少しでも近い臭いがあればそちらに赴き、カイトを探す。しかしこの場には様々な血の匂いがしていて流石のマールでもカイトの血の匂いがどこから流れてきているかは判断が出来なかった。


『マールちゃん…』


不意に、消え入りそうなほどに小さな声がマールの耳に届いた…マールはバッと顔を声の方向に向けると、そこには青葉が立っていた。


「……アオバ?…」


篠崎の話では青葉は大量出血により意識不明になっていた。冒険者体質の身体とて大量の出血をすればじっとしていれば治る肉体や臓器とは違い、回復には時間がかかるのだ。マールは慌てて高い位置から飛び降り、青葉の目の前に着地して見れば、着の身着のまま走ってきたのか、彼女は素足でしかもラフなパジャマ姿のままである。


「な…何やってんのアオバ…?」


常軌を逸した青葉の行動にマールは困惑していた。


「はあ…は…」


青葉は口を開こうとしているができない、それどころかその顔は失血により真っ白だったのだ。学の無いマールでも、そんな青葉がまともに立っていられないのだろう状態は理解できる。きっと的な意識もない、視界も朦朧としていて真っ暗な筈に違いない。


「あおっ!…」


マールは驚愕する。青葉はゆっくりとした動きで口元に人差し指をくっつけていたからだ…その空な瞳はただマールを見上げ、自らの何も無い首をトン…と指差し、そしてゆっくりと電源を切る動作を見せる。


電源を切れ、そう伝えている。マールは素直に青葉に従うと、素早く電源を落としてインカムを外して捨てる。


「…」


青葉は、口をゆっくりと動かしている。音はない、しかし彼女の微かな息の音と口の動きだけでマールには伝わった。


「わたしをたかいところにつれていけ」


青葉はそう言った。


「おーけー…任せてよっ!」


その理由はマールには明白だった。青葉を背負うと、風のような速度で傾いた高層ビルを駆け上がり、その屋上にたつ。


「きたよ!アオバ!」


マールの音を聴き、背負われた青葉は瞼をカッと大きく見開いた。スカウトの目…その目はありとあらゆる情報を視覚化することが出来る。故に、青葉ははっきりとカイトの血の匂いを視覚として捉えた。匂いの方向へ目を向ける。


「う…く…」


重たい腕をゆっくりと、渾身の力を絞り出しながら持ち上げ…そして指を差す。


「…あっちからだね!?」


マールは問いかけると、ついに青葉の身体からは力が抜け落ちる。限界を迎えたのだ…無理に無理を重ねた彼女はもうじき気を失う、回復術では血を増やすことなどできない。


「君は、僕の為に命を賭して頑張ってくれたんだね…だったら、僕は、君にちゃんとしたお返しをしなくちゃいけないよね!」


マールは何かを決心すると、徐に自分の指を口に咥えて親指の肉を噛み潰す、そして溢れ出た親指を青葉の口に押し込んだ。


人間は、無意識の時に何かを口に入れられると、青葉は反射的に勇者の血を飲み込んだ。


「あ…あかね!?」


絵里香が空を見上げた、一際高い高層ビルの屋上にとてつもない量の煙が上がる。


「要救護者か!」


その煙を狼煙と考え、絵里香と茜は即座に高層ビルの残骸を駆け上がり一気に屋上に辿り着く。屋上には激しい煙を放出しながら倒れ伏す青葉の姿があった。


「あ、青葉!?」


絵里香は目を疑い、茜は瞬時に駆け寄った。


「な、何してんだお前!?こ…こんなところで?」


声をかけ、揺らす茜だが青葉は穏やかな顔で眠っている。


「茜!!」


絵里香が急に声を張る、見ればその先の闇の中で、翡翠色に輝く大きな瞳がジッとこちらを見つめていた。


「アカネ!エリカ!!アオバをよろしく!!」


「よろしくって…おま…」


唐突に、なんの前触れもなく、マールの右腕に巻かれた青銀の腕輪が眩い光を放ちだす。


「へえ…こうすれば使えるんだ…」


マールはコツを掴んだかのようにつぶやくと、腕に巻き付いた腕輪がぬるりと落ち、マールの身長よりも遥かに大きな青銀の大剣に姿を変えた。


「ぐ!?」


大剣が姿を現した、ただそれだけの圧で二人は吹き飛ばされそうになり、一歩たりとも進むことが出来ない。


「そいじゃーねー!二人とも!」


マールは大剣を掴み取るなり、その姿が忽然と消える。否、消えたのではない、遥か天空に飛び上がった青銀の輝きが、まっすぐと向こうの彼方へと飛んでいき、直ぐに見えなくなった。


