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38:侵入

 街道にほど近い位置に転移した俺たち5人と1匹。とりあえず注意事項を話す。


「えーと。気配遮断と魔力操作は必須としてだ。中に入ったら二人一組でと考えていたが、スキル差で感知できなくなるから却下だ。各自ソロ活動してもらう。クインだけは殺すのは禁止な。

 他はあまりにも酷い奴は殺して収納しとけ。それと魔術の使用は禁止な。全部物理で対処するように。

 帰る際は、えーと、適当な所でエレクティアが回って集めてくれ。その動きで俺も皆に会いに行く。質問は?」

「食事はどうするのよ? 適当に手持ちで済ませる?」

「町の中は配給制にしてるだろうな……。適当に手持ちを食べてくれ。クインには俺が接触するわ。

 言い忘れていたが勇者らしき銃を持ってる奴がいるはずだ。隷属されてるようなら首輪を破壊しろ。そのまま後は放置で構わん。戦争に加担して来るなら敵対と見なして次に会った時には殺すって事にしておいてくれ」

「先ずは真っ先に魔物ハンターギルドと商業ギルドがどうなっているのか確認ね」

「やっぱり? 俺もさっさと探しに行く予定だったよ。さてさて、行きますかねぇ、それじゃ後程!」


 両スキルを全開で使用して町へ歩いて行くのだった。真っ白いのでそれほど足跡は目立たないだろう。

 町へ近づけば近づくほど異様さが分かる。完全に出入り出来ない様に扉を閉ざし、その脇の外壁上には騎士が監視役として等間隔に並び立っている。

 走って飛びつくと流石に音が出そうで不味いかと、垂直飛びで壁の上段に手を掛けて侵入するのだった。

 ちょっと悪戯してやるかと、手近い位置にいる騎士を後ろから蹴り飛ばして外壁の外へ落としてやる。こうして騒ぎになり、見物客が集まってくる中堂々と侵入を果たすのだった。これで少々音をたてようとも気にならない状態になった。他の皆はその騒動で監視の薄くなった外壁部分を越えて侵入したようだ。結果オ-ライである。


 屋根の天井を走りたい所ではあるが、雪に埋もれており足跡が残る為に却下した。人通りが少なく、歩いてる者も騎士風の者ばかりで一般の人は皆無だ。

 地面に残る足跡を利用して。新雪から自らの脚位置をばらすような真似はしなかった。

 一般的な家屋は平屋建て。商売や裕福な家庭は2階建て。特別な施設は3階建て、そんな建て方なので苦も無く探す事が出来た。盾と剣の紋章から魔物ハンターギルドだ。だが、侵入出来ない様に、もしくは出られない為なのだろうか、人の壁で封鎖しているのだ。騎士がである。

 上からの侵入は可能と言えば可能であるが、窓を開ければ音が出るので直ぐにばれる。天井を抜いて侵入すれば破損させる事からそれも悪手だ。どうしたものか。

 そんな事を考えていたら他の者も到着したようだ。


 うーむ。邪魔すぎる。体で封鎖とか邪魔でしかない……。ここはあれだな。喧嘩売って無理やり排除するか。そうと決まれば近くの裏路地に行き、気配遮断を解除して堂々と向かうのだった。

 正面に回り込むも、何を命令されているのか、此方を認識してるはずだが何の反応も無い。


「ちょっとあんたら退いてくれないかね。封鎖されてると仕事を確認に行けないんだけどさ」

「貴様は何者だ? 相当な実力者のようだが今までどこに居た? ハンターはギルドに来るようにと散々触れたのだがな」


 ハンターまで強制動員してるのか、厄介な連中だな。


「だから何? ハンターはおたくらと違って国と契約してる訳じゃない。命令なんて受けんよ。その程度分かるだろ。分かったらどけ、邪魔だ」

「貴様、帝国軍に逆らうつもりか? 秩序を乱したとしてとらえる事も可能なんだぞ」

「ふーん。ちょっと馬鹿にでもわかる様に説明してくれよ。仕事を探しに魔物ハンターギルドに来ました。封鎖されているので通して下さいと言ってます。これの何処が秩序を乱してるんだよ」

「帝国の現状は説明せずとも理解してるだろ。帝国を守る為には戦力の集中が必要だ。それに反した事が知れればそれを筆頭につけあがる奴が現れるとも限らん。その事から秩序を乱していると判断する」


 帝国の法律にはまったく詳しく無いが、ハンターは所属そのものが、国とは別枠の独立した組織に属している。国からの要請で強制参加させられるのは魔物のスタンピートが発生した場合のみだ。

 国の存亡だからと強制される取り決めは無い。そんな事すら知らずに強要してるのだろうか?


「は? 何言ってんの? ハンターはハンターであって国の戦力じゃないぞ。そこを履き違えてないか? それとも何? 無理やり強要するのか?」

「国の一大事なのだぞ! 帝国に生活するものならばこれに従え!」

「残念でしたね。その様な取り決めはハンターの活動方針には無いのよ。おたくがどんなに喚き散らそうがそこの法律は変わらんよ。なんならここのマスターか帝都のマスターにでも聞いて来ればいいでしょ。間抜けな騎士さん」

「き、貴様。この緊急時にあくまでも従わない気なのだな?」

「だから言ってるだろ! ボケ! ハンターにそんな取り決めなどない! あるのは対魔物のスタンピートの時だけだ! それすら知らんような奴が、ギルドの前に張り付くなよ馬鹿!」

「この馬鹿を取りえさえて連行しろ!」


 横に後ろに回り込まれ、そのまま羽交い絞めにしたり腕を拘束しようとするが力が足りん。何がしたいのかね?

 ただ、表立って敵対してくれるのは非常に助かる。此方も堂々と身を晒して行動が可能になる。一手増やしてくれたことに感謝したいほどだ。


「もうちょっと力を入れなきゃ俺を拘束なんて無理だぞ。ほんとひ弱だねぇ。近頃の騎士はこうも質が落ちたのか。そこの隊長ぽい人。これで騎士が務まるの?」

「チィ。構わん、この場で斬り殺せ!」

「はいはい、殺せ宣言頂きました。正当防衛として対処を開始しまーす」


 強引に振りほどき、一瞬で肩書が隊長か分からないが、左手を首に回して羽交い絞めにした。右手でバキバキと音を響かせながら纏うフルプレートメイルを強引に引きはがしていく。当然ながら支えているのは各部位の肩や腰などだ。耐え切れずに骨折し絶叫が響き渡る。


「なんだ。これだけで骨折するとか鍛え方が足りないぞ。おい、お前らの防具もはぎ取てやるからちょっと待ってろ」


 俺が人質を取った事により少しばかり距離を取っていた残りの五人の騎士たちだったが、こんな言葉を掛けた事から背を見せ逃げ出すのだった。領主館の方へ。


「つまらんな。俺はこのまま奴らを追って一人ずつ処理しますかね。ここは任せるわ」

(大分予定が狂ってるけど任せるわよ。そのまま注意を引きつけなさい)

「そのつもりだ。それじゃ報告先には親玉が居るだろうし、顔でも拝みに行きますかね」


 もうこいつは再起不能だろう。そのままポイして後を追い。あっさりと逃げる内一人を捕まえて絶叫を響かせながら後を追うのだった。



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