おばさんの怒り
そんなことを繰り返しながら、小学校生活もあと2か月を切った2月初めの土曜日の午後だった。その日の僕の性欲は半端なく高く、今日こそどうしてもおばさんとセックスをするんだという気持ちで一杯になっていた。
それと一緒に、だいぶ生えそろってきたおちんちんの毛をおばさんに見せびらかしたいという気もあった。
ちょうどリョウちゃんのお父さんも出張でおらず、こういう時に必ず邪魔となる白石のおっちゃんは、正月頃から体調がすぐれないといって家で寝込んでいるようだった。
僕は、昼ご飯を食べ終わると勇んでリョウちゃんの家に遊びに行った。
白石のおちゃんが来なくなったからか、明日学校が休みの日であるのに、リョウちゃんは、おばあさんの家には行かず自分の家にいた。
リョウちゃんの家に遊びに行ったのだから、リョウちゃんがいてうれしいはずなのに、目的がリョウちゃんと遊ぶことではない僕にとっては、リョウちゃんは邪魔な存在でしかなかった。
僕の本心を見透かしているおばさんは、いつものように、いたずらっぽく笑いながら、「あら、ケンちゃん、リョウタと遊んでくれるの?リョウタ今日はいるわよ。上がって」と言って僕を家に招き入れた。
リョウちゃんが家にいることを知った僕は、言われるまま、しぶしぶ家に入った。
その時、リョウちゃんは、一人でジグソーパズルを床の上で組み立てて遊んでいた。
僕が部屋に入ると、熱中していた遊びを邪魔されたくないといったような顔で、僕の方にチラッと顔を上げると、すぐに下を向いて「これ、難しいんよ」と言って再びパズルのピースを手に取って、あーでもない、こーでもない、と僕を無視して自分の遊びを続けた。
そんな様子を見たおばさんは
「これ、ケンちゃんが遊びに来てくれとるんやから、自分だけで遊ばんと、二人で一緒に遊ばんと」と言って、不愛想なリョウちゃんを叱った。
「だって・・・」リョウちゃんが、面倒くさそうに言うのと同時に、僕も「別にいいです」と言っておばさんの手を引っ張った。
そんな僕の気持ちを察したおばさんは、小さな声で「ダメよ」と言った。
「そうだ、ケンちゃん、おばさんが焼いたケーキがあるけん、それ食べる?」と、その場のイヤな雰囲気を打ち消そうとおばさんが言った。
「切ってくるけん、そこに座って待っとって」と言って、おばさんは台所に消えた。
僕は、言われたとおりそこに座って、ジグソーパズルを組み立てているリョウちゃんを眺めていた。
リョウちゃんは無言で、僕の方をチラっ、チラっと見ながら、パズルの組み立てを続けた。
心の中では、おそらく「なんで帰らんのや?」と思っていたに違いない。
僕も、いつもならすぐに「帰ります」と言って帰るところだが、その日は、こんな状況であっても、おばさんと、どうしてもセックスがしたいという気が収まらず、リョウちゃんの無視にも耐えてその場に居続けた。
リョウちゃんが、僕とは遊ぶ気がなく一人でジグソーパズルの組み立てに集中しているので、別の部屋ならリョウちゃんに気付かれず、おばさんとセックスができるかもしれないと思い、おばさんのいる台所へ行った。
僕が台所に行くと、おばさんはちょうどケーキを取り分けているところだった。
僕が台所に来たことに気付いたおばさんは「ごめんね、ケンちゃん。リョウタが愛想なくって」と謝った。そして「もうちょっと待ってね」と言った。
僕は、そんなおばさんの横へ行き、おばさんのスカートの裾を持って、「おばさん、セックスがしたい」とねだった。
あまりにも単刀直入な僕のお願いに、おばさんは一瞬「エッ!?・・・」という顔をして僕を見た。
「何言いよるん。リョウタがおるやろ」
「リョウちゃん、ジグソー組み立てるのに一生懸命やけん。この部屋には、来んわ・・・ねぇ、すぐに済ませるけん」
僕は、やりたいスケベ心全開で、おばさんのスカートの裾を引っ張りながら得意の駄々をこねた。
「何、そんなヘンタイみたいなこと言うて・・・おばさん、怒るよ」とおばさんが言った。
それでも、やりたいスケベ心全開の僕にはそんな言葉は届かず「ねぇ、やりたい、やりたい・・・」と駄々をこね続けた。
そうして、我慢できずにスカートの裾を持っていた手をスカートの中に突っ込み、おばさんのお尻を触った時だった。
驚いたおばさんが、「キャッ!」と言って、持っていたケーキとお皿を床に落とした。
「ガチャガチャン!」というお皿の割れる音が台所に響いた。
僕は、「しまった」と思った。とっさに「ごめんなさい」と謝ろうと思ったが、うまく言葉にならなかった。
おばさんは「何してるの!・・・」と、初めて僕に怒った。
「ほら・・・ケーキがグチャグチャ」
おばさんは、「危ないから、あっち行ってて・・・」と半分怒ったように僕を遠ざけると、割れたお皿の破片を拾い始めた。
お皿の割れる音と、おばさんの怒る大きな声に驚いたリョウちゃんが台所に来ていた。
僕は、「もう帰る!」と言って、台所を飛び出した。
リョウちゃんは、びっくりした顔で「どうしたん?」とおばさんに聞いていた。
自分が、僕と遊ばなかったために、僕が怒ったのだと勘違いをしているようだった。
おばさんは「何でもないけん・・・リョウタも危ないけん、こっちに来たらいけん」と言っていた。
僕は自分の失敗への苛立ちから「もう、みんなにあの事言うてやるけん」とおばさんに聞こえるよう大きな声で捨て台詞をはいた。
それを聞いたおばさんは「おばさん、ケンちゃんがそんな卑怯な子やとは思わんかったよ」と完全に怒った声で応じた。
リョウちゃんはそんな二人の様子にすっかり驚き、「僕がケンちゃんと遊ばんかったけん、ケンちゃん怒ったん?」と泣きながらおばさんに尋ねていた。
「リョウタは関係ないんよ・・・泣かんでええけん・・・・・・」
「きっと、ケンちゃん、今日は虫の居所が悪かったんよ・・・」
「危ないけん、あっち行っとき」と言っているおばさんの声を聞きながら、僕は玄関から外に飛び出した。
おばさんに悪いことをしたという後悔の念と、リョウちゃんを泣かせてしまったことへの罪悪感から、涙がとめどなく流れた。おばさんとセックスがしたいという先ほどまでのスケベ心は、すっかりどこかへ行っていた。