「………なあ絵里香、どう報告する?これ」


茜は絵里香に問いかけると、絵里香は無言で首を横に振っていた。


カイトを乗せた艤装貨物船は既に出港し日本の領海を近くまで来ていた。


「ここまでくれば…もう安全だろう…」


ブリッジにて、船長の男はホッと胸を撫で下ろして背もたれに体重を預ける。


「バレたところで、海上保安庁は何もしてきませんよ!」


「あいつらは腰抜けだからな!!ハハハ」


操舵手や通信士は盛大に嘲笑っていた。船長も口元を笑わせる。


「そうだな…」


日本の港を出て数時間、さっきまで聴こえていた拷問される少年の叫び声をも聞こえなくなった。李が飽きたか、少年が死んでしまったのだろう。


「わしの船を血生臭くしないでもらいたいんだがな…」


そんな船長の愚痴に、ブリッジにいた全員が苦笑していた。


「ん?…」


そんな時、ソナーを見ていた男が声を上げる。


「ソナー、どうした?」


船長が問いかけると、ソナーは首を傾げる。


「わかりません、航路に…何かいます」


「イルカかクジラじゃないか?」


「いや…イルカやクジラでこんな反応は…」


あまりに不思議な反応、ブリッジの全員はゆっくりと航路の先を観た。ライトが照らされ闇に沈む海原が明るく照らされる。


「……え?」


船長達は目を疑った、小さな女の子が海の上に立っていたのだ。栗色のショートボブに翡翠色に輝く瞳、蛍光色のアニメが描かれたシャツにショートパンツ姿のその少女は腕を組んで、船が来るのを待ち構えていた。


「ま、まほうしょっ!?」


叫ぶのも束の間、飛んできた少女の草刈りの一撃によって、偽装貨物船のブリッジは光の中に消えた。


「な、なんだあ!?」


甲板には複数人の人民解放軍の工作員達が、銃を手に歩哨として立っていた。突然光が瞬いたと思ったらブリッジの上半分が光の中に消えていたのだからそんな声も出る。


「なっ?」


「あっ!!」


「ぎゃ!?」


甲板の至る所で青銀の光が瞬くたびに、小さな悲鳴と共に人が一人また一人と光の中に消えていく。


「な、いったい?…何が…起きて?」


彼らは自分達が何をされているのかも理解することは出来なかった。気づいたとしても、それは振るわれた青銀の大剣に身体を両断された最後の景色だった。


「さてと、カイトは…?」


甲板へ降り立ったマールは、大剣を手に駆け出し船の鋼鉄の扉を紙屑のように蹴り破る。


「な!?」


扉の奥にいた兵士は、驚き顔のまま頭から降り注いだ大剣に叩き潰され光の中に溶けてゆく。


「な…なんだ?」


「こ…ども?」


目の前で仲間が消えたにも関わらず、兵士達は目を疑っていた。


「バカ!魔法少女だっ!!」


賢い士官もいた、直ぐに腰に下げたハンドガンを引き抜き、振るわれた大剣に真っ二つにされる。


「う、うわあああ!?隊長ー!!」


「ば、化け物だ!!逃げ…にげろおお!」


兵士達は暴力の嵐に吹き飛ばされては光の中へ消えていく、マールは目につく兵士達を無慈悲に、容赦なく、躊躇もなく、その全てを勇者の剣のサビに変えていった。


「ん?」


やることを終え、休憩していた李の部屋が急に停電し、直ぐに戻った。


「ち…何事じゃ?」


気分を害された李は血に塗れた白衣をそのままに、文句をつけてやろうと鋼鉄の扉越しに備え付けられた窓の外を見る。外は不気味なほど静まり返っており、何もない、護衛に立っていた二人さえも。


