次の日
僕はリョウちゃんの家に着くと玄関の外から声をかけた。
「ごめん下さい」
中から返事はなかった。
もう一度大きな声で「ごめん下さい」と声をかけたが、やはり中はシーンとしたままだった。
僕は「おばさ~ん、おらんの・・・?」と言いながら、玄関の引き戸を開けようとしたが、玄関にはカギがかかっていて開かなかった。
その時、「もしかして、中でおばさんが首をつってるかも・・・?」という嫌な予感が一瞬頭をよぎった。
塀から庭に入って家の中の様子を確かめようかとも思ったが、僕が小学生の時出入りしていた隙間は、あれ以来セメントで固められて出入りすることはできなくなっているし、塀の上を超えるのは、中学生となっていたその時には、さすがに気が引けた。
どうしようかと迷いながら、玄関戸をドンドンとたたいたり、「おばさ~ん、おばさ~ん」と何回も声をかけたりしていると、それに気づいた小道の向こうを歩いていた近所のおばさんがやって来て「ケンちゃん、小川さんならさっき出かけられとったよ」と教えてくれた。
とりあえず僕は、僕の嫌な予感が外れたことにホッとした。
僕は「ありがとうございます」とそのおばさんにお礼を言って、学校へ向かった。
学校へ向かう途中で、産婦人科病院から出てきたおばさんとバッタリ会った。
おばさんは僕を見つけ「あら、ケンちゃん・・・」と声をかけてきた。
その声は、やはり少し元気がなくいつものおばさんの明るさはなかった。
おばさんが病院から出てきたので、僕は「どしたん・・・?やっぱり調子悪いん・・・?」と聞いた。
おばさんは顔を横に振って「ううぅん・・・定期検診やけん、心配せんとって・・・・・・」と言った。
そして「これから部活なん・・・?」と聞いてきた。その問いかけに、僕は「うん・・・行ってきます」と手を振っておばさんから離れた。
おばさんも「気を付けてね・・・」と言って手を振ってくれた。
僕は、学校に向かいながら、おばさんの元気のない様子に、再びあの三人組への憎しみが沸き上がって来て、うまい始末の仕方をあれこれ考えながら学校へと向かった。




