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26:オウカ宅へ

 何人来るのか分からないので少しの間転移門を出しっぱなしにすると、サルーン以外の全員が来たのだった。

 突然来たので流石に不在か、近況を聞くだけなのでオウカがおらずとも大丈夫ではあるが。

 扉を叩いて来訪を告げるとカシナートが出迎えてくれた。


「これはテリスト様。皆様方も良くお出でいただけました。主は不在ですがどうぞお入り下さい」

「突然押しかけてすまないな。オウカに直接用事があった訳じゃないんだ。獣王国から来た彼らの事と、縁談がどうなったのか確認したくてな」


 流石に任せっぱなしは宜しくないと確認に来たのだ。ほぼ丸投げ状態だが、支援すると言った手前、最低限の事だけはしておかないとな。


「左様でしたか。獣王国から助け出した彼らですが、一定体力が付き、そこから劇的に改善しまして何時でも就職が可能となったと判断します。

 縁談の方ですが、近衛騎士団長様が来られまして。忙しい為に少し時間を頂きたいと言って頂き。大変感謝しております」

「ふむふむ。とりあえず彼らから仕事は何を望むのか第3志望程度まで書き出してくれるか。同じく、これまで何を経験して来たのか確認も頼む。

 今騎士団が忙しいのは不動産屋のせいだろうな。それに、戦争へ舵を切った事から余計に忙しくなると思う。

 そんな訳で結構落ち着くまでは時間が掛かりそうだ。宜しく伝えといてくれるか」

「ご配慮感謝します。書きだしましたら皇宮へお持ち致します」

「俺から頼まれたと言えば直ぐに受け取ってもらえるはずだ。その時俺はいないだろうけど頼んだよ」

「承知いたしました」


 要件はこれだけだと伝えて後にする。何せ予定が詰まってるからな。

 門から離れ。道の近くにまで行ってから気が付いた。ダンジョンへ行くけどついて来るのか確認していない事をだ。

 皇宮にいても特にやる事は無いのでついて来るそうだ、リカ以外は。例の召喚に関する書物を受け取ったので読みたいそうだ。先に【ゲート】で送り届けた。

 ダンジョン組はターラル北門近くへと転移し、そこから歩いて行くのだった。


「それでテリ、どの階層へ行くつもりなのよ?」

「40階層のガールダを尾羽1セット出るまでと、62階層で乳を樽1つ分と、後は71階層で金属鎧を相手にボコって帰宅する」

「それは分かったけど乳は止めなさいよ乳は。下品でしょ」

「さてさて、行きますかね。とりあえずは武器は禁止の空中戦ありでボッコボッコにするか」


 有言実行した訳だが。いかんせんボコボコ以前に相手の体表を貫き、腕が完全に相手の体内へと入るが為にボコボコとは程遠かったのだ。あっさり倒してしまってストレス発散とは程遠い戦闘となった。

 この戦闘でグリフォンを経験値増加の対象とし、強制レベリングした事で少しは強くなったのだ。それに伴い消費MPも増えた訳だが……。それは食費が嵩む事を意味する。

 皇宮へ戻る際は【ゲート】を使用する。行きに何故使わなかったのか。それは各階層の踊り場の作りが全く同じ為に選定しずらく何処の階層へ繋がるか分からないからだ。慣れれば良いのか、イメージが足りないのかその辺りは追々わかり、改善出来れば良いのだが。

 これが正確に発動可能になれば。再度レベル上げに乖離島(カイリトウ)のダンジョンへ直通運航が可能になる事を意味する。

 6000オーバーまでレベルを上げた訳だが、それでも最下層へは到達せず、どれほど深いのか予想すらつかない。何せ、一度確認しようと降りてはみたのだが、最終到達階層から100層以上降りてみても変化なしでお手上げだったのだ。


 連日帝都を無人は宜しくない。翌日は皇宮に用事がある訳だし。その事から帝都組を皇宮へ迎え、食事をして帝都へ戻るのだった。


「グリちゃんに嬉しいお知らせがあります。鶏肉が無くなりました。明日からは牛肉となります」

『食べた事無いから分らぬでござるよ。喜んで良いのでござるかな?』

『高級肉の部類だそうよ』

「うむ。人から見ると結構な難敵でな。効率よく倒せる人が少ないんだよ。味も良いが数を確保出来なくてな、高級な部類に入る。今のグリちゃんの実力なら1匹で倒せるが。魔物と間違われるから単独で狩りに行くのは禁止な」

『以前一人で狩って来いと言っておった気がするが。気のせいでござるかな?』

「ダンジョンは人と出くわすから禁止だが。フィールドの魔物なら狩って来て良いぞ。相対したら即逃げれば良いからな」

『そんな事だろうと思ったでござるよ。もう少し計画を練ってほしいでござるよ』

「今日レベルを上げてやったんだから愚痴るな。そう言えば使い魔と魔物の区別ってどうなってるんだ? 首輪とかない訳?」

「無いのです。その代りに人と行動を共にする事が義務化されているのです。近くに主がいなかった場合には討伐されても魔物と判断されて罪は無いのです」


 町中への1人お使いはやばかったのか。今後も注意しないとな。


『それでは余計に不味いではござらぬか。狩に行く際はエレクティア殿に来てもらうでござるよ』

「うーん。守護龍だからねぇ、あまりウロウロしてほしくないんじゃないかな。行く時はサルーンと相談してくれ、としか言えないな」

『確かにそうね。守護の要がこうして他国に来てる事も問題よね』


 うーん。確か許可しないと殺すぞといってた気がするけどな。もしかして他人事?


「無理やり来たような気がしたが。それでもお世話になってる俺が言うべきじゃ無いか」

『それは微妙よね。国益を考えなければテリスト1人で片が付く問題でしょ。どうせ動くなら皇国の為になる事をする。当り前よね。だから来てるのよ』

「ありがたい考えだな。さてと、クイン明日は当分1人だけどMPは足りてるか?」

『強制レベリングだったかの。あれから補給と消費のバランスが悪くての、少々減り気味じゃな』

「そんな事は遠慮せずに言ってくれ、どんどん渡すから。ここの所回復系の魔術もカンストして魔法が結構上がってるからな。効率の問題しかないから上げる必要は無いし【グレーターヒール】1回で済むからな」

『なら、寝る前に貰うのじゃよ』

「それと明日だな。昼には一度迎えに来るか食事を持って来る。予定としてはこんなもんか」

「テリクンの事ですからそれじゃ寝るか、ですよね」

「よくお分かりで。明日は謁見で神経すり減らす事になりそうだし、さっさと寝ますかね」


 ぽつんとお隣の部屋に1セット準備したベッドを皆の部屋へ持って行き、就寝するのだった。


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