「ほ?」


何かがおかしい、呑気していた李もようやくそのことに気がついた。再び停電し、直ぐに戻ると、小さな女の子が扉の前に立っていた。


「ひ!?ひいああ!?」


李は心臓がでそうになる程驚愕して飛び退いた、そのおかげで彼女の一撃を運良く避ける事ができた。

弾丸すら通さない鋼鉄の壁が青銀の光にまるでバターのように両断され、跡形もなく消える。


「……あ……ひい!!?」


李は目の前に立つ小さな女の子の爬虫類のような冷たい眼差しに睨まれ、息が漏れる。


ゆったりとした歩調で入ってきた女の子は、部屋の中を目の当たりにして目を大きな見開く。


「かい…と?」


マールは手にしていた大剣を取り落として李を無視してカイトに駆け寄った。カイトは両手の指、足の指がなかった…側のテーブルカーにカイトの顔から摘出されたであろう目玉や鼻、舌や喉、耳と男性器にいたるまで、切り取られたカイトの部品が入れられた試験管が置かれている。


「ひゅー……ひゅー…」


良かった、息をしている。見れば生きているのが不思議な位の酷い有様にもかかわらず、死んでいないという事実がマールを安心させた。同時に未だかつてない程の激しい憎悪の炎が燃え上がる。


「これ…オマエが…やったのか?」


マールはゆっくりと李へ振り返る、しかし、既に李の姿はそこにはいなかった。


「……今助けるね」


マールはそう言いながらも改めてカイトの有様を観察する。損傷があまりにも酷すぎる、どれも死に至る程の損傷ではない、しかし回復術で治したらまたこの痛みをカイトに与えてしまう。


「そうだ…」


マールは迷わなかった、直ぐに自らの親指を噛み青葉の時のように、カイトの口に入れようとした…しかし、カイトの唇は無惨にむしり取られ、歯は剥き出しで舌も抜かれてしまっている。こんな状態で血を飲ませる事など出来やはしない。


「うん…」


マールは親指の血を吸い口に含むと、剥ぎ取られたカイトの口に迷わず口付けをした。そして舌で固く閉ざされた剥き出しの歯をこじ開け、カイトの顔を上向きにしつつ口移しで直接血を流し込む。


「ぷは!」


唇が離れると同時に青葉や両親の時と同じように蒸気のような煙が勢いよく立ち上がり、カイトの身体が修復されていく。試験管の中にあった彼の部品も、自ら意思をもったかのように彼の身体にくっつき何事もなかったかのように修復されていく。


「カイト!死ぬほど感謝しなよ!?」


マールは晴れやかだった。目の前の少年はじきに目を覚まし僕に感謝するんだと、その時はいつものように言ってやるんだ。キミは僕がいなくちゃダメなんだって、そしたらカイトはいつもみたいにムカつく笑い方をしながらそうですねというんだ。いっぱいいっぱい叱って、いっぱいいっぱい殴って、泣かせたあとで、いっぱいいっぱい甘えよう…そう、思っていた。


「…カイト?」


身体は修復された。もうカイトに怪我は一切ない。なのに目を覚さない、気絶しているのか?とマールは彼の肩を掴んで揺らす。しかし彼の体はそれにあわせて揺れるだけで何の反応もない。


「ねえカイト…?生きてるんだよね?冗談だよね??」


強く揺らして、軽く叩いて、つねって見た。痛いと言いながら起きるはずだからだ、きっと彼は僕を騙しているんだ。しかし、カイトは何一つとしての反応を返さない。


「かい…」


直ぐに胸に顔を当てる、いつも聞こえる彼特有の呼吸が聞こえない。マールの大好きな鼓動の音すら聞こえなかった。


「かいと…かいとぉ…」


自然と涙が溢れでる、勝手に頬を伝って落ちるマールはもう動かないカイトの身体に顔を埋め、泣いた。そして…黒い炎が腹の底から湧き上がるような感覚に囚われ、フラフラと立ち上がる。


