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人工ダンジョン

扉を開けると中は外見よりも広い空間になっていた。ドキドキしたこの気持ちを何とか抑えながら早速係の人に話しかける。


「すいません、初めてなんですけどどうすればいいですか?」


他に初めての人はいなかったようで申請や登録、様々な説明など最後までつきっきりで案内してもらえた。


「それじゃ、はい、これが君のカードだから無くさないようにね。」


「ありがとうございます!」


そう言って受け取ったのは入場カード。これを入場口にかざすとダンジョンの入り口が開き、中に入れると言うことらしい。

そしてその際は自身の到達階数とダンジョン自体がどこまで到達されているか、各階の混雑度などがわかるようになっている。

今は第1階層からスタートだが階層が進むと次回からその階層からスタートできる様だ。

早速カードをかざしダンジョンへ入場する。


このダンジョンは下へと続くダンジョンでまだ最下層に到達したものはいないと言う。そして5階下りることにボス部屋があり倒すとそれなりのレアアイテムが貰えるらしい。

そしてこのダンジョンが人工ダンジョンと呼ばれているのは管理されているのもそうだが通常のモンスターとの違いのある。その違いとは倒した際に勝手に消滅してドロップアイテムを落とすのでは無く、自身で解体してアイテムを取得する必要があると言うところだ。だがそのモンスターも倒したらずっと消滅せずに残っているのかと言うとそうでも無く、ある程度時間が経つとダンジョンに吸収されるので頑張って倒しても解体せずに放置していると何もアイテムが獲得出来ず残念な思いをすることになる。


とりあえずは初心者用のパンフレットももらったので早速攻略していく。

1階はほとんど人がいない様なので伸び伸びとからが出来そうだ。

ダンジョンへ入るとそこは草原が広がっていた。照らす太陽に頬を撫でるそよ風、青々と茂った草花、どこか初陣の草原を思わせるような階層だ。


モンスターを探し歩くこと数十分、出てきたモンスターはスライムだ。ますます初陣の草原に来るかの様だ。

だがスライムは初陣の草原レベルでは無くしっかりと強くなっていた。


「シルヴァ様ー!頑張ってださい!」


「やっと出てきたと思ったら普通のスライムじゃない!」


応援やヤジを受けながらスライムと対峙する。今回、最初の数体はサポート無しで戦闘しある程度あったらサポートをお願いすることにした。みな残念そうにしていたけど今自分が1人で何処までやれるのかを知るためと言ったら渋々承諾してくれた。


今回のスタイルは小盾に短剣、称号はスライムキラーに各種バフ。

スライムを狩っていたのはついこの前の事なのに何だか懐かしく感じる。

対峙したスライムはぴくりとも動かず機を待つかの様にじっとしている。

睨み合いが続いて数十秒、この沈黙を壊したのはスライムの方だった。スライムが行動を起こしたかと思うと狙っていたのか偶然なのか太陽の光がスライムの体に反射し視界を奪われてしまった。そしてすぐに体に重い衝撃が走る。スライムの突進を防ぎきれずに直接受けてしまい吹き飛ばされてしまった。


