帰宅するんだって!
結局変身を解除できたのは1時間後だった。ネックレスを握って解除って言ってみたりポーズをとってリリースって言ってみたり……思いつく限りいろいろな方法試して見てましたけど誰にも見られてませんよね?
「それにしても……変身解除する方法がまさかネックレスの剣を胸に突き刺すことだったなんて……こんなの気づけませんよ……」
コケた時に剣が胸に突き刺さったのを見た時はほんとに死んだかと思いました……刺さるのと同時に元の服装に戻った時は驚きすぎてしばらく固まってましたね。変身する度に胸に刺して解除しないといけないの結構きついです。しっかりと胸に刺さった感覚あるのがほんといやです……
「はぁ……これからどうしましょうか……」
魔法少女として活動するにしても魔法省には所属しないから野良でするしかないですけど……野良だと色々と不便なんですよね……たしか授業で習った通りなら、野良のデメリットはサポートしてくれる妖精がいないからテレポートがつかえないですし、魔法省のサービスとか魔石の換金とかunknown討伐した時にお金貰えないとかでしたっけ。けど野良ならunknownが出た時に討伐する義務がないとこが唯一のメリットだったはずです。デメリットとメリットが全然釣り合ってませんねこれ。
「あ、そういえばここってどこなんでしょうか……」
ガーネットから逃げるために適当に走ってたからここがどこか分からないです。地図見ようにもスマホ充電ないですし……
「どうしましょう……」
立ち止まっていても仕方ないのでunknownが討伐されたことによって徐々に人が戻りつつある街を歩いてみることにした。
「歩いてる人に聞いてみましょうか」
近くを歩いていた4人家族にここはどこか聞いてみたところ、どうやら隣町まで来ていことがわかった。
「ありがとございます」
「いえいえ〜早く帰るのよ〜」
母親らしき人に手を振られたので振り返しながら別れる。
「えっと……私の街はこっちの方向ですね」
もう23時になりそうですね。流石にもうバスも電車もないですし歩いて帰るしかありませんね……そこそこ距離があるのに……
「そうです。変身すればすぐに帰れます!」
さっき変身した時に気づいたのですが、魔法少女としての私の身体能力は凄まじいの一言でした。E級とはいえunknownを一撃で粉砕したり隣町まで5分程度で行けてしまったり。あと変身解除してから気づいたのですが、unknownにつけられたはずの傷がきれいさっぱり無くなっていました。これも魔法少女の力なんでしょうか。
「よし、そうと決まれば変身です」
周りに誰もいないのを確認し、ネックレスを握りしめ変身と唱えた。
「やっぱりこの格好可愛いですね」
さっきはunknownだったり魔法少女だったりでしっかり見れていなかった服装をくるんと体を回して確認した。
「それじゃあ早速帰りましょう」
全力で走るために足に力を溜めると、ミシッと嫌な音がした。
「え?」
足元を見てみると道路に無数のヒビがはいっていた。
これ、修理費ださないといけないとかないですよね……誰かに見られる前に行きましょう。
足に溜めた力を一気に解放する。周りの景色がものすごい勢いで後方へと流れていき、あっという間に見知った場所まで来ることが出来た。
「凄いですねこれ。さっきよりも速く走ることが出来たのはなぜなんでしょうか」
変身を解き、家の方に歩きながら考える。
考えられることとしてはやっぱり力を足にこめたことでしょうか。あれがいわゆる魔力強化ってやつなんでしょう。魔法少女って凄いですね。魔力強化を使えば走る速度だけじゃなくてパンチの威力とかも上がりそうです。
「つまり魔法少女として頑張るなら魔力強化は完璧にしておいて損はないってことですね」
周りの家に比べて数倍くらいの敷地がある家の前まできたので一旦思考を止める。大豪邸とも称せるその家の門をあけ、敷地に入っていく。
「やっぱりこの家は庭が無駄に広い気がします」
門から玄関まで50mはありそうな庭を歩きながらそう愚痴る。玄関までたどり着き、ポケットからカードを出して機械にスキャンさせる。
『ピピッ認証完了。お帰りなさいませ桔梗様』
「私は花だって何回言えば分かるのですか……」
桔梗って誰なんですか。この機械カード認証だけじゃなくて生体認証を行うはずなのですが、何故が何回しても桔梗と呼ばれるんですよね……お父様もお母様も直そうとしませんし、もう慣れてしまいました。
玄関の扉が開いたので入り、靴を脱ぐ。玄関にはお手伝いの女性の人型ロボットがいた。私が帰ってくるまでここで待っていたんですかね。彼女の名前はサテラで私の身の回りの世話をしてくれるロボットだ。いつから世話をしてくれているのか分かりませんけど気がついたらそばに居ました。
『お帰りなさいませ。桔梗様』
「ただいまです。ねぇサテラ」
『はい、なんでしょう桔梗様』