「よくも…カイトを…絶対に許さない!」


星の全てが恐怖に震えるほどの憎しみを口にしたマール、その目の前が真っ黒に染まっていった。


「はあ…はあ…」


李は、船内をただひたすらに走っていた。


「くそ…くそっ!…くそ!」


何があったのか?先程から誰一人とて仲間に合わない、しかし、廊下には戦闘が行われたであろう痕跡はいくらでも残されている。横殴りに振るわれた深い斬撃の跡…振り降ろして叩きつけて天井、床が真っ二つに裂けていた。李は走りながら恐怖に震え、ただ悪態をついていた。マールから逃げた李は真っ先に事実に行き、45口径の拳銃を持っている。例えあの化け物が相手でも撃ち殺せる威力であるはずだ。そう、彼は淡い願いをこめながら階段を駆け上がりブリッジに出る。


「なんだ…?これは…」


ブリッジは上半分が綺麗に無かった、何があったのか理解が出来ないほどに鋭利な何かで丸ごと切断されている。


「ま、まあいい…だれか!だれかいないか!!」


この船には大勢の屈強な兵士達が乗っている、李がわざわざこの任務のために選りすぐって集めてきた上澄みの上澄み達…そのはずなのに、彼の呼びかけに答える兵士は一人としていなかった。


「くそ、役立たずどもめ、わしを誰だと思っとる!」


李はしかたなく無線機の前に行く、この旧型の偽装貨物船には似合わない最新の無線機を使えば直ぐに自分を仲間達が救助しにくる、そうなればあの化け物はこの船ごと海に沈めればいい。


「つながらないねー」


「……え?」


李が顔を上げると、栗色の髪に翡翠色の瞳の少女が目の前に座っていた。


「ひ!!?」


李は反射的に手にした45口径を少女の額に向ける。


「つまんない武器だね」


しかし後生大事にもっていた45口径は、いつのまにか少女の手にあった。自分の手首と一緒に。


「う!!うで!?わしの腕がー!!?」


激しい痛みが燃え上がり李はその場で激痛にのたうち回る。


「腕ぐらいでさわぐなよ…」


マールは立ち上がり、手にしたハンドガンを手首ごと握りつぶすと。転げ回っている李を蹴飛ばして仰向けにさせると顔面を踏み潰してから一気に回復術を打ち込んだ。千切れた腕が一気に再生し、身体が焼かれる様な痛みにのたうち回る。


「…おまえ、もう死んでいいよ?」


マールは足を外して倒れた李の頭を掴んで起こすと、後ろを向けさせた腰を蹴り付ける。腰骨が砕け壁に叩きつけられると、直ぐにマールは李の後頭部を掴んで額を壁に叩きつける。


「ぎゃっ!!ごぶ!!ご!!」


何度も何度も何度も叩きつけ、死にかけたら回復術を撃ち込んでは叩きつけ続けた。いつしか李の血で床は染まっていた。


「た…たしゅけ…たしゅけへ…」


命乞いを聞き受けたマールは口を裂いて笑わせ、指に力がこもり指が李の頭蓋に亀裂と激痛を走らせた。


「ぎい!ひぎいああ!」


手足をバタバタと暴れさせるが、機械的な力を持ったマールの腕を振り払うことなどできるはずもない。


「いいよ、殺してあげる…」


マールの押し込む腕に力が入り、壁に顔面を押し込む、まずは鼻が潰れた、ぐちゃりと骨が砕ける鈍い音が響いて息も出来ない。しかし押し込む力は変わらない、じわじわと顔が潰れていく。


