#14 違和感の正体
「お疲れ〜」タオルを持ちながら近づいて来る一ノ瀬さんから、「どうも」感謝をしながら、タオルを受け取り、汗を拭っているシルバーには、微々たる違和感があった。
それは紛れもなく、最後の一瞬の事だ、この魚の小骨が喉に刺さったような違和感の正体は何なのか、少し考えて出した結論はシルバーの顔を曇らせた。
一ノ瀬さんと話しをしている優作にシルバーは疑念をぶつける。
「なぁ、優作」
「あ?どうした?」
「お前…敢えて隙を作ったろ…」
「え?」
「……」
一ノ瀬さんは驚いたが、優作は無反応だった。
(やっぱりか…今考えれば優作は右手が空いていた、防ごうと思えば防げたはずだ…)
悔しさが込み上げてきたせいで、タオルを握っていた手に力が入った。
その姿をみていた優作は、シルバーに一言だけ告げる
「銀仁、実力があるから、勝機を掴めたんだ、忘れるなよ」
そう告げると「じゃ、休憩や午後に向けてしっかり休むぞ」と言いながら体育館を後にした。
(実力ね…敷かれたレールを歩いただけじゃねぇか)
そんな事を考えていると後ろから、上山さんが近づいてきた。
「どうした、力の差に絶望したのか」
「え?いや…逆ですよ」
「逆?」
「ええ、目の前にそびえる巨大な壁があるんですよ、そんなん超えたくなるじゃないですか」
「なるほど、さっきの発言は君を慰めたのではなく、駆り立てる為だったのか」
「ま!俺がそう受け取っただけで、優作がどう思って言ったかなんて、知りませんけどね」
そんな会話をしながら体育館を後にした。
至らぬ点も多々あると思いますが、「初心者が頑張ってるな」みたいな感じで今後も読んでいただければ幸いです。