「私は花です……お父様とお母様は何時頃帰ってくるのでしょうか」
『今日は帰れないとのことです桔梗様』
「そうですか。それじゃあ私はもう寝ます。ベッドの用意をお願いします」
『かしこまりました。では準備してる間に桔梗様はシャワーを浴びてきてくださいませ』
サテラがベッドの用意に向かって行ったのを確認してし、大きなため息をつく。
「はぁ……お父様もお母様も私の事はどうでもいいのでしょうか……そんなに私のことよりも魔法少女の事が大切なのでしょうか……」
ここに居ない相手のことを愚痴っていても仕方が無いのでサテラに言われた通りにシャワーを浴びに浴場に向かうことにした。
服を脱ぎ、浴場の扉を開ける。すると目の前にはおよげそうな程の広さの湯船と走り回れそうな程の広さの洗い場が広がっていた。
流石にもう浴槽のお湯は抜いていたのでシャワーで体の汗を流し、石鹸で洗うだけにした。
「ふぅ……汗をかいたあとのシャワーは格別ですね」
洗い終わったのでシャワーで泡を流し、浴場を出る。バスタオルで体を吹き、背中間である真っ白な髪の水気をある程度取っていると、脱衣所の扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
『失礼します桔梗様。ベッドの用意が出来ました』
扉を開けて入ってきたのはサテラだった。まぁ、この家に今いるの私とサテラしか居ないから当然と言えば当然なんてますけれど……
「そう。ありがとうサテラ」
再び髪を拭こうとするとサテラがドライヤーを持ってきて離れた場所にある化粧台の椅子を引いた。
『ドライヤーで乾かしますので椅子におすわりください桔梗様』
「ありがとうございますサテラ」
せっかくなので椅子に座り、ドライヤーで髪を乾かしてもらう。長年私の髪を乾かしてきただけあって乾かすのが上手ですね。
それにしても今日は色んなことがありました。unknownに殺されそうになったり、魔法少女になっ……たり……あとは……隣町まで……そういえば……なんでサテラは警報来てたのしらせてくれなかったんでしょうか……まぶたが重いです……後で聞きましょ……う……
「すぅ……すぅ……」
『……様桔梗様。起きてくださいませ。乾きましたよ桔梗様』
いつの間にか寝てしまっていたようでサテラに肩を揺らされて目を覚ました。家に帰ってきたことで気が抜けたのでしょうか。思っよりも疲れていたみたいですね
「ん……あれ、私寝てましたか?」
『はい、どうやら大変お疲れのようですね。髪が乾きましたのでパジャマを着てねましょう』
「ありがとうございますサテラ」
用意していたパジャマに腕を通し、寝室へと向かう。
なんかサテラに聞こうと思ってたはずなんですが……忘れてしまいました。忘れてしまうくらいの内容なら別に大丈夫でしょう。
2階にある寝室に向かうためにエレベーターに乗り込む。浴場から階段までそこそこ距離あり、エレベーターの方が近いので浴場から寝室に行く時はいつもエレベーターを使っている。
チーンという音と共に開いたエレベーターのドアを通り、少し歩いたところにある大きめのドアの前まで歩いた。ドアを開け、照明のスイッチを入れ部屋に入ると簡素な部屋が広がっていた。あるのはデカいテレビとそれを見るためのソファ、お菓子などを広げるためのテーブル。そして子供が4人は寝れそうなベッドがあった。いわゆるキングベッドと呼ばれるものには何故か私しか寝ないのに枕は2つあった。
「えっと今の時間は……」
壁にかかった時計を見てみると針は12時を指していた。
「もう零時なんですね……寝ましょう」
照明を消し、ベッドに潜り込むとすぐに眠気がやってきた。何とか眠気に逆らいながらスマホを充電器に指したが、指したところで耐えきれずそのまま意識を落とした。
「すぅ……すぅ……」
side魔法少女フレイムガーネット
「えぇっと……つまりC級のunknownを倒したあとE級の方に向かったら未確認の魔法少女に出会った……ってことよね」
「はい、そうです朱里さん」
花が先程であった魔法少女フレイムガーネットが東京都にある魔法省の支部で魔法少女のすがたのまま一人の女性と話していた。時計は既に12時をまわっていて他の職員は半分近く帰宅しているのに彼女らはまだ帰る気配はなかった。
「それで、どんな姿をしてたのかしら」
「蒼と白色の鎧ドレス?のようなものを着ていて髪色は白色なんですけど、毛先に行くにつれじょじょに黒色になってました。身長は135cmほどです」
「135cmって小学生じゃない……名前はわかったかしら?」
確かに朱里さんの言う通り、見た目は完全に小学生だったな〜。可愛かったしまた会いたいな。それにしても、なんで警報出てたはずなのに避難してなかったんだろう。心配だなぁ……ちゃんと家帰れて家族に逢えてるかな。
「はい、魔法少女ランスロットと名乗りました」