「っ!!〜〜!!?」


声にならない悲鳴、何かが潰れて血が頬にかかると無表情だったマールは口を裂いて笑った。


ざまあみろ、痛いか?苦しいか?カイトの味わった以上の痛みをこいつには与えてやる、まだ殺さない、何度でも痛みを与えてから…苦しませてやるんだ。


マールは回復を打ち込み再生させながら押しつぶし続ける。李は声にならない絶叫をあげながらも手をバタバタとばたつかせる。


「マー…マール!!!」


誰かの声がした、まだ生き残りがいたのか?マールはゆっくりと声の方へと振り返る。


「マール!だめだ!!殺すな!!」


今度ははっきりと聴こえた。見慣れた姿、小さく頼りない少年、着の身着のまま来たのか、拷問中に着せられていただろうシャツ一枚のカイトが立っていた。マールは驚愕に目を見開き、万力の力が緩んで掴んでいた李が手から滑り落ちる。手放す前、無意識に打ち込んでいた回復によって潰された李の顔面が元通りに修復されていく。


「カイ…ト…?」


マールは信じられないものを見ているように自らの頬を叩いた、痛いのに、夢は覚めない。次に彼に歩み寄るとカイトの顔に触れる。


「はい、え?…なんですか?」


驚き身を引くカイトが問いかけると、取り残されたマールは唐突にくしゃりと顔を歪める。


「ごえんなざああい!」


大粒の涙を流しながら大声で泣き出してしまった。


「は?!え!?…ちょっとなに!なんです!?」


唐突に大声で泣き出したマールに動揺したカイトは、やばい選択をミスった?と戦々恐々としていた。流石に身を退くのは不味かった?そう思考を高速で巡らせながら、いかに穏便に彼女に謝るかを考えていると、彼女は素早く抱きついてきた。殴るでもなく、叩くでもなく、苦しくなるほどにキツく締め付けながらカイトの身体に押し付け泣き続けた。


「ああ………成る程」


理由を語らず泣き続けるマールの様子を観て、カイトは察した。


「心配をおかけしました」


彼女は強い、そして戦闘経験も豊富で頭もいいし大人びている所もある。だがこそ勘違いするのだ。彼女が10代の子供だって事を、本人は13歳を自称しているがその認識も可笑しい気がしてくる程に彼女は幼い。そんな幼い彼女が、大切な人を失う事に慣れている訳がないのだ。


「もう大丈夫です、よしよし…」


優しく包むように腕を腰に回して抱き寄せ、その小さな背中をトントンと優しく叩いてあげる。15分くらいはそのままだったか?ずっと泣いていたマールが少しずつ静かになっていくのがわかる。


「……あれ?」


見ればマールは瞼を閉じて小さな寝息を立てていた。


「お疲れ様です…マール」


カイトはマールをその場に寝かせて李を見る、マールに散々痛めつけられたからだろう。髪は抜け落ち、失禁したまま気絶している。


「こいつは今のうちに殺しておくか…」


案外、自分も彼方の世界に染まっているのだろう。マールに殺しをやらせるのは気が引けるが、自分が殺す事に一切の躊躇いがないのだから笑えてしまう。カイトは落ちて割れた大きなガラス片を手に取ると、倒れたままの李へと歩み寄る。


「ん?」


早く始末して海に捨てる、そんな時、何かがカイトを掴んでいて動けない。振り返ればそこには当然マールがいた。天使の様な愛くるしい寝顔のままカイトの服を小さな手でしっかりと掴んで離そうとはしない。


「はあ…参りましたね…」


頭の中を染め上げていた殺意が、マールの寝顔を見た瞬間には消えていた。業が削がれたカイトはそう言って手にしたガラス片を捨てると、代わりに眠ったままのマールをお姫様抱っこで抱き上げながら周囲を見回した。マールによる草刈りの一撃が放たれたのは間違いない。その一撃でブリッジを乗組員もろとも切り裂いたのだろうとカイトは察した。考えれば船は止まっている、見れば船の端末には航行不能のエラーメッセージが浮かび上がっている。


「まあ、マールが起きてから考えます…か」


カイトは諦めるとマールを抱き上げたまま、李を無視して船内に戻る。しばらく船内を歩いて船員が仮眠を取るために使うだろういくつもある個室の並びを見つけ、そのうちの一つに入る。中は小さなベッドとロッカーだけがあり個室の扉には鍵が付いており外側から開けるのは不可能である。これなら安心してねれるだろう


