#28 神VS獣 ~奥の手~
観戦していた近藤は、後にこの戦いをこう言った。
「松永君は常に冷静で、逆に亀瀧君は感情任せだったな、あの戦いを一言で言うなら【神VS獣】かな」と
2人の準備ができたのを確認した近藤は試合の合図を出すために、右手を挙げた。
<シルバー視点>
(いろんな感情が込み上げてくる…一番は怒りか…さぁー勝つぞ)
<優作視点>
(あれが何か分からない以上、迂闊に手を出せないな)
「いいかい2人共、これは殺し合いではないのだ、無理は禁物で頼むよ、では…試合…始めぇぇ!!」
その言葉と共に右手は振り下ろされた。
最初に動いたのはシルバーだった。即座に接近して無数の連撃を繰り出した。それはまさに近藤が言った【獣】のような荒々しいさだった。
対する優作は、シルバーの猛攻を全て冷静に捌き続けていた。
<シルバー視点>
(なんだろう、今日はやけに体が楽に感じるな、動きやすい)
<優作視点>
(まずいな、予想以上だ、攻撃に転じる隙がない)
2人の武器がぶつかり合う音は、広い体育館に響き渡った。
押されていた優作は、シルバーの攻撃を押し返し、後ろに飛んで距離を取って、【雷霆】を長棒の型へ変形させる。
<シルバー視点>
(おっと武器を変えたか、ここからがあいつの本気というわけか)
<優作視点>
(これは…あの手を使わざるを得ないな…最悪だ…)
今度は優作がシルバーに詰め寄って行った。【雷霆】を槍の様に扱い、シルバーの攻撃が届かない距離を保ちながら、攻撃を仕掛け続けた。先ほどとは打って変わって、シルバーが防戦一方となった。
(まずいなこれは、攻撃するのが厳しい…後ろに下がりながら攻撃を躱すしか…いや、ワンチャンにかけるか)
そう考えたシルバーは左からきた薙ぎ払いの攻撃を少し前に出て喰らった。
(ぐゔっ…だが!)
シルバーは即座に、左脇腹にぶつかった【雷霆】を掴んで刀を振るった。
(いける!一撃入れれる!)
それに対して優作は軽く舌打ちをした。
そして一言
「わりぃな」
優作に刀があたるその瞬間、シルバーに電撃が走った。
「ぐぅはぁ!」
シルバーは掴んでいた【雷霆】を放して膝をついた。
「電撃が出せるなんて…聞いてねぇよ…」
「敵が馬鹿正直に手の内を教えてくれると思うなよ」
膝をつくシルバーに優作は冷たく言い放った。
そしてシルバーの頭に【雷霆】を向けた。
「体が痺れ動けないだろ、お前の負けだ」
言い終わると近藤の方へ振り返って歩き始めた。
「近藤さん決着です、終わらせてください」
そういわれた近藤は試合を終わらせようとした。
「亀瀧君戦闘不能!よってこの戦い…まさか!」
その声で優作もシルバーの方を振り返った。
「フッだりぃな」
そう言った優作だったが、表情はどこか嬉しみを含んでいるようだった。
<シルバー視点>
(ちくしょう…立て…立つんだ…じゃないと…あいつと…一生モンの…わだ…かまりが…できちまうだろうが!)
少し目線を上げると、刀身に苦しんでいる自分の顔が映った。
(だめだよな…お前もそう思うだろう…)
(だよな…こんな主はだせぇよな…)
そしてシルバーはゆっくりながらも立ち上がった。
「まだ…だ、まだ…終わりじゃーねぇぞ」
至らぬ点も多々あると思いますが、「初心者が頑張ってるな」みたいな感じで今後も読んでいただければ幸いです。