「シルヴァ様大丈夫ですか!」


リリィが心配の声をかけてくれた。


「大丈夫!」


そう言い体勢を立て直し、盾を前に構えながらジリジリと距離を詰めていく。

それに合わせる様にスライムも距離を詰めて来る。

今度は先手を取られない様に間合いに入ったら一気に距離を詰め構えた盾で思いっきり殴りつける。

スライムが飛ばされた場所に再度一気に距離を詰めて短剣で切り付ける。

その切先はコアを真っ二つにしてスライムを絶命させた。


スライムはコアが割れたことにより体を保てなくなり水の様に溶けてコアだけが残された。


「アイテムの入手は楽だけどこれじゃ割れたコアしか手に入らないな。」


そう呟くとすぐさまヤジが飛んできた。


「シルヴァなに油断してるのよ!」


カトレア様がお怒りになられてる。

リリィは心配そうにこちらに視線を送り、ラーミ、ノービィ、ドッペルは草原で追いかけっこをして遊んでいた。何ともカオスな空間が出来上がっていた。

ラーミ達はこちらを心配する必要が無いと信頼しているから遊んでると信じたい。

ただつまらなくなり遊んでるとしたら悲しすぎてつらい。


気を取り直しみんなで下の階に降りる階段を探しながらエンカウントしたモンスターを狩って行く。

次の戦闘からは油断することなく確実に仕留めてスムーズに攻略することができた。


そして探すこと数時間、下へ降りる階段を見つけることができた。

ノービィとラーミに見張りをお願いし少し休憩してから進むことにした。ここまではサポート無しで攻略することができたが、次の階層からはサポートありで全力で挑む事にした。


15分ほど休んだらみんなで階段を降りて行く。

階段を5分ほど下ると次の階が見えてきた。次の階層は先ほどの階層とは打って変わってザ・ダンジョンという感じの階層だった。

レンガ調の壁、壁には松明、薄暗くじめっとした雰囲気が漂っている。

ルートは様々分かれていてマッピングが必須となりそうだ。

とりあえずは1番左のルートから攻略していく事にした。

選択したルートを歩く事数分、奥からガシャガシャという音が聞こえてきた。みんなで体制を整え敵に備える。

松明に照らされその姿が見えてくる。全身が白く綺麗な骨、弓を持ったものや大剣を持ったものもいる。

種類と体数はスケルトンが2体、アーチャーが2体、バスター1体、シールダーが2体だ。


「スケルトンです!アーチャーやバスターも居ます!」


リリィの声を合図に各自応戦する。最速で動いたのはラーミだった。


「ブラットアーツ!」


そう言って赤黒い弾丸の様なものを飛ばす。

だがスケルトンシールダーに殆ど阻まれ命中したのは通常のスケルトン2体だった。

当たれば威力は問題ない様で2体のスケルトンは一撃で仕留めていた。


ラーミはそのままノービィに乗り敵陣へと入っていく。

アーチャー2体がそれを狙い弓を構える。


攻撃をしようにも生半可な攻撃ではシールダーに塞がれてしまう。クナイや手裏剣、短剣などは使えない、あの時の槍を出そうにもブラットアーツは使用できる状態では無い。

普通の槍でできるのか?いや、やるしか無い。

槍を構え自バフをかけてさらにリリィとドッペルにバフをかけてもらう。

力を逃さない様に槍を放つ。放たれた槍は風切り音をたてながら一直線にアーチャーへ向かって行くが予想通りにシールダーが行手を阻む。

構えられた盾に槍がぶつかる。大きな音を立てながら盾を貫通するが槍は盾を貫通するとシールダー本体を破壊したのち威力が落ち止まってしまい攻撃はアーチャーに届くことはなかったが、シールダー1体を倒すことはできた。


アーチャーを倒すことができなかった事により弓を構える狙いを定めていたアーチャーから矢が放たれた。

放たれた矢2本はノービィへ向かい飛んでいく。

だがノービィもみすみす受けることはなく体を細め一気に加速する。

すると行き場を失った矢はそのまま壁に突き刺さる。

敵陣ど真ん中へ到達したラーミとノービィのふたりは一気に畳み掛ける。

幼いながらドラゴンとなったノービィはドラゴンブレスを放ち、ラーミはブラットアーツを巧みに利用して敵の動きを封じる。

残っていたバスター1体、アーチャー2体、シールダー1体にダメージ量は少ないながらも着実にダメージを与える。

ドラゴンブレスのダメージにより動きが少し鈍くなり、シールダーも1体になった事でそこから敵を倒すのは比較的簡単になった。

まずは遠距離攻撃が厄介なアーチャー2体に各人で高威力の攻撃を狙い放つ。

するとシールダーが守るために自らその攻撃にあたりに行く。当たった攻撃は高威力のということもあり盾を破壊し、本体の方もバラバラに破壊した。

残りはアーチャー2体にバスター1体。


バスターが攻撃の為急接近してきたノービィ達に向かって天高く上げた剣を振り下ろす。

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