「そう、ランスロット……話の魔法少女の可能性が高いわね」
「はい、私もそう思います」
「出来れば魔法省に所属して欲しいのだけれど……」
「勧誘してみたのですが逃げられてしまいました」
「あなたでも追い切れない程のスピードだったの?」
逃げた時を思い出してみる。魔法省の話が出た途端いきなり逃走したのには驚いたよね。あの後必死に追いかけてみたけど全然追いつけなかったし……私一応B級なんだけどなぁ……なったばかりの子にスピード負けするなんて自信無くなっちゃう……
「はい、全然追いつけなかったです……」
「B級の貴方でも追いつけないなんて……相手の子なりたてなのよね?」
「ぐすっ」
「ご、ごめん……謝るから泣かないでちょうだい」
泣いてないもん。目から海水が出てるだけだもん。決して負けたのが悔しくて泣いてるわけじゃないもん。
そういえば朱里さんに聞かないといけないことかまあったんだった。
「朱里さん、北海道奪還作戦ってほんとに実行するんですか?」
朱里さんは少し驚いた顔をした。
「なんで知ってるんだそれ……まだ機密情報だぞ」
「ゴーストが教えてくれましたよ。あの子そういう機密情報とか好きですから」
朱里さんははぁ〜っと溜息をつき、頭に手を当てた。この感じだと本当に実行するみたい。あの北海道を奪還するなんて……出来るのかな。
「とりあえず、それについては誰にも言わないでちょうだい。まだ機密情報なんだから」
「わかりました」
コクッと頷く。
「ランスロットについてはどうしますか?」
「とりあえず大臣に報告はしておくわ。もしであったら魔法省に勧誘しておいて。話の魔法少女は強い子が多いからお願いよ」
あの態度を見ると勧誘しても無駄な気もしますけど他ならぬ朱里さんからのお願いだし、するだけしましょう。
「わかりました。それにしても組織のトップも大変ですね」
「急に何よ」
「いえ、大臣と言えばつい最近魔法少女が起こした犯罪行為でものすごい批判されてたじゃないですか」
「そうね。本部で働いてる同僚がここ最近帰れてないって愚痴ってたわ」
「うへぇ……大変そうですね」
「本部の事はいいからもうそろそろ帰りなさい。明日も学校なんでしょ?」
時計を見てみると零時半を指していた。
「うわっ……もうこんな時間……それじゃあかえります!」
「えぇ、気をつけて帰ってね」
朱里さんに手をふりながら支部をでる。街頭が僅かに照らす真っ暗な夜道を小走りで帰る。
「急いで帰らなきゃ」
支部から少し離れた場所で魔力を体に循環させ宙に浮く。そのまま魔力を燃料に一気に加速する。
「この調子なら……うん、すぐに家に帰れそう!」
あっという間に和風の家の前まで来たので、玄関の前に着地する。
「解除」
そう唱えると体が赤い宝石に包まれ、砕ける。するとさっきまで魔法少女の姿だったのがジャージをきた黒髪の少女の姿へと変わっていた。
「ただいまー!」
「遅いよ!おねーちゃん!!」
「おかえり、茜」
「大丈夫だったか?怪我はないかい?」
玄関を開けると小さな女の子が抱きついててきたので優しく抱きしめる。お母さんとお父さんも玄関でずっと待っていたっぽい。
「ただいま!お父さんお母さん、怪我はないよ!ごめんね茜。もしかして避難所から帰ってきてからずっと待ってたの?」
可愛い妹を優しく撫で、機嫌を取る。
「うん、ずっとまってた!もう眠いよお姉ちゃん」
「父さんたちはまだすることがあるから2人はもう寝なさい」
「はーい!それじゃあお布団行こっか奏」
「うん!おやすみパパ、ママ!」
両親に手を振る奏の手を引き、寝室に向かう。魔法少女が大好きな奏は私に色々なことを無邪気に聞いてくる。
「今日のunknownはどんなのだったの?」
ニコニコしながら聞いてくる。何この天使かわいすぎっ!!!思わずぎゅっと抱きしめる。
「んぅ……苦しいよおねーちゃん」
「あっ……ごめんごめん。unknownの話は布団に入ってからしようね」
「わかった!じゃあ急いでお布団にはいらなきゃ」
余程話して欲しいのか私の手を引っ張りながら廊下を走る。奏可愛いなぁ……
寝室に着いたので繋いでいた手を離し、布団に入る。4月に入って暖かくなってきたので毛布をしまい、掛布だけ被って寝る準備をしていると奏が右側に潜り込んできた。
「今日は一緒に寝る!unknownのお話しておねーちゃん」
「もぅ……仕方ないなぁ」
壁にかかっている時計を見てみると1時近くになっていた。
「もうすぐ1時だから少しだけだよ」
「はーい」
元気に返事する奏を撫で、今日あったことを思い返し話していく。
「えっと、今日でたunknownはね――――」
毎話5000字程度をめざして書いてるんですけど大変ですねこれ……モチベーションにもよるんですけど一日でだいたい2000字かいてその後見直したりしてたら週1話かけるかどうか……がんばるですます




