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119 ゼ・ツイレイクの街

本日から第4章が始まります!

謎の宝玉を集まるエルバたちを追ってきたのは、ゼ・ツイレイクの街。


この街で、いったいどんな冒険が待ち受けているのか!

ご期待ください!

ゼ・ツイレイクは、巨大な湖のほとりに築かれた風光明媚な街である。


この巨大な湖はゼ・ツイ湖と呼ばれており、それが熱を蓄えることで、内陸部に比べて夏は涼しく、冬も極端な冷え込みを避けることができる過ごしやすい気候が特徴的な街だ。


武道大会が開かれるこの時期は、ちょうど初夏の爽やかな風が吹く最高のシーズンであり、数年ぶりの武道大会を控えていることも相まって、街はまさに熱狂の渦の中にある。


立ち並ぶ屋台からは香ばしい肉の焼ける匂いが漂い、色とりどりの装飾が風にたなびいている。


道行く人々の中には、武道大会を目当てに諸外国からも訪れている者も見受けられ、まさにお祭り騒ぎという言葉がお似合いだ。





「ねえ、パルト!見て、あの髪飾り。ゼ・ツイレイクの特産なんだって!」



クレアはここに来た目的を一瞬忘れたかのように、キラキラと目を輝かせて露店へ駆け寄った。



「ちょっと……クレア……まずは宝玉の手がかりを探さないと……。」



わたしは呆れたように溜息をつく。


が、そんなわたしの視線もまた、見たこともない色鮮やかな異国のスイーツに釘付けになっていることは否めない。


街の賑わいは、わたしたちのような若者や旅行客の心を容易に躍らせるには十分であった。




ふと気づけば、突然クレアに髪飾りをさされた。


そして、大きな肉串を手渡される。



「それあげる。それと腹ごしらえしよう!」



そう告げて、パクリと肉を頬張るクレア。


わたしは少し戸惑いつつ、クレアに釣られてお肉をひとくち食べてみることに。


すると、香ばしい肉の匂いが鼻を通り抜け、口の中にジューシーな肉汁が広がっていく。



「これ、何の肉なの?」


「ツイジカだっへ!」



満足しながらクレアに聞くと、お肉に夢中のクレアは頬張りながら言葉を溢した。


ツイジカとは、ゼ・ツイ湖の周りに生息しているシカの仲間である。


そのツイジカを筆頭に、ゼ・ツイレイクの周りには潤沢な生態系が溢れており、多種多様な動植物が独自の環境下で活発に相互作用し、生物の多様性が健全に機能している。


……と、さっき立ち寄った案内所で聞いた話をわたしは思い出した。



ウマウマと肉を一気に飲み込んでいくクレアに苦笑しつつ、わたしもせっかくなのでしっかりと頂くことにして、ツイジカのお肉を堪能していると、いち早く食べ終えたクレアが口を開く。



「ふぅ〜満足だね!ツイジカ、なかなかの美味でした!」


「お店……よく見つけたね。」


「でしょでしょ!実はさ、その髪飾りを選んでたら、この串を食べてる女の子がいてさ!」



クレアが言うには、近くを通った女の子が同じ肉串を食べていたらしく、それを見てクレアはすぐに声をかけたそうだ。



「めちゃくちゃ美味しそうに食べているから、どこで売ってるのって聞いたんだ!そしたら、すぐに教えてくれてね!」



クレアはすぐ近くの出店を指差して、その少女から聞いた店があれだと、わたしにも教えてくれる。


たくさんの串が並ぶその店は、すでに人だかりができていて、確かに人気店のようだった。




「しかし、あの子は不思議な子だったねぇ〜。」



クレアがその女の子のことを興味深そうに思い出しているので、いったいどんな少女だったのか気になる。


わたしは最後のお肉を頬張ると、クレアに聞いてみることに。



「その子って……あの店を教えてくれた子のこと……?」


「そう!フードを深く被ってて、顔は良く見えなかったんだけどね。すごく楽しそうに笑ってたなぁ。雰囲気がとても不思議でさぁ。それに白い髪も特徴的だった……」



それを聞いた瞬間、わたしはハッとする。



「フード……白い髪…………?!そ……その子どっちに行ったの!?」


「え……?!あ…………あっち……かな。」



突然、わたしが食い気味に顔を寄せたので、クレアは少し戸惑ってある方向を指差した。


それを確認したわたしは、すぐにその方向へと走り出す。


少し走ると、小さな十字路に出た。


その女の子はどっちへ行ったのだろうか……。



来た道以外をキョロキョロと見渡すと、人混みを縫うようにして歩く二人組の姿を見つけた。


すぐに気づけたのには、理由がある。


小柄ながらも傲慢なまでの存在感を放つ少女と、その背後に影のように、守るように付き従う男。


2人から漏れ出している違和感は、周りを行き交う人々とは違う雰囲気とはまるで違ったからだ。


だが……2人の姿が人の影に隠れたと思った瞬間、彼らの姿は突如として消える。



「やっぱりエルバたちも来てたんだ……。」



その狙いは、やはり宝玉だろう。



「パルト……!急にどうしたの!?」



後から追いかけてきたクレアは、何が何だかわからない様子だ。



「やっぱり……来てた……」


「来てた……?誰が……?」


「エルバ……」



その名を聞いてもクレアは首を傾げるだけだが、それも無理はない。


エルバに会っているのは、わたしとアナスタシアだけなのだから。



「クレア……訳は歩きながら話すよ……。」



そう言って歩き出すと、クレアもそれに続く。


まずはエルバたちよりも先に、宝玉を手に入れないと。


わたしは決意を改めて、真っ直ぐエルバたちが向かった方へと進むのだった。

やはりエルバたちも…

狙いはおそらく貴族が持つ宝玉。

今回はどんなことを仕掛けてくるのか!


GWにも関わらず、ご愛読いただきまして、ありがとうございました!

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