新たな国へ
やってきました、土曜日!
朝から張り切ってログインをする。
ウィーンと心地よい音が部屋に響く。
目を開けるとそこは見慣れた天井、時刻はちょうどお昼頃だった。
「来たわねシルヴァ!」
「シルヴァ様!待っていましたよー!」
早速カトレアとリリィが話しかけてきた。
「お待たせ!…他のみんなは?」
周りを見渡しても他のみんながいなかった。
「ドッペルは枕元で寝てるわよ。ラーミとノービィは下で遊んでるわ。」
そう言われて枕元に視線を向けると確かにドッペルがいた。
「わっ!」
びっくりしてつい声が出てしまった。
その声に反応してドッペルが起きこっちをじーっと見つめる。
「………シルヴァさま〜、おはようございます〜。」
ほんわかした雰囲気を纏ってとても癒された。
満足度が高くつい顔が緩んでしまう。
「だらしない顔ね。」
顔の緩みをコントロールできずにいるとカトレアから厳しいお言葉を頂いた。
ちょっとほっぺをぷっくりさせて怒ってる姿も可愛かった。
リリィの方も見てみると母親が子供を見るような顔つきでニコニコしていた。もちろん可愛いのだが纏っていたオーラで少し萎縮してしまった。
気を取り直してみんなで下に降りていく。
ドッペルは頭に乗りリリィは肩にちょこんと座りカトレアはふわふわ浮きながら着いてくる。
階段を降りるとラーミとノービィが机の上でゴロンと寝っ転がっている姿が見えた。
他に人の姿は見えなく、ふたりで贅沢に使っているようだった。
「ラーミ、ノービィ!おはよう!」
そう挨拶をするとすぐにノービィが胸に飛び込んできた。
「ビィ!」
顔を胸に擦り付けてきて甘えん坊さんモードに入ってしまったみたいだ。
「あるじよー、もういくのか?」
ラーミは疲れているのか机にちょこんと座ったまま聞いてきた。
ノービィも息が荒くなっていて疲れていることがわかった。
「ちょうどお昼だし先にどっかでごはんたべるか!」
そう言うとみんな大賛成なようでどこへ早速どこで食べるかの会議が開かれた。
「我とノービィは肉を所望する!」
「ビィー!」
さっきまで疲れて横になっていたふたりはそんな事は無かったかのように元気に発言していた。
「あなた達最近お肉食べ過ぎじゃ無い?もっと野菜も食べなきゃ。」
おっと、カトレア先生から指摘が入ったー!
「草など食べてられるか!やはりパワーの源は肉だ!」
「リリィとドッペルは?」
カトレア先生は諦めたのか他の意見を求めに行った。
「私はスイーツが食べたいですね!ドッペルはどうします?」
「う〜ん、なんでも〜。」
「リリィも甘い物食べすぎなんじゃ無い?そんなんじゃシルヴァに嫌われるわよ?」
おっと、カトレア先生なんか今日は強火ですね。まさか巻き込まれるとは思ってなかった。
「シルヴァ様〜。」
リリィが少し涙目になってこちらを見てくる。
先ほどまでの母のような慈愛に満ちたオーラは消え去っていた。
「大丈夫だよ、リリィは可愛いから!」
「シルヴァ様ー!!」
そう言うとリリィはパタパタとこちらへ向かって飛んできて肩にちょこんと座った。
「シルヴァは何でも良いわよね?私はサラダとか食べれれば良いからどこか適当なレストランでも入りましょ。お肉もスイーツも大体はあると思うわ。それよりどっちにいくか決めたの?」
色々決まってしまった。
でも確かにレストランは便利だもんな。少し高いけど大抵のものはあるしね。大衆食堂はあまりスイーツとかちゃんとしたサラダが無いところも多いもんな。
………それよりもどこ行くかか、うーん、魔法の国にしてみよ!
