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EP.1-2 束の間の雑談と、すれ違う想い

こんにちは、Time Bombです!


日々『Abyss Trigger』の執筆に精を出しています!

……が、EP2-3で早くも手が止まりかけています(笑)


ですが安心してください!

シーズン1はEP.12構成で、各エピソードの大まかな流れはすでに出来上がっています。

今は肉付けの部分で少し悩んでいるだけです(笑)


『Abyss Trigger』を初めて想像で創り出したのは、今から3年前。

もう僕の中では、瑞葵・翼・悠喜・夏月はただの登場人物ではありません。

僕の中で、生きている存在です。


僕がここで筆を止めてしまうということは、

この4人の物語を終わらせてしまうのと同じだと思っています。


たとえ何年かかっても、必ず完結させます。

それが、作者としての僕の目標です。


どうか、これからも首を長くしてお付き合いいただけると嬉しいです。

晴翔「悪いな。急に呼び出しちゃって」


翼 「いえ。」


 翼が身支度を終えて休憩していると、千田晴翔から「少しいいか」と声をかけられた。


晴翔「いや、まあ、その……なんていうか……」


翼 「昨日のことですか?」


晴翔「まあな。」


翼 「昨日は俺のミスです。俺がみんなをカバーできなかったから。」


晴翔「翼だけのせいじゃないよ。だけど……な」


翼 「今は、仲間と連携できてないのは分かっています。」


晴翔「まさか、瑞葵が来てここまでブレるとはな……」


翼 「悠喜と夏月は必死なんですよ。それに対して瑞葵は、今は俺たちと一緒に動くので精一杯って感じがします。」


晴翔「そうだな。まさかあの三人で言い争いになるとは思わなかった。」


翼 「とにかく、俺は瑞葵のケアを優先します。二人の方についたら、三対一になってしまうので。」


晴翔「すまないな。俺もそこは、しっかりフォローする。」


 翼は四人の中で、いちばんSECRET Xへの加入歴が長い。

 とはいえ、瑞葵たちと同じ中学三年生だ。


 リーダーとはいえ、これ以上負担をかけるのは申し訳ない。

 だが、現状はどうしても翼に頼らざるを得ない。


 その状況に、晴翔は少しのもどかしさを感じていた。



悠喜「はああぁぁ、ねみぃ」


夏月「大きなあくびね。少しは女子がいることを意識してほしいんだけど。」


悠喜「へいへい。」


 瑞葵が柚木の部屋に行っている間、

 夏月は三面鏡の卓上ミラーの前でアイロンを使って髪を整え、

 悠喜は床に寝転がって休んでいた。

 翼は、晴翔に呼ばれて外している。


悠喜「前から気になってたんだが、髪のセットは洗面所でやれよ。」


夏月「嫌よ。晴翔さんならともかく、柚木さんと鉢合わせると気まずくなりそうだし。」


悠喜「別に同じ女なんだから、分かってくれるだろ。」


夏月「嫌って言ったら嫌。それに、柚木さんから誕プレでもらった卓上ミラーなんだから、なおさらこれ使わなきゃ。」


悠喜「へいへい。それにしても、これから勉強だってのに、よくそんな面倒なことするよな。」


夏月「分かってないわね。学校は校則で髪型のセットは禁止。放課後はトレーニング。

   つまり、土日の休日こそオシャレして女を上げなきゃいけないのよ。」


悠喜「別に女上げたって、使い道ねえだろ。」


夏月「ねえ悠喜。このアイロン、あったまってるか頬で確かめてくれない?」


悠喜「分かったって。悪かったよ。」


夏月「そんなオシャレは不要だなんて言ってたら、きっといつか後悔するのよ。男には分からないと思うけど。」


悠喜「ケッ。悪いが男の俺には、ちっとも分からねえや。」


 そんな他愛ない言い合いをしていると、翼が部屋に戻ってきた。


翼 「あれ? 瑞葵は?」


悠喜「柚木さんのところ。」


翼 「もう行ったのか。」


悠喜「あれは、こっぴどく叱られてるぜ。なんせ、あいつのせいでミッションは失敗みたいなもんだからな。」


翼 「悠喜! その言い方はないぜ。」


夏月「翼。でも、本当のことよ。」


翼 「瑞葵は初めての任務だったんだ。俺たちがフォローできなかったのも問題だ。」


悠喜「ああ、瑞葵がいなけりゃ、こんなヘマしなかったのにな。」


翼 「悠喜、いい加減にしろ。」


夏月「それより、晴翔さんに呼び出されてたけど、何があったの?」


翼 「悠喜と夏月が、瑞葵を受け入れてない環境について、ちょうど話してた。」


悠喜「へいへい。」


 そう言われても、悠喜と夏月は特に気にする様子もなく、それぞれ自分の作業を続けていた。


夏月「そういえば、今日の朝食。昨日あんなことがあったのに、よくパンおかわりできたわね。」


悠喜「俺のモットーは『腹が減っては戦はできぬ』だからな。」


翼 「前も『俺のモットーは』で、別のこと言ってなかったか?」


夏月「そういえば、その前も言ってたわね。」


悠喜「まあ、柚木さんって、どんなにヘマしてもメシはちゃんと作ってくれるもんな。

   もらえるもんは、もらっとくのが礼儀だろ。」


翼 (その明るさはありがたいけど……もう少し瑞葵にも気を使ってほしいんだよな。

   でも言ったら、またキレそうだから黙っとくか……)


 そんな三人の前に、柚木の部屋へ行っていた瑞葵が戻ってきた。


翼 「瑞葵! 終わったのか。」


瑞葵「うん。もう出発するから、呼んできてって。」


翼 「分かった。じゃあ、出かけるか。」


 悠喜と夏月は、瑞葵と目を合わせることなく、先に玄関へ向かっていった。


悠喜「はぁ……勉強なんて憂鬱だぁ。」


夏月「悠喜、昨日も授業中寝てたけど、大丈夫なの?」


悠喜「俺は睡眠学習してんだよ……」


 二人に続いて瑞葵も部屋を出ようとすると、翼が声をかけた。


翼 「……瑞葵。大丈夫だったか?」


瑞葵「あ、どうしたの?」


 翼はそれ以上、踏み込まなかった。

 本当は、もう少し話を聞いてやりたかった。


 けれど今の瑞葵は、悠喜と夏月から距離を取られている。

 だからこそ、これ以上追い詰めるようなことは言えなかった。


 瑞葵もまた、深く聞かれたくなかったのか、目を合わせずに答える。


瑞葵「……ああ、大丈夫。」


 それだけ言って、瑞葵は二人の後を追うように玄関へ向かった。


翼 (……瑞葵の、心の傷か……)


次回予告


勉強会――講師1、生徒4。

穏やかな時間のはずの教室に、静かな亀裂が走っていた。


「おい、悠喜。寝るな」

「わりいわりい。つい眠くなっちまって」


成績、嫉妬、焦り。

そして――“任務で結果を出さなければ迎えが来ない”という、それぞれの事情。


「俺らはマジなんだよ」

「このまま瑞葵が信じて待ってるのは、逆に苦しめる」

「……四人で頑張るしかないだろ」


夕方、始まる過酷なトレーニング。

その中で、瑞葵だけが別メニューに追い込まれていく。


「瑞葵、もし実戦なら骨が折れてる」

(ヒッ……!)


すれ違いが加速する中、告げられる次の任務。

そして、翼はある決断を下す――。


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