「とりあえず、このへやで休みますか…」


カイトは中へ入りマールをベッドに寝かせるとしっかりと鍵を掛ける。


「……」


何故だろう、いつもはそうは思わないのだが…今夜は特に無防備に眠るマールがとても魅力的に見えてしまった。


「……」


カイトはマールの横に寝そべる。


「(あれ?マールってこんなに…可愛かったけ)」


がさつで、うるさくて、直ぐ暴力に出てくる問題児だった筈、カイトは気がつけばマールの平らな胸に触れていた。ちゃん女の子らしいふわりとした柔らかさが手のひらに感じる。生前は童貞を貫いてしまったが…今世ではその位の贅沢は許してもらえ。


「なにしてんの?」


「はい、マールの成長を確かめていま…は?」


観ればマールは眠そうに目をうすらと開けて見ています。


「…ふうん、そうなんだ…」


目を擦り、つぶらな翡翠色の瞳がこちらを見つめる。


「良いよ…べつに」


良いの!?マールはそれだけ言うと再び目を閉じた。


「パパとママね?ボクが寝ると、こうやってカイトみたいに二人で体を触り合ってたんだよ?二人とも何していたんだろ…」


おいおい、体が若くなったからと言ってマールの前で盛るな…とカイトは苦笑する。


「マールはそれが何か知らないんですか?」


そんな問いかけにマールは不思議そうに目を丸くする。


「…カイトはわかるの?」


「だてに25年近く生きていませんからね…」


ふーん?と、特に興味はなさそうにしている。


「で?パパとママは何をしてたの?」


何と言ったらいいか…


「子供を作っているんだよ」


「こども?…体を触ってたら子供できるんだ…」


うぶかな…しかし興味がなさそうだ。


「次、帰ってくる時には私と君の弟か妹がいるかもですよ?」


マールはガバリとと起き上がる。


「弟!?妹!?…わあ…わああ…」


マールは目を見開いてキラキラとする、彼女は子供が好きで面倒見がとても良い。過保護なくらいだ…そのおかげでエレーネは今やマールのようになっており、いつぞやゼノリコが嘆いていた事を思い出す。


「カイト、もっと触っていいよ!」


マールはカイトの手を掴むと、自らの胸に手を押し当てて来た…これで子供が出来ると思ったのだろう。


「そうだ…ゼノリコ様の子供、いつ生まれるんだっけ?」


唐突だな…お言葉に甘えてマールの柔らかい体を撫でながら考える。


「ええと、確か我々が向こうに帰ってからですね」


「そっか…楽しみだね…」


寂しげな顔をする…。


「ひゃ!?かい…かいと!?やめてあはははっ!」


マールの脇腹をくすぐると、マールは大声で笑いながら悶え出す。しかし、これはどう言うことだ?あの馬鹿みたいな怪力が発揮されていない。こんな事をすれば頭が吹き飛ばされそうなものだが。


「ひゃも!?あはははっ!やめてー!」


マールの声でカイトの理性が戻ると手を離した。


「す!すみませんっ!」


カイトは本気で謝った、これは死んだ、殺される…と怒り狂ったマールの鉄拳が頭蓋を吹き飛ばす瞬間に備えた。


「く……」


待てど暮らせど来ない?何故だ、一思いにやれ!と考えつつもゆっくりと目を開く。しかしマールは特に仕返しをするでもなく乱れた服のまま恍惚とした表情のまま深く息をしていた。


「はー…はー…」


目はカイトをじっと見つめていた。あの暴力的なマールが…初めて、とても魅力的な女性として見えていた。


「さて、そろそろ休みましょうか?起きたら被災地に戻る手段を考えないと」


「え?…子供つくるんじゃないの?」


何を期待してるのこの子は、マールはどこまでも純粋な目をしていた、そのまっすぐな翡翠色の瞳を見て、カイトの理性が吹き飛ぶ音がした。


「いったな!!?めちゃくちゃ後悔させてやる!」


カイトはマールに襲いかかった。なんだかんだで行為には及ばなかったものの、マールと楽しい夜をこうして過ごすのは久しぶりな気がした。









次回、被災地復興を終え、現代編の最終回が近づいて来ます。

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