「魔法の国とかどうかな?」
みんなに聞くと特に反対意見もなくすんなりと案が通った。
みんなの準備ができると扉の前に立ち、魔導国スペルディアに設定して扉を開ける。
扉を開けると気持ちい風が吹き抜けて、まず目に入ったのは天まで届きそうなほど高い塔だった。
「おお〜。」
つい感嘆の声が漏れ出る。
歩いている人も見てみるがまさに魔法使いと言う格好の人が多くテンションが上がってしまった。
「すごいですねシルヴァ様。」
リリィが耳元で囁く。
他のみんなも初めてみる景色に圧倒されていた。
そして数秒後、落ち着いてきたら圧倒された原因の塔の方向を大まかに目指しながら飲食店を探すことにした。
「なんかちょと古っぽくはないか?」
ラーミがそんな事を口にする。
「歴史がありそうとかって言いなよ!」
改めて周りを見渡すと確かにアーツノルドよりも歴史のありそうな建物が多く見られる。
「雰囲気があって素敵ですよね!」
「まぁ、悪くないんじゃない?」
「いいかんじですね〜。」
他のみんなもすかさずフォローに入る。
うん、大丈夫そうだ。現地の人にラーミの発言を聞かれてなくて良かった!
そんなこんなで細心の注意を払いながら街を散策していると何だか良い香りがするお店を見つける。
「ここ良い香りするね!」
レストランでは無かったがみんなもその香りにやられたようですぐに決まった。
「いらっしゃいませ!4人がけのテーブルでもよかったですか?」
「はい、お願いします。」
入ると中は結構混雑していたがすぐに店員さんに案内された。
テーブルに案内されると直ぐに水とメニューを持ってきてくれた。
「決まったら呼んでください!」
そう言うと店員さんは颯爽とキッチンへ戻って行った。
メニューを見てみるとかなり豊富で見てるだけで楽しい気分になってきた。
数分後、みんな頼むものが決まったところで店員さんを呼ぶ。
「すいませーん!」
「お待たせしました!」
「ブラックブルのステーキ2つに朝どれ野菜とキノコのキッシュのサラダセット1つ、日替わりランチ1つにOLランチセット2つでお願いします。」
「はーい、かしこまりました!」
料理ができる間はみんなで今日の狩場の相談をする。
「良さそうなところは………うーんそうですね、淀みの沼地はアンデット系モンスターが多く、微睡みの丘は状態異常攻撃をしてくるモンスターが多く、あとは街の中に一般開放されている人工ダンジョンが1つありますね。」
リリィが調べて説明してくれるとその中に心躍る単語があった。そう、人工ダンジョンだ!
とりあえずみんなはどれが話を聞くと沼地以外ならどっちでもと言う事だったので人工ダンジョンに行くことにした。
「お待たせしましたー!」
そしてちょうどよく料理も届き、しっかりと味わいながら食べ、完食する。
「ご馳走様でした!」
「はーい、またいらしてください!」
店を後にするとリリィ案内のもと人工ダンジョンに向かって歩いていく。
そして歩いて20分、無事ダンジョンがある場所へと着くことができた。
「いつもありがとうね、リリィ。」
「いえ私はサポート妖精ですから!でもどうしてもお礼がしたいと言うのならデートしてくれたらすごく喜びますよ?」
「うん、今度しようね!」
「シルヴァ様ー!」
精霊さん達にまたかと言うような目で見られる。
「はい、さっさといくわよ!」
そんな雰囲気が耐えられなかったのかカトレアが割って入る。
「早く並ぶわよ!」
そうカトレアが言うように人工ダンジョンに入る列ができていたのだ。
入り口には門番のような人がいてそこで色々手続きをして入るようだ。
意外にも列の進みは早く数分ほどで自分たちの番が来た。
「入場カードは持ってるかな?」
「今日が初めてなんです。」
「それだと中に入って俺たちと同じ格好をしてる人がいるから話しかけて。」
「わかりました!ありがとうございます!」
そして犯罪履歴など簡易的に色々調べられると中に入る許可が降りた。
そしてみんな揃うと高鳴る気持ちを抑えながら扉を開